夏本番前にエアコン動作を確認しておきましょう。
2025年05月25日 更新▲近年、40℃を超える猛暑日が続くこともあり、エアコンが使えないと熱中症の危険があります。経済産業省では、ポスターや動画などで、エアコンの早期点検を呼びかけています。エアコンメーカー各社も本格的な夏が来る前に試運転することを推奨し、その方法をHPで紹介しています。安心して快適な夏を迎えるために、早めにエアコンの試運転を行い、異常がないかを確認しましょう。

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「暑くなって、エアコンを動かしてみたら調子が悪い。故障していた。」などという理由で、例年、7月前後にエアコンの点検・修理や取付け工事が集中し、購入から設置まで数週間待たされる場合があります。多くの人がエアコンを使いはじめるのは梅雨明け頃から。7月や8月は、毎年修理点検の依頼のピークで、5月の約3倍にもなります。猛暑の最中に修理を数週間待つのは、命の危険も懸念せねばなりません。また買い替えるにしても、設置までに時間がかかり、修理同様、混み合うことが予想されます。梅雨に入る前に、一度ご家庭のエアコンをチェックしましょう。
◆チェックポイント
エアコンの試運転は、まず、フィルター、熱交換器、室外機の状況をチェックした後に、運転モードを「冷房」にし温度を最低温度16℃から18℃、風量を最大で30分程度運転しましょう。
試運転で冷風が出なかったり、嫌な臭いがしたりした場合は使用を中止し、エアコンを購入した販売店やメーカーに相談してください。
1. フィルターの清掃
フィルターのほこりは、水洗いをするか掃除機で吸いとりましょう。また、汚れがひどいときは中性洗剤を溶かしたぬるま湯で洗い、その後、日陰で乾かしてください。乾燥が不十分だと、雑菌が繁殖し、カビや嫌な臭いの原因になります。フィルターは、2週間に1度をめどに掃除をしましょう。
2. 熱交換器
熱交換器とは、フィルターを外すと現れるシルバーの金属部分で、ホコリが溜まりやすく、運転中に結露しやすいので、カビが付着している場合があります。ただし、熱交換器の掃除は故障するおそれがあるため、プロに掃除を依頼してください。
3. 室外機
室外機の吹出口に物を置くと、冷房の効果が下がります。室外機の吹き出し口付近やその周辺にものを置いたり、カバーで覆ったりしないよう注意してください。また、室外機に直射日光が当たると、室外機が温まり冷房効果が低下します。できれば植木やすだれなどで日陰を作るようにしましょう。
◆試運転の手順
運転モードを「冷房」にして、温度を最低温度16℃から18℃、風量を最大に設定し、10分程度運転します。
チェックポイントは
・リモコンの液晶は表示されているか?リモコンの操作はできるか?
※おかしいなと思ったら、一度リモコンの電池を入れ替えてみましょう。
・冷風が出ているか、運転ランプが点滅していないか確認する。
・30分程度運転し、室内機から水漏れ、異音、異臭がないか、室外機から異音、異臭がないか確認する。
◆エアコンを効率よく使うために
冷たい空気は低い位置に溜まりやすい性質があります。エアコンは高い位置にある室内機のセンサーにより働くため、風を斜め下に吹き出す設定にしていると、冷やし過ぎたり、足元ばかり冷えやすくなります。風の吹き出しを横向きにして、下に溜まった冷たい空気を扇風機やサーキュレーターなどで上へ送ると、部屋が均一に涼しくなり、無駄な運転も抑えられます。
暑さには、湿度が影響します。ムシムシするときは除湿機能を使うことで、より快適に過ごしやすくなります。
◆設定温度
温湿度計で、室温と湿度を正しく測定し、冷房使用時の室温28℃、温度60%を目安にエアコンを設定しましょう。室温が低く(24℃を下回る)、外気温と室温の差が大きいと部屋に出入りする際に体の負担になります。また、室温の上昇を抑えるために、すだれや緑のカーテンで部屋を日陰に保ちましょう。
体感温度に頼り、エアコンをつけずにいると、気づかず熱中症や脱水の症状が現れる場合があります。小さなお子さんや高齢者がいるご家庭、冷え性の方も注意が必要です。真夏は、温度計や湿度計を見て、エアコンを使うようにしましょう。