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Category: 北欧コラム


『キャンドルと光のお話』ドロッペさんのハーデソーブラー

2016年12月19日 更新▲

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こんにちはティンドラ・ドロッペです。

何度かこの北欧コラムでも登場しましたが、今回改めてキャンドルのお話です。大切な人と過ごす時間が増える時期、北欧流を暮らしに取り入れてみてはいかがでしょうか?

 

欧の人たちには欠かせないもののひとつにキャンドルがあります。このキャンドル、消費量を世界的に見てもフィンランドが一位、そしてデンマークが二位に続き、押し並べてスウェーデン、ノルウェーも上位国に入ります。

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私が親しくしている家庭でも季節問わず、夜は白熱灯の間接照明にキャンドルの灯りで過ごしています。
昨今、日本でもカフェやレストランのテーブルにはキャンドルというところも増えてきました。アロマキャンドルなど、香りと共にリラックスするという使い方も増えてきているようです。こうしたシーン別の使い方だけでなく、北欧ではキャンドルが“暮らし”の中に深く浸透しています。
みんなキャンドルの灯りが大好きです。

 

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北緯55度のデンマークでは完全な白夜にはなりませんが、夏は夜の11時くらいまで明るく、反対に冬は午後3時にはもう夕暮れのように暗くなります。暗くて長い夜が続くというわけです。日照時間が少ない冬は、うつ病を発症しやすいと言われています。この長い冬の夜を心地よく過ごすために、北欧の人たちはキャンドルを上手に使っています。
通りに面した家々の窓から、ほんのりとしたオレンジ色の灯りがもれていると、おとぎ話を1ページ1ページめくるようにシーンが想像できます。キャンドルの灯りの下、食事を楽しみ笑い語らう家族や、食後のお茶を味わいながら本を読みリラックスする人、足元に寝そべる犬、窓辺から外の様子を見守る猫。などなど、まさにホーム・スウィート・ホームがそこに描かれているように感じるのです。

 

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実際に、キャンドルの灯りには精神的な安らぎをもたらす効果があることも明らかになっています。キャンドルの炎は、「1/f(エフ分の1)ゆらぎ」という、小川のせせらぎやそよ風、小鳥のさえずりと同じリズムで揺れています。不規則ながらも心地よく揺れ、またたく様に、人は幸せと安らぎを感じると言われています。

部屋の雰囲気づくりにおいてもキャンドルなしにくつろぎの演出はできません。私が知っているスウェーデン人とデンマーク人にどうしてキャンドルなのか尋ねたことがあります。彼らの答えはこうでした。「蛍光灯ではリラックスできない。あなた蛍光灯で打ち明け話できる?」「キャンドルの方が温かいしステキでしょ。」「煌々と明るい部屋でテレビが勝手にしゃべっている1時間とキャンドルの灯りの中で家族と語らう1時間はどっちが時間の質が高いと思う?。」これは個人的な意見ではなく、北欧に住む私たちに共通している考えや価値観だと付け加えて話してくれました。
気候風土、習慣が違うとはいえ、日本ではまだまだ蛍光灯の方が多く、加えてテレビですね(笑)。だんらんのありかたも違うのかもしれませんが、北欧の人たちは、キャンドルを灯りとして求めていただけでなく、長い冬を快適に過ごすやすらぎ効果を肌身で実感しているのだと思います。

 

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キャンドルの灯りは、時間の流れを遅くし、あたたかさと和みをもって私たちをやさしさで包んでくれる魔法の道具のようです。
そうそう、こういう謂れをご存知ですか?「キャンドルの炎の数だけ天使が舞い降りる。」

大切な人と過ごすとき、テーブルにひとつキャンドルを添えてみてはいかがでしょうか?

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*今年も一年、ご愛読ありがとうございました*
2017年たくさんの天使たちが皆さまのもとに舞い降りますように。

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『伝統的なFIKAにお招きいただいて』ドロッペさんのハーデソーブラー

2016年11月21日 更新▲

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こんにちは。ティンドラ・ドロッペです。今回は前回に引き続き、スウェーデンのFIKAのお話です。伝統的で正式なFIKAのおもてなしは、日本の『馳走』の精神に似ているとお話しました。数年前になりますが、ご縁あってステキなご夫妻にお招きいただいた時の様子をご紹介します。

 

お招きくださったのは、ベンクトおじいちゃんと奥さまのエイヴォルおばあちゃん。元校長先生だったベンクトおじいちゃんの家は、ミッドセンチュリーを彷彿とさせるモチーフがいたるところにちりばめられ、家具や壁もダークな色合い。インテリアには「SVENSKT TENN」に見られるような花や鳥柄のスウェーデンならではのテキスタイルが、効果的に使われています。スウェーデンのトラディショナルなインテリアスタイルの見本のようなお部屋でした。

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昨今雑誌やネットに登場するスタイリッシュなスウェーデンのお宅は、明るいお部屋が多いですが、ちょっと重ためのインテリアも、これはこれでザ・スウェーデンといった感じで、素敵です。

 

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ご夫妻の名入りのナフキンでテーブルセッティングされたダイニング。おもてなしの始まりです。
アドベントももうすぐという時にお邪魔したので、シャンデリアにも、赤い♡のドイリーが飾ってありました。手作りのあしらいがかわいいですね。

 

 

まずはオープンサンドからスタート。なんと5種類も!そしてみごとな盛りつけ。どれから食べるか迷います。そんなに食べられな〜イとか言いながら、おいしすぎて全種類いただいてしまいました。このご夫妻を紹介してくれた知人が耳打ちをします。「まだまだ、これから本格的、伝統的FIKAのお菓子が出てきますよ!!」。

 

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その耳打ちに、せっかく用意していただいたのに、食べ切れなかったらどうしようと不安がよぎりましたが、このおもてなしに応えたい、本物の味を知りたいという欲もあり・・・。

 

エイヴォルおばあちゃんお手製のお菓子が次々と出てきます。

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これは、「トスカカーカ」というアーモンドのケーキ。しっとりした素朴なケーキです。
お皿は、ローストランドの「Mon Amieモナミ」。
エイヴォルおばあちゃんはご近所でも評判のお菓子づくりの名人。オーダーが来るそうです。このトスカカーカは、王室御用達にできるのではないか!?というほどおいしかったです。

 

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そして、チョコレートケーキにシナモンロール。スウェーデンのおやつの定番です。


そしてそして、とっておきのお菓子はこれ!!

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このお菓子、『Studentmössa ストゥデントモッサ』卒業の帽子という意味で、高校生が卒業する時にかぶる帽子のことです。卒業シーズンの街では、この帽子を被った高校生たちをよく見かけます。
このストゥデントモッサは、カリッとしたメレンゲ菓子で、マカロンの親戚のような感じです(餡ははさまず、マカロンより硬い)。作ってみたいと思い、レシピをお尋ねしたのですが、焼くのに時間と手間とコツがいるそうで、名人と呼ばれるエイヴォルおばあちゃんでも、時々うまくいかない時がある程難しいと聞き、断念しました。メレンゲは繊細な上に、生地の休ませ具合や、オーブンに入れてカリっかりになるまで10時間くらいかかるのだとか。それに、卒業の帽子そっくりですもんね。
私の残念ぶりが伝わったようで、少しおみやげにいただきました。

「正式なFIKAは7種類。昔はみんな手作りしたのよ。いつ誰が来てもさっと出せるように、常備していたの。今の若い人たちは、全部買ってきて済ませるけど・・・実は私も今回少しだけ買ってきて7種類ににしたのよ笑。」とエイヴォルおばあちゃん。

いえいえ、ほんとうに大満足の大感激ですよ!

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おばあちゃんの手作りの味って、国は違えどどこか懐かしく温かく感じるのは一緒で、とびきりの愛情を感じるものです。これだけ用意するのにどれだけの手間隙がかかったでしょうね。何日も前から考えて、準備して、部屋を整えて温めて。お客様と一緒に過ごす時だけがおもてなしなのではなく、相手の喜ぶ顔を想像しながら、丁寧に準備を重ねる。おもてなしは数日前から始まっているのですよね。ベンクトおじいちゃんとエイヴォルおばあちゃんの真心が本当にありがたく、楽しく過ごさせていただきました。

最後に、ベンクトおじいちゃんに教えてもらったクリスマスのおまじない。
左の手のひらにクッキーを載せて、右手をグーにしてポン!とクッキーを割ります。割れた数だけ願い事が叶うのだとか。私はきれいに3つに割れました。みなさんもこのクリスマスにぜひやってみてくださいね。

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『おしゃべりとお茶とお菓子の時間』ドロッペさんのハーデソーブラー

2016年10月19日 更新▲

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こんにちは。ティンドラ・ドロッペです。季節は移り、一日毎に秋が深まるようです。旅行や運動にはいい季節ですね。北欧コラムは、今回から2号に渡って、スウェーデンのお茶の習慣FIKAについてお話します。ぜひコーヒー・紅茶を入れて、お読みくださいね。

先月の北欧コラム『デンマーク人が一番大切にしていること』では、デンマーク人にとっての“Hygge(ヒュッゲ)”をご紹介し、わかち合う文化・習慣のお話しました。このみんなでわかち合う精神はデンマークに限ったことではなく、北欧諸国全般的に習慣としてみられることです。

お隣の国スウェーデンには“FIKA(フィーカ)”と呼ばれるお茶の習慣があり、おしゃべりしながらコーヒーやお茶、そしてお菓子を楽しみます。
オフィスや学校にも”FIKA(フィーカ)”の時間があり、FIKAコーナーまで設けられている所もあります。私が訪問した小学校の低学年クラスでもFikaの時間がありました。クッキーをほおばり「さっきはごめん。」などと言いながら仲直りもしやすいようです。
 
街を歩けば、カフェの入り口には「FIKAどうぞ!」「FIKAしない?」というかわいらしい黒板が出ていて、おいしいコーヒーとお菓子が用意されていることをアピールしています。知り合いと会えば挨拶代わりに「FIKAどう?」といった具合に、みんなおしゃべりとコーヒーが大好きなんです。甘いものもね。FIKAでおしゃべりして、わかち合い、お互いへの理解を深めます。

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北欧諸国は、福祉やデザイン先進国として有名ですが、実はコーヒー先進国でもあります。コーヒーの味のレベルも消費量も世界屈指。どこで飲んでもハズレなくおいしいし、スーパーのコーヒー豆でさえ、なかなかのクオリティなのです。スウェーデン人もデンマーク人もみんな口を揃えて言います。「1日に何杯も飲むから、コーヒーはおいしくなくっちゃ!」「冬は寒いし、部屋の中で過ごすことが多いから、コーヒーは欠かせない。」と。

ここでもやっぱり冬は長くて寒いという風土を背景とした文化・習慣ということがわかりますよね。
10年以上前になりますが、私も始めて訪れたスウェーデンでは、コーヒーが美味しかったことがとても印象に残っています。カフェの本場パリの帰りでしたので、スウェーデンの方がコーヒーが美味しいことに驚きました。それで調べたところ、世界のバリスタチャンピオンや有名な焙煎師は北欧の人が多いということ。コーヒーに限らず、お茶の世界でもトップブレンダーに北欧人が多く、驚き二倍。風土や習慣の背景を知るとともに納得したのです。

さて、FIKAに話は戻りますが、伝統的なFikaは7種類(場所によっては9種類)のお菓子を用意するのが正式です。心を込めて何日も前から、その人の為に用意するのがスウェーデンの“おもてなし”です。日本の『馳走』の精神とよく似ています。
その伝統的で正式なFIKAにお招きいただいたことがありますので、そのお話はまた次回に。

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『デンマーク人が一番大切にしていること』ドロッペさんのハーデソーブラー

2016年09月21日 更新▲

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こんにちは。ティンドラ・ドロッペです。暑かったことも忘れるくらい一気に涼しくなり、肌に触れる風も、ふとした時に感じるにおいもすっかり秋になりましたね。ヘッダーも秋バージョンに変えてみました。さて、早いもので連載してから一年が経ち、北欧コラムも12回目となりました。一周年となる今回は、デンマークの人たちが最も大切にしていることをお話いたします。

 

わかちあう時間 “ヒュッゲ”

 デンマークには人々にとって欠かせない慣習があります。それが『Hygge(ヒュッゲ)』です。
“ヒュッゲ”には直訳する日本語がなく、強いて言えば“だんらん”に近いけれど、もっと沢山の意味がこの言葉ひとつの中に含まれています。例えば、「くつろぎながら楽しみむ」「和み」「穏やかでゆっくりした時間の流れ」「雰囲気を味わう」といったことで、英語で言うなら「Cozy」。居心地のよさを示す言葉ですが、この“ヒュッゲ”が素敵なのは、みんなで共有して成立するというところです。家族や親しい仲間と一緒に、おいしい食事とおしゃべりで楽しくくつろぎ、お開きが名残惜しくなるほど心地のよい時間を過ごした時、みんなは口々に「Det var hyggeligt ディヴァヒュッグリ(とても心地良かった)」と言って、おいとまします。

 
 私たち日本人の暮らしの中でも会社の同僚、友人と食事をして盛り上がり、別れ際に「ありがとう!楽しかった。」「私もよ、また今度ね!」と言い交わすことがあります。楽しくて、相手も楽しんでいるのが伝わって、また嬉しくなってといった感覚と似ています。私たちは“飲み会”という言葉を使っているけれど、デンマークでは外食ではなく、誰かの家で会うのが基本です。そして日本人の“飲み会”よりもう少し情緒的にとらえ、間接照明とキャンドルによる空間の演出や雰囲気を大切にしています。リラックスしたりくつろぐ為の雰囲気は大事な要素で、“ヒュッゲ”の言葉にはこれらも含まれています。家で過ごす時間も長く、突然の来客もあるせいかどの家庭も片付き、インテリアはシンプルでセンス良くまとまっています。こんなところにも時間を過ごすことへの意識の高さを感じずにはいられません。優れたデザインが次々と生み出されるのは、こういった背景があるからなのではないでしょうか。

 

P1040116間接照明とキャンドルで演出を


“ヒュッゲ”のない人生なんて

 デンマークの人たちは、“ヒュッゲ”は生きていく上でとても大事なのだと言います。私の友人も仕事が忙しくバタバタの数日が続くと「あぁ~、ヒュッゲしたい!ヒュッゲが足りてない!」と嘆き、「ヒュッゲがない人生なんて、生きている意味がない。」と付加えるほどです。生きていく上で“ヒュッゲ”は絶対不可欠ということで、日本人の単なる飲み会の感覚とは違うことがわかります。もちろんひとりでのんびりしたり、運動したりというストレス解消もありますが、“ヒュッゲ”には、ストレス解消+アルファの効果がまちがいなく存在しています。

 
 夜が長く、日照時間の短い北欧の冬は、昼間でも空はどんよりと暗く、寒さで家に篭り過ごす時間が長くなります。気分が落ち込み、塞ぎがちになる人も少なくありません。だからこそ、人と人とが寄り添って生きていかなければならないということを北欧の人たちは本質的に知っているのだと思います。

 “ヒュッゲ”とは、人が集まるパーティだけを意味するのではありません。とびきりのご馳走でなくても、家族だけでも友人とふたりきりでも“ヒュッゲ”は成立します。空腹を満たすだけでなく、心も満たす時間とでも言いましょうか。出来事を話したり、悩みを打ち明けたり、自分以外の誰かの話を自分のことのように考えたり、そして何より大事なのは、誰かと一緒に共有することです。食事も時間も気分も。
 ひとりで飲みには行けるけれど、ひとりでの“ヒュッゲ”は成立しません。わかちあう安心感を得られることがとても大きいのだと思います。

 

P1050481食事の後もリラックスしておしゃべりは続きます


成熟した社会構造の礎

 風土や社会環境で、世界各国食事の文化・習慣は違うし、それぞれに“だんらん”のようなものはあるはずです。けれども、“ヒュッゲ”という言葉があるほどデンマークの人たちは、人と人との結びつきや、時間の質への意識が高いと言えると思います。

 
 私はデンマークで何度も“ヒュッゲ”を共にし、そこで「決してひとりぼっちではない」と感じましたし、そこにいる誰もが「ひとりで生きているのではない、支えあうものだ」と謙虚さを持ち、それを前に進む力と捉えているように思いました。それぞれに自立した暮らしの中で、時々確かめ合うようなひと時を過ごし、心身のバランスを整え、また明日から頑張る。成熟した社会の構造の礎に“ヒュッゲ”があるのだと思います。

 

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『デンマークのごはん今むかし』ドロッペさんのハーデソーブラー

2016年08月18日 更新▲

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こんにちは。ティンドラ・ドロッペです。よく「デンマーク料理ってどんなのですか?」という質問をされます。デンマーク料理って想像がつかないですよね。そこで今回は、伝統的なデンマーク料理に加え、一般的な家庭料理、そして最近ブームになっている食べ物をご紹介します。

 

『デンマークの伝統料理』

フレンチ、イタリアン、中華のみならず日本では本格的な世界各国のお料理が楽しめます。
馴染みのある国のお料理は、だいたいどんなお料理か知っているし、想像がつきますよね。ではデンマーク料理とは?というと今ひとつ知られていないと思います。スカンジナビア各国の中でも、デンマークはヨーロッパと陸続きですから、その影響も受けたものが多いのですが、デンマーク人に「伝統的な料理は?」と尋ねると、間違いなく返ってくる返事は「SMØRRE BRØD(スメアブロ)」です。スメアブロとは、簡単に言うとオープンサンドのことですが、正式なスメアブロはフォークとナイフで食べます。そして食べる順番はお魚系→お肉系、または冷たいもの→温かいものへと食べ進めます。パンは薄くスライスしてあり、バターを隅々まできっちり塗って、パンが隠れるように具を乗せることが肝心なセオリーです。
パンも白パン、黒パンとあり、あっさりした具には白パン、お肉系の具には重めの黒パンがよく合います。ヘルシー志向の高まりからか、私の周りのデンマーク人は繊維が豊富なライ麦パン(黒パン)を好む人が多いです。
では、写真で見ていきましょう~。季節でも具は変わってきますが、今年6月に撮ったスメアブロをご紹介します。

IMG_2351 定義にうるさい友人が作ったニシンのスメアブロ。

①パンは隠れて ②ニシンの時は、バターではなくラードをパンに塗って ③8分のゆで卵 ④ケッパー、タマネギ、ディルのトッピング。
定番中の定番。そして最も伝統的なニシンの食べ方です。
※黒パンチョイス

IMG_2053 オードラップゴー美術館のカフェで
食べたニシンのスメアブロ。

アーリーレッドとラディッシュの盛り付けが美しいです。上記のニシンと比較すると、現代的な盛り付け。
※黒パンにバターでした。
IMG_2235 オーデンセの老舗レストランで
食べた小エビのスメアブロ。

これも定番中の定番。
北欧の小エビは臭みがなく、エビそのものの味わいが楽しめます。
レモンでさわやかに、夏にぴったりのスメアブロです。
※トーストした白パンでした。
IMG_2348 定義にうるさい友人が作ったスメアブロ再び。

温かい魚料理“フィスカフィレ(白身魚フライ)”
①パンは隠れて~②魚はひらめ
③中挽きライ麦粉でフライにして
④自家製レモラードとディルをたっぷり
※黒パンチョイス
レモラードは、カレー風味のマヨネーズタイプの万能ソースで、刻んだピクルスが入っています。
IMG_2054 オードラップゴー美術館で友人(定義に大らかな)が頼んだタルタルステーキのスメアブロ。

トッピングは、フライドオニオンと・・・。この緑色の植物が不明。
ポクポクした海草のような食感でした。おかひじきかスギナの仲間?とも思いましたが、違いますね。
食べ物、植物に詳しい友人もわからず。聞けばよかったなぁ。
※黒パンでした
IMG_2237 定義にうるさい友人がオーデンセの老舗レストランで注文したステーク・アッシュのスメアブロ。

これとは別にデンマークには、“フリカデッラ”というハンバーグとミートボールの中間のモノがあり、フリカデッラの方が一般的です。

 

『夏の定番、家庭料理』

6月上旬、久しぶりにデンマークの友人宅を訪れました。「特別なご馳走じゃないけど、夏の定番家庭料理よ。」と言って用意してくれていたのは、お魚のフリカデッラ(お魚ハンバーグ)でした。付け合せには茹でた新じゃがと旬真っ盛りのホワイトアスパラガスです。この時期には、ホワイトアスパラガスの産地がヨーロッパを北上することも必ず話題になります。(スペイン→フランス→ベルギー→ドイツ→デンマーク)もちろん彼らにとっては自国産が一番おいしいという話題になるのですが、旬を味わうのは日本人だけではありません。旬の食べ物は栄養価が高く、その季節に合った働きがあるので、自然と食べたくなるし、なにしろその効果は食べた時の美味しさで証明されるわけです。友人は、ホワイトアスパラガスが私の大好物だということもよく知っています。特別なご馳走じゃないと笑っていますが、お客様としてもてなされるより、大好物と気軽な料理で迎えられる方が、家族の一員のようで私にとっては大変嬉しいことです。
翌日、私の夫が合流しました。彼の初めてのデンマーク訪問をみんなで歓迎。夫はお客様扱いですね。ふだんの食卓、おもてなしの食卓を写真で紹介します。

IMG_1642-1 普通の家庭の普通の晩ごはん。気どった料理でもてなされるより、近況を報告しあい、家族のような関係を再確認できたことが嬉しかった。
IMG_1643 裏庭に咲いたローズをテーブルに。
花器は、スベン・ハンマースホイ(画家ヴィルヘルム・ハンマースホイの弟)の作品。

 

IMG_1796 次の日のディナー。おもてなしテーブルセッティング。
北欧好きの方はおわかりですね。
ライトはポール・へニングセン
テーブル/椅子/カトラリーはアルネ・ヤコブセン
お皿はご存知、ロイヤルコペンハーゲン。
グラスは、イッタラ/アイノ・アールト。
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おもてなしセッティング、その訳は。
本日、私の夫、初来丁。
私の友人とも初対面です。
この日は、夫のウェルカムディナーとなり、レッグオブラムのローストです。

IMG_1814 レッグオブラムのつけ合わせは、やっぱり
新じゃが。そして夏らしいギリシャ風のサラダでした。
デザートにはアップルクランッブルのケーキ、季節の果物のスムージーをいただきました。

 

『ヘルシー志向、話題の古代食』

私がデンマークに初めて行ったのは13年前のことです。その当時驚いたのは、パンにバターをびっしりたっぷり塗ることと、ほとんどのお料理がしょっぱい!なのに回りを見ると現地の人たちは、テーブルソルトをさらにパラパラとかけているではありませんか。寒冷地の人たちは、塩分で体を温めるといいますが、これには本当に驚きました。その頃から徐々に、塩や動物性脂肪を減らしましょうという呼びかけはあったようですが、このヘルシー志向はブームになり、今最も話題となっているのが、『PALÆO(パレオ)』です。友人(前出の食の定義にうるさい方)が説明するには、「これはストーンヘンジ(旧石器時代)の食べ物を見直し、健康になるというテーマです。これでプロテインダイエットもできます。」とのこと。またテイクアウト食品やファーストフードは不健康であるといったことを払拭したと付け加えていました。

旧石器時代の食べ物と言ってもピンときませんよね。基本は、農耕が発達する前の自然界の食べ物で、肉、魚、野菜、卵、ナッツなどです。逆にNGなのは、穀類、豆類、乳製品、加工油など人の手が加わったものです。
「人間の遺伝子は旧石器時代から変わらない、祖先と同じものを食べれば現代病にはなりません。」という発想から広まったようです。

『PALÆO(パレオ)』は、デンマークのセブンイレブンで展開中です。レストランや気軽なスタンドもあるようです。今回は食べる機会はありませんでしたが、サラダボウル、ハーブ入りのミネラルウォーターや“ショット”と呼ばれる一気飲みのジュースなど、コンビニで健康が手に入るというのは確かに画期的なことだと思いました。身近にあると健康への意識も自然と高まりますよね。長距離列車の中では、駅弁ならぬパレオ弁を食べている人、けっこう見かけました。
(詳しく調べたい方は「パレオダイエット」で検索してみてください。」

IMG_1645 セブンイレブンのフードコーナー。
肉、野菜、果物が中心のメニュー構成。
IMG_1646 牛肉とくるみマスタードのフレッシュサラダ
IMG_1647 ショットと呼ばれる一気飲み健康ジュース。
ジンジャー+りんご+シトラス
風邪気味の時効きそう。
IMG_1906 ミントとライム入りのミネラルウォーター

 

『PALÆO(パレオ)』のみならず、全体的にヘルシーブームのようで、ルイジアナ近代美術館のビュッフェランチも体によさそうな物が勢ぞろい。何もかもがしょっぱかった10年前に比べたら、全部美味しい!全部食べやすい! ただ、外食は本当に高いです。気軽なランチでもドリンクをつけたら、ひとり3000円はかかります。外食に頼るしかない旅行者には、ほんとうに痛いおいしいデンマークです。

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メインのチキンはスチームしたむね肉、魚料理は和食がヒントか?しんじょのようでした。野菜もボイル、マリネなど、豆類と野菜もさっぱりしたカッテージチーズで和えてあるものを多くみかけます。
こってり、しょっぱい物は姿をすっかり消した感。
(写真はルイジアナ近代美術館のカフェにて)

 

PALÆO http://www.palaeo.dk/
パレオダイエット(wikipediaページ)
ルイジアナ近代美術館 Louisiana; Museum of modern art
オードラップゴー美術館
 

 

 

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『輝く季節!北欧の夏。その2・太陽と共に』ドロッペさんのハーデソーブラー

2016年07月14日 更新▲

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こんにちは。ティンドラ・ドロッペです。前回のお花編に引き続き、夏真っ盛りのデンマークをお伝えします。みんな太陽が大好き!1年分の陽の光をカラダ中に浴びて、長い冬に備えてチャージします。

 

『太陽が大好き!』

デンマークに限らず北欧諸国では、みんな太陽が大好きです。
長雨の続く梅雨時であれば、私たち日本人も太陽が恋しくなりますが、太陽に恋焦がれる感覚も意識としても非常に薄いものだと思います。ましてや昨今、夏ともなれば紫外線対策で全身黒づくめの太陽大嫌い族も発生する日本です。そこまで過激でなくとも、美肌意識の高い日本においては、女性なら帽子・日傘くらいは誰もが持っているアイテムでしょう。

所変わって北欧では、太陽がさんさんと降り注ぐ中、日傘(パラソル)を差して歩いている人は皆無です。郷に入れば郷に従え、私もデンマークにいる時にはスカンジナビアンウエイで、帽子被らず日傘なしで通します。ジャパニーズウエイだとものすごく目立ってしまうし、彼らにとっては日傘だけでも異様なのです。私の友人も一緒に歩きたくないでしょう。

ところが、今年の夏は暑い!本当に暑かった!!太陽が大きくて日差しが強いです。
暑くて焦げそうでした。心の中では「日傘~~~っ」と叫んでいました(笑)

 

1.太陽が大きい!    
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朝8時半頃。
コペンハーゲン市庁舎
朝10時頃。
コペンハーゲン中央駅の裏
強い日差し
オーデンセにて

 

そんな暑さの中、屋外では日光浴する人だらけです。公園、広場、街路のベンチ、至る所で陽に当たり、思い思いに過ごしています。お年寄りは水分を摂っているだろうか?熱中症で倒れる人が続出するのではないかと、心配になるほどです。友人は、「デンマークでも近年皮膚がんの人が増えている。こんなに暑くて太陽も強い時にも長時間外にいるのは無謀だ。なんでもやりすぎはよくないね。」と話していました。ほどよい日光浴はビタミンDを生成し、健康にもよいとは言われますが、度がすぎればなんでも危険ですよね。

 

2.日焼けしたい!

   
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運河に飛び込む少女たち ビキニ女性多数  暑いけど読書にふける

 

 

3.語らいは大切

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教会の広場 たくさん木陰はあるのに
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海水浴
デンマーク
湖水浴
スウェーデン

 

時間さえあれば日光浴をしたい理由に、冬の日照時間が極端に短いということがあります。
夜が明けたのかはっきりわからないまま、どんよりと重たい雲に覆われた空、そして午後3時になるともう暗くなってしまう。晴れる日も少ないので、ほとんど太陽を拝める日はありません。
(デンマーク:冬の南中高度は10°程、東京:30°)闇に包まれて暮らすと言っても過言ではないでしょう。こんな日がつづくので、うつ病になる人も少なくないと言います。もともと北欧には土着の太陽崇拝もあり、闇を照らす“光”の存在は、まさに“生”のシンボルでもありました。気候や環境が創り出した歴史的習慣と背景があると言えるわけです。長い冬に備えて、日光浴で太陽ビタミンを蓄え、乗り切るというのも理にかなったこととも思えます。

 

4.夕食は屋外で

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よく見かける光景 テラス・庭にはどの家庭も
テーブルと椅子がある
明るい夕食

 

反対に夏場の日没は22時ごろ。ほとんどの人が夕食をテラスや庭で楽しみます。太陽が沈んだ後も透明感のある群青色の明るい夜空が広がり、ついつい時間を忘れておしゃべりに興じてしまいます。夏の明るい夜空に星を見ることはありませんが、秋になり星がひとつふたつ見えると冬が近づいている実感を伴い、憂鬱になる人もいるようです。夏の夜空を見上げて星を楽しむ私たち日本人とは、星を見る感覚さえも違うとは不思議ですね。

 

5.空が青い!

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どこまでも抜け渡った青空とまぶしい水辺、豊かな植物、その中で寛ぎ楽しむ人々で賑わうという風景が、私にとっても北欧の夏の風物詩のように感じます。そして北欧の人たちに、一瞬の輝きを見逃さず自然を愛することができる心の豊かさを感じるのです。

 

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『輝く季節!北欧の夏。その1・お花編』ドロッペさんのハーデソーブラー

2016年06月16日 更新▲

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こんにちは。ティンドラ・ドロッペです。ただいま北欧は夏真っ盛!美しい季節の到来を喜んでいるのは人だけではありません。北欧コラムでは2回に渡って、北欧の夏の様子をお届けします。その1はお花編。北欧に暮らす人々の自然との向き合い方をお話します。街歩き花図鑑もお楽しみください!

 

北欧の夏は、自然のすべてが最高の美しさを見せ、生命の輝きと力強さが一斉にあふれ出す季節です。寒くて暗いふさぎがちな冬から開放され、誰もが待ちわびた輝く季節となりました。夏の到来を喜んでいるのは人だけではありません。鳥たちは到る所でさえずり、花々は楽園のように咲き誇ります。花も鳥もまぶしい太陽も、人々の幸せ気分を盛り上げ、北欧の夏の輝きを一層豊かなものにしてくれるのです。

★★★

6月のコペンハーゲンは、朝4時くらいから外が明るくなってきます。美しい小鳥の鳴き声とやさしい眩しさで自然に目が覚めるのは、清々しくとても気分のよいものです。輝く朝を迎えると、「今日もいい一日にしよう!」と自らの活力も目覚めます。「こんなにお天気が素晴らしいのに家にいるなんてもったいない!」たしかにそう思うほど、美しい朝なのです。

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身支度を整え、アパートを出て1歩を踏み出すと、目に鮮やかな色彩が飛び込みます。毎日がどんよりと暗い冬とは対照的に、突き抜けるほど澄みきった青い空が広がります。私は北欧の冬も嫌いではありませんが、夏があまりにもカラフルなので、冬の景色がモノクロで思い出されるほどです。住んでいる人にとってはなおさらのこと。冬は家で過ごすことが多く、気分もふさぎがちな毎日ですから、夏がどれほど愛おしいか計り知れません。

さて今日も、次々に描かれる飛行機雲を見上げながら、散歩に出かけます。
コペンハーゲンの市内を歩いているだけでも、多種多様な種類の花を見かけ、街全体が植物園のようです。


◆コペンハーゲンまち歩き花図鑑
※花の名前はドロッペの知識と現地の人に教えてもらったものです。間違いがありましたらご了承ください。

ニセアカシアの花

ニセアカシア

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エルダーフラワー

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ダマスクローズ

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リンデン

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ブバリア

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アストランティア

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ローズ

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ヤマアジサイ

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ジギタリス

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ハニーサックル(すいかずら)

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オダマキ

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ショウキウツギ

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ヤマボウシ レースフラワー ライラック(5月末頃まで)

 

 

教会、公園、ちょっとした広場など
緑のグラウンドカバーにも白い小さな花で
いっぱいになります。

 

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6月は街路樹、庭木で多く見られるニセアカシアとエルダーフラワーが清楚な白い花をたわわにつけているのを頻繁にみかけます。

私の友人は、毎年6月の半ば、家族でエルダーフラワー(西洋ニワトコ)を摘み、シロップ作りをすると言っていました。日本の梅仕事のようですね。ここ数年、日本でもコーディアルなどを見かけるようになりましたが、ヨーロッパでは昔から万能薬としても馴染みがあり、魔よけとして庭に植える人も多く、少し郊外へ足を延ばせば自生しているものもよく見かけます。

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エルダーフラワー

免疫力を高め、風邪や花粉症に効果があるスーパーハーブです。
コンビニ、スーパーで商品化されたものもよく見かけます。

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エルダーフラワー味のビール エルダーフラワーのジュース

 


★★★

北欧には「自然享受権」という法の文化があります。その土地が誰の所有であっても、損害を与えなければ誰でも入って、花を摘んでもきのこやベリーを採ったりできます。たとえそこが王室の所有であってもです。
これは旅行者も含めて、誰もが自然を分かち合える権利で、遡ることバイキング時代からの慣習です。デンマークでは「自然保護法」で明文化されています。権利が与えられれば義務もあり、小さな子どもの内から自然とのつき合い方を学びます。それはバスや電車の乗り方を覚えるようなことと同じように自然維持の義務を身に着けるのです。
美しく咲いた花の周りに柵や注意事項などを見かけることは皆無です。そう思うと日本は「入ってはいけません」など注意書きのなんと多いこと。注意書きがなければ秩序は保たれないのでしょうか?

こういった古くからの慣習・道徳が引き継がれていることこそ、現在の北欧が持続可能な社会に向けての先進国である所以ということは言うまでもありません。


長く厳しい冬をのり越えた後、短い夏の楽園を謳歌すること、自然の中にいて自然の恵をいただくこと、この根底にあるのは「みんなで分かち合う」という考え方です。
美しい自然を来年も見ることが出来るように。未来の子ども達も見ることが出来るように。自然の前で人々は謙虚にふるまう。北欧に暮らす人たちは、人も自然の一部であることをよく知っています。

 

 

次回の北欧コラム・ドロッペさんのハーデソーブラーは『輝く季節!北欧の夏。その2・太陽と共に』をお送りします。

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『夏至の前夜には魔力がひそむ!?』ドロッペさんのハーデソーブラー

2016年05月12日 更新▲

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  こんにちは。ティンドラ・ドロッペです。入梅間近となりましたね。日本では、じめじめと過ごしにくい季節となりますが、北欧の6月は、1年の中で最も輝く季節となり、夏至のお祭りが各地で盛大に行われます。今回は、スウェーデンとデンマークでの夏至祭を見てみましょう。夏至の前夜の魔力って!?

 

『夏至の前夜は魔力が潜む。』
これは北欧諸国で、今も残る言い伝えです。例えばスウェーデンでは、夏至の前夜から翌朝にかけて夜露を集め、これを万病の薬としたり、動物達がしゃべる夜とも言われています。そしてなんともかわいらしい言い伝えも。7種類(地方によっては9種類とも11種類とも)のお花を摘んで、枕の下に入れて眠ると未来のダンナ様と夢で会えるといいます。このおまじないは密やかなるもので、お花摘みを誰にも知られてはいけないそう。スウェーデンの友人に「お花摘みのおまじないをしたことある?」と尋ねると、「もちろん!スウェーデン人の女なら、うら若き頃に一度や二度、みんなやってるわ!」という回答でした。そして夢に見た人が今のパートナー?かと聞くと、大笑いになり女子トークが弾みます。

 

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私も摘んでみました。6月のデンマークにて
(写真上)
一年の健康と恋の成就を願って、花冠を編んで
頭にのせます。(写真右)

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誰もが心を弾ませる夏至祭は、スウェーデンやフィンランドでは、毎年6月19日から26日の間の、夏至に最も近い土曜日Midsommardagen(ミッドソンマルダーゲン)とその前日Midsommarafton(ミッドソンマルアフトン)と合わせて2日間が祝日(移動祝日)になります。

スウェーデンの夏至祭は北欧諸国の中でも特に盛大で、草花で飾った白樺の木「メイポール(マイストング)」を町の広場に立てるところから始まり、五穀豊穣を願ったこのメイポールを囲み、歌い踊りながら回ります。この時期、スウェーデン中部ダーラナ地方へ行くと、老若男女が民族衣装に身を包み、花冠を頭に載せた人々で賑わう伝統的な夏至祭を見ることができます。
首都ストックホルムでも、スカンセン野外博物館へ行けば、伝統的な夏至祭に参加することができますから、6月にスウェーデンへとお考えの方は、スカンセン野外博物館は見逃せません。ぜひぜひ行ってみてくださいね。

 

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そして、家族・親戚・友人と親しい人たちが集まり、夏至を祝った食事も楽しみのひとつ。
ディルで茹でた新じゃがや、ニシンの酢漬け、サーモンやミートボールと共に、大人はアクアヴィット(じゃがいもの蒸留酒、アルコール度数40度以上)を一気にあおり、盛り上がります。

 

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midsommar8  日は長く、夜でも明るい。
太陽の光を存分に浴びながら、
みんなで食事におしゃべりに興じます。

 

さて、お国変わってお向かいの国デンマークでは、同じ文化圏でもその習慣は違っていて、6月24日を「サンクト・ハンスの日」とし、クリスマスから半年後に生まれた聖人を讃え、豊穣を祈る日としています。
人々は公園や水辺に集まり、焚き火の儀式を見守ります。夏至前夜に最も活発になるという“魔”を焼いて追い払うのです。場所によっては、焚き火のてっぺんに魔女の人形を立て、“魔”の象徴として焼き払うところもあります。これは、魔女狩りの名残とも言われています。

 

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また、焚き火を飛び越る恋の占いも。
開放的な6月に出会いも多く、結ばれるカップルも多く、その影響か、北欧には3月4月生まれの人が多いのだとか。
夏至の前夜には、魔力が潜む!?

 

寒くて暗い長い冬、屋外に出て活動する機会が少ないため、身も心も閉鎖的になり、病を煩う人も少なくないといいます。太陽がなかなか顔を出さない冬こそが、人々にとっての“魔”ではないでしょうか。夏至を境にまた日が短くなっていく・・・“魔”に襲われる前に焼き払う、願いを込めて人々は大きな焚き火の炎を見守ります。デンマークの友人は、親しい人とおしゃべりをしながら炎を見つめていると、安らぎと、共に生きる強い絆を感じると言っていました。

北欧の人々が、夏を待ちわびる心境は、私たち日本人の想像を遥かに越えていることでしょう。一分一秒でも長く陽の光を浴びていたい。北欧の夏至祭の盛大さは、キリスト教が布教する以前の太陽崇拝を起源とし、太陽への憧れを物語っています。

この日を過ぎると、足早に夏が去っていってしまうことを心のどこかで知りつつ、太陽への愛おしさ込めて過ごす夏至の日。ちょっとせつなくもあり、一年の中で最も輝く濃厚な一日となります。
今年の夏至の日は、大事な人と日の長さを楽しむ過ごし方をしてはいかがですか?

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『ノルウェー/ フィヨルド・ベルゲンの旅2』ドロッペさんのハーデソーブラー

2016年04月18日 更新▲

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こんにちは。ティンドラ・ドロッペです。桜も終わり、一気に新緑の季節に向って気持ちも前向きになる季節を迎えようとしています。特に北欧諸国の人たちにとっては、日が長くなる夏至までは、待ちに待った季節となります。
さて、今月の北欧コラムは、先月に続き「ノルウェー/フィヨルド・ベルゲンの旅」その2をお送りします。写真メインでお伝えしますので、一緒に旅する気分でご覧ください。

 

ベルゲン・フィヨルドの旅その1はこちら

トロールのいたずらか、1日がなかなか終わらないフィヨルド観光を満喫した翌日は、ベルゲン市内観光へ繰り出しました・・・が、この日は“ウィットマンデー(聖霊降臨節の月曜日)”。祝日ということで、一般のお店・レストランなどはお休み。(※みなさん、旅行計画の際には、祝祭日を調べてくださいね。) お店が閉まっていても呆然とする必要はない!行くだけ行ってみよう~と気持ちを切り替えいざ、フィッシュマーケットへ。

普段はもっと賑わいを見せているのでしょうが、この日は、テント3つだけ出店していました。ないはずのものがあると、少なくても嬉しいものです。どれどれ?どんな魚が売っているか、旅行当時のメモでご紹介してみましょう。

魚市場メモ

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 陳列に赤いものが多い!? ビビットカラーの魚エプロン キャビア!?

 

試食もさせていただいたので、何かおみやげを・・・カニ缶を購入、3つのテント全部値段が違っていました。「Kaviar」のブルーのチューブは、たらこペーストです。魚卵の代名詞のようにみんなキャビアって言うんですね。そして、ノルウェーには鯨を食べる文化があるんです。ご存知でしたか?ここフィッシュマーケットでは、鯨をスモークした加工品が販売されていました。乾燥させた棒鱈もあり、調理法は違うでしょうが、日本と食文化が似ているという印象を受けました。

 

フィッシュマーケットを後にし、次の目的地、世界遺産「ブリッゲン」へと移動します。ブリッゲンは、13~16世紀ハンザ同盟のドイツ人街です。三角屋根のカラフルな木造建築が、港に面してずらり立ち並んでいます。建物と建物の間の狭い路地、その奥にも建物があり、渡り廊下、傾いた廊下など迷路のように楽しい散策ができます。港側の路面は観光客用おみやげショップやレストランですが、路地へ入るとアーティストの工房、ハンドクラフトのブティックなど、おもしろいショップを発見できます。1979年に世界遺産に登録され、カラフルな港町は、ベルゲン代表する景色です。

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 風情ある港町の景色  建物と建物をつないだ不思議な造り

 

 

次は、ベルゲンを見渡せる「フロイエン山」に登ります。山登りといっても、ご安心ください!ケーブルカーで登れますので、タウンウエアでも大丈夫です。

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かわいらしい駅 山頂まで7分で到着 山頂からの眺め

 

フロイエン山からの景色は、日本のどこか懐かしい風景と似ています。私にとっては幼少期を過ごした佐世保(長崎県)を思い出す景色でした。ここに立つと、みんないつか誰かと見た景色を思い出すのではないでしょうか。そして、ベルゲンっ子たちの心の故郷でもあります。
ゆっくりとのんびりした時間が流れています。

 

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素敵なシニアカップル おばあちゃん、お母さん、
娘さん、三世代で。
なんの相談でしょうか?
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過ごし方様々 ママはお仕事かな? こちらもアイス

 

せっかくですので、この見晴らしのよい景色を眺めながら歩いて下山することにしました。途中は湧き水が流れたり、春を告げる可憐な花たちをながめたり、鳥の声を聴きながら森林浴が気持ちよく“ノルウェーの森”を感じます。忙しい都会暮らしでは味わう機会がなかなかない時間。少しでも普段の運動不足を改善しようと選んだハイキングコースは“最短コース所要時間30分”。

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ここにもいましたトロール! 最短コースを選んだものの・・・ 壁の色もすてき。
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猫が似合いそうな家並み ノルウェージャンフォレスト
キャットいないかなぁ。
Mcドナルド。景観そこねず。

 

“最短コース=勾配が急である”ということが頭になく、急な坂道を下り続け、民家の建物が現れるころにはふくらはぎはパンパン!膝はガクガク!今すぐ湿布を貼りたいほど、足腰が~。帰りのハイキング、気持ちよさも眺めも素晴らしいのですが、無理せず“ゆっくりなだらかコース”でハイキングすることを心からオススメします。

 

だんだんと口数も減ってきた所に、店の外までお客さんがあふれるカフェが!!みなさん、脚がパンパンなのではなく、エスプレッソ目当てに来ているようです。
ノルウェーだけでなく、北欧諸国はコーヒー、紅茶がとてもおいしいです。冬が長く家で過ごす時間が長いという背景があるのですが、北欧からは、何人ものバリスタチャンピオン、ティーブレンダーを輩出しています。
こちらのカフェもトイレの壁に受賞パネルがいくつも飾ってありました。

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フロイエン山ふもとのカフェ。この写真左右にもずらりとお客様。 マシンを手早く操るおねえさん。
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コーヒーへのこだわりが伝わるトイレ アイスエスプレッソ(勝手に命名)

 

祝日のベルゲンは、とても静かでした。ショップなどはやはり開いていませんが、教会前の公園、劇場の庭園など緑豊かなスペースでは、人々がくつろぎ春を謳歌しています。平和でのどかな街歩きを続けると、いかに日々気忙しく過ごし、気持ちの余裕をなくしているかに気付かされます。

夕刻、ベルゲン郊外オース村まで移動し、今夜の宿泊施設『Solstrand Hotel & Spa(ソールストラン ホテル&スパ)に到着しました。フィヨルドを目の前に臨む、老舗のリゾートホテルです。

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バルコニーから 部屋のしつらえ ジュニアスィート

 

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今回はこの部屋でディナーを 海の幸、山の幸、滋味豊かな
西ノルウェー料理
仔牛のロースト、かぼちゃの
ピュレ

 

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 館内の到る所に歓談スペース  廊下に展示されたこの地域の
民族衣装。
 どこからもフィヨルドが見える

 

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岸辺のボートハウス

 フィヨルドを見つめる少女の
彫刻。庭園にはいくつもの小道、彫刻がある。

 ディナーが終わった後、ホテルの庭園を散策。

 

景色の素晴らしさは言うまでもありませんが、目に見えないところまで気配りを感じるホテルです。隅々まで神経の行き届いた清潔感、スタッフの態度ひとつひとつ、決して現状に満足しきっていないホスピタリティの精神など、どの角度から見ても、ここで働く人たちの全てが、この場所を愛し誇りを持ってお客様を迎えていること。これは他で感じたことがないほど印象的で、短い滞在が惜しくなるほどでした。景観や歴史だけに頼ることなく、むしろ、日々前進の努力でここを守っていっていることが清々しいと感じるのでした。

湖のように広がるフィヨルドの向こうには、根雪の残る山並み。空が薄っすらとピンクに染まり、ゆっくりと静かに夜を迎えようとしています。

2回に渡ってベルゲン・フィヨルド3日間の様子をお伝えいたしましたが、一緒に旅をしていただけましたか? 心洗われるような旅を求める時、ノルウェーおすすめです!

 

 

 

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『冬のサマーハウス(その2)』ドロッペさんのハーデソーブラー

2016年02月15日 更新▲

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こんにちは。ティンドラ・ドロッペです。前回に引き続き、サマーハウスのお話(その2)後半です。電気・水道・ガスを引いていない所で、真冬の休暇!?ここにこそ、北欧マインドがつまっているんです。

 

 

前回のお話
『冬のサマーハウス(その1)』はこちら

 

 

サマーハウス滞在2日目、気温マイナス5度、晴れ。
のんびりした朝ごはんを食べ終わる頃には、太陽も低い空にやわらかい光となって、雲の向こうに存在を感じます。

 

「森の散歩にでかけましょう!素晴らしい景色を見せたいの。」
素敵な提案にうなづかない理由などありません。しっかり着込んで雪山歩きに出かけました。
まっ白に染まる森でも、5km歩けば体は熱くなります。生まれたての風が樹々を揺らし、ひんやりと頬をなでていきます。
空気はきらめき、爽やかな針葉樹の香りに、思わず何度も深呼吸。とても気持ちのよいヒーリング散歩です。
雪のキャンパスには、動物達の足跡。シカ、ウサギ、小鳥たち、そしてゾウが歩いたかのような足跡を残したのはシカ科最大種、ムース(ヘラジカ)のものです。私達人間が3人歩いた後は道になっていきます。

 

 

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森を抜け、うっすらと氷の張る湖を通って到着した高台の物見やぐらに登ると、そこには見渡す限り、濃い緑色の景色が広がっていました。
さえぎるものは何一つありません。針葉樹の森は、まるで深緑のカーペットのように大地を包み、天と地を分ける線を360度描いています。

 

「見て!これがスカンジナビアの大地よ!これを見せたかったの。スカンジナビアへようこそ。」そう言って、カーンが私の顔を覗き込みます。

 

広大な大自然の中で、私の存在は針で突いた点ほどもない・・・日々積もった疲労も苦悩もすべて吸い取られていきます。「ちっぽけ、ちっぽけ」心の中でそう繰り返すうちに、なんでもないことのように心が晴れていくのです。

 

 

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360度ぐるっとこの景色   うっすらと湖も凍った

 

 

 

3日目は、6km離れたお隣、ヨンナおばさんが遊びにきました。午後からはロバートに勧められて、クロスカントリースキーを初体験。ロバートが屋根裏から出してきたスキー板は、スキーをしたことがない私が見ても、“スキー博物館”とかあったとしたら、そこに展示されていてもおかしくないくらいクラッシックなものでした。

 

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6km先のお隣、ヨンナおばさんのソリ。
これで買い物にも行くのだそう

 

年代モノのスキー板。
当然ストックも木製。

 

 

「じゃあ、ちょっとそこまで行ってみよう!」と、簡単に言われたものの、途中で何度もスキー板の留め金がはずれ「待ってー!」「ゴールはどこ~?」。ロバートについて行くことに必死です。ロバートの「ちょっとそこまで」は、なんと往復6km!慎重に足元ばかり見て2時間。なんとかころばずにサマーハウスに戻ってきた頃は、すっかり日が落ちていました。

 

「顔をあげてみて!これがホーム・スイート・ホームだよ。」。闇に包まれかけている森の中に、キャンドルが灯る窓が見えました。なんと暖かい光なんでしょう。私達の帰りを待って、カーンが灯してくれていたキャンドルの明かり。そしてチムニーからは、もくもくと煙が。あの窓の向こうで、カーンが温かい料理を作ってくれているんだ!疲れも不安も一瞬にして消えてしまうのでした。

 

 

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cozyなダイニング   キャンドルは各窓辺に

 

 

 

サマーハウスには、電気もガスも水道もありません。
引こうと思えば、いつでも引けるのです。ただ、彼らはあえて引いていないのです。

 

サマーハウスにある道具達は、コレクションというものではなく、味のある古い物ばかりです。いつからかそこにあるといった佇まいで、飾られているわけではなく、すべてが現役で使われています。手入れをして長く愛着を持って、家族に引き継がれてきたものです。

 

サマーハウスで過ごす時間は、百年前の暮らしと大きく変わりはありません。でも、原始的な暮らしに戻るわけではなく、人間が持っている本来の能力を発揮するだけです。陽の光に合わせて営み、娯楽のない夜は語らい絆を深めます。男はたくましく頼りがいがあり、女は優しくあたたかい。そしてささいな自然の変化にお互いに心をふるわせて、知恵を絞るのです。

 

「せっかくの休暇なのに、日常と同じことをしてもつまらないじゃない?」カーンもロバートもそう言います。一見すると不便にも思えることも楽しんでしまう、そうしている内に日常の煩わしさやストレスから解放されるのです。
ロバートが教えてくれた「時をすごす家(フリッチスフース)」。その意味がぴったりと、手に取るように理解できました。

 

<休暇>という概念が日本とは、根本的に違うけれど、“時をすごす家”、素敵な考え方です。彼らに限らず、北欧の人たちは“時間の質”に対する意識が非常に高く、心の豊かさとくつろぎを見出すことに長けています。世の中が便利になればなるほど、失っていくものも多いとよく知っていて、ひとりの人間の持つ弱さや痛みも知っているように思います。贅沢したり、楽をする休暇ではありませんが、人としての本質を見失わないため、明日からの活力のために必要な時間を過ごしているのです。

 

 

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小鳥に餌を置いていくカーン   このコーナーのタイトル画
帰路スコーネ地方の景色

 


滞在4日目。気温マイナス9.5度、晴れ。

冬のサマーハウスに滞在することで癒され、リセットできたことは間違いなく、明日からの私に不要なモノは、ここに全部おいて行くことができました。満点の星空から、針葉樹の森からは、沢山のおみやげをもらって、コペンハーゲンへの帰路に着きます。
赤い家を出る時、カーンが小鳥たちに、餌をたっぷりと置いていきました。「ちゃんと冬を越すのよ~。」小鳥たちのさえずる声にも、たくさん癒されましたものね。

 

 

この場をお借りして、あらためてカーンとロバートに感謝を。

 

 

おまけ。
ベストシーズンのサマーハウス

 

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『冬のサマーハウス(その1)』ドロッペさんのハーデソーブラー

2016年01月14日 更新▲

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こんにちは。ティンドラ・ドロッペです。今回はサマーハウスのお話です。雪深い冬にサマーハウスで過ごした数日間を2回に渡ってお伝えします。


 

 

サマーハウスを所有している北欧の人たちは少なくありません。私のデンマークの友人、カーンとロバートもスウェーデンにサマーハウスを持っています。一般的には夏の休暇で使うことが多いのですが、週末、気分転換しにサマーハウスに訪れることもあります。日本に於ける別荘を持つステータス感覚とはちょっと違います。避暑が目的でサマーハウスと呼んでいるわけではなく、私の友人によるとぴったりの英語がないからとのこと。彼らは自分達のサマーハウスのことを『FRITIOS HUS(フリッチスフース)』=“時を過ごす家”と呼んでいます。

 

 

電気も水道もガスもないと聞いていたので、北欧の真冬に大丈夫なのか?どうやって過ごすのか?半信半疑でした。
コペンハーゲンを早朝発ち、延々と続く針葉樹の中をドライブして7時間。うとうといねむりしていると「着いたわよ!ここよ。」とカーンの弾んだ声で目を覚ましました。

 

 

そこに姿を現したのは、たっぷりと雪をまとった針葉樹の濃い緑とこの土地特有の赤い家。
これがFRITIOS HUS=フリッチスフースです。

 

 

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「わぁ~!!」と、素敵すぎて言葉がでてきません。深い森に迷い込んだおとぎ話の主人公になったような気持ちです。
車からゆっくり足を降ろし、新雪の中に足を踏み入れます。「ムギュ、ムギュ」九州生まれの私は、ふくらはぎ辺りまで積もったパウダースノーの感触も初めてです。こんな真冬でも小鳥はさえずり、澄んだ声が空に響きます。

 

新しい体験を楽しむ私をよそに、カーンもロバートも急いで車から荷物を降ろし、ひと息つくこともなく働き始めました。長時間ドライブだったのに?お昼ごはんも食べなかったのに?コーヒーも飲まないの?心の中でそう思った瞬間、「早くしないと日が暮れてしまうのよ!!」そう言われて、はっとするのでした。

 

私たちが到着した頃にはもううっすらと暗く、夜が近づいてきていました。午後3時半には日は落ち、針葉樹の森は闇に包まれてしまいます。暗くなってしまう前にここで過ごす準備を終わらせなければなりません。ロバートはすぐに蒔き割りを。カーンはキャンドルに明かりを灯し、各部屋へ。

 

そうか、火がなければ始まらない。私も日常からモードを切り替えないと!
「何したらいい?手伝う!」
「裏の井戸で水を汲んできて!」
「OK!」

 

OK!と言ったけど、井戸で水汲みなどしたことない、大丈夫かな?いやいやそんな甘えたことを言っていては、凍え死んでしまう!

 

 

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つるべ式の垂直井戸。ウールの手袋の繊維がチェーンに凍り付いて、うまく引っ張れず何度も水をかぶってしまいました。
この土地の水は鉄分が多く、紅茶のような色をしています。飲料水はデンマークから持参し、井戸水は洗面や食器洗いに使います。

 

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 夏に集めた薪  急いで薪割りをするロバート

 

 

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一番に灯したキャンドル キッチンのオーブンにも火を入れます

 

 

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スウェーデン式タイルヒーター
150~200年前のもの

お手製水用タンク

 

 

 

暖まるまでには時間がかかりますが、ストーブに火が入りようやく人心地つくことができました。
このスウェーデン式のタイルヒーターは少ない燃料で、長時間一定温度の熱を放射するストーブです。縦型のオンドルとでも言いましょうか。
床から天井までずどーんと長い円柱形はスウェーデン独特のものだそう。150年~200年前のもので、現在でもメンテナンスをしてくれる会社もあります。表面のタイルは、長くは触れられないけど、外から帰ると寄りかかることができるくらいの温度です。

 

この日のランチ兼夕食は、生ハム、白カビチーズ、インゲン豆のペースト、スモークサーモン、ビーツです。
全部冷たいものばかり!?とお気づきの方もいらっしゃるでしょうか?

 

 

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今日に限らず、そもそも北欧諸国の伝統的な食べ物は冷たいものがほとんどです。
今では豊かな国々ですが、昔は貧しく、薪は貴重なエネルギー資源でした。日本人の感覚だと、寒い日は鍋料理で温まったり、熱いお風呂に入って心身ともに安らぎを感じたいものです。しかし、寒くて暗い冬が長く続く北欧では、その昔、部屋を暖めるのがやっとだったといいます。温かい料理やバスタブで体を温める余裕はありません。夏の間は、保存食をつくり長い冬に備えます。酢漬け、塩漬け、燻製などが伝統料理となっていくわけです。
フリッチスフースでの一食目を食べ、北欧の伝統食は冷たいものが多いということが腑に落ちるのでした。
ちなみに「明日は、温かいものを食べましょう!」と言って、2日目の夜はラムを薪のオーブンでローストしたものをいただきました。

 

 

あっという間に日は落ち、フリッチスフースはすっかり闇に包まれました。
娯楽のない夜は大いに語らい、私たちはよりお互いを知り、理解しあうことができました。昔の家族団らんもきっとこんな感じで、信頼関係や絆を強くしていったことでしょう。こうして、長く暗く寒い冬をみんなで協力して乗り越えてきたということが、現在の福祉大国形成の礎になったと、身を持って感じる滞在となりました。

 

 

 

次号「冬のサマーハウスその2」につづく

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『デンマークのクリスマス』ドロッペさんのハーデソーブラー

2015年12月15日 更新▲

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こんにちは。ティンドラ・ドロッペです。 今回の北欧コラムvol.3は、デンマークで過ごしたクリスマスのお話です。

 

 

 

1年が早々と過ぎていき、あぁまたこの季節が巡ってきたと、思わず空を仰いでしまいます。 そう、この季節のデンマークの空は、来る日も来る日もどんよりと鉛色。私はこの空を今にも泣き出しそうな「なきなきの空」と名づけていました。 北欧の冬は、寒さの厳しさもさることながら、日照時間が大変短いです。毎日がなきなきの空がゆえ、夜がいつ明けたのかわからないまま午後になり、15時くらいになるともう夕暮れ。太陽はなかなかお目にかかれません。

 

気持ちも沈みがちな寒くて暗い冬。そんな時期だからこそ、アドベントに入ると、誰もがわくわくしながらクリスマスの準備を始め、12月24日のクリスマス・イヴを待ちわびます。

 

 

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アドベントリースに立てられたキャンドルも4本目に灯りがともり、ついに12月24日、クリスマス・イヴの日を迎えました。
みんな朝から、どことなくそわそわ、はじけるような笑顔で準備をしています。

 

お昼を過ぎると街から人が消え、モスリムの商店を除いてほとんどの店はクローズ。交通機関もすべてストップします。
まるで夢の中にいるかのように、街の機能も人の動きも停止し、静まりかえるのです。
ここが一国の首都であることが信じられない静けさに驚きを隠せません。そんな私に、友人はこう言いました。

 

「クリスマスは特別なんだよ。誰にでもどんな人にも平等にクリスマスは訪れる。家族のいない人には声をかけて家に招いたり、寂しい人はバーに行く。貧しい人には迎えてくれる場所がある。ひとりぼっちでクリスマスを迎える人はいないよ。クリスマスは本当に何もかもが特別なんだ。」

 

その言葉で、「祝福と慈愛に満ちた一日」それが本当のクリスマスなのだと、あらためて実感しました。

 

 

 

さてさて、とはいえ夜は各家庭で賑やかですよ。
まず、デンマークの伝統的なクリスマス料理をご紹介しましょう。

 

 

 

フレスケスタイ

フレスケスタイ

 

皮つき豚肉のロースト。
クリスマスに欠かせない定番のメイン。
皮に5mm幅の切り込みを入れ、塩をまぶ
して、ローリエをはさみ、オーブンで2~3
時間焼きます。
すると、皮がポリっポリになり、ピンク色の
ジューシーなお肉と二つの食感が楽しめ、
「おいしい!」が止まらないごちそうです。

 

 りんごとプラムの詰め物をした鴨のロースト

 

フレスケスタイと並んで、こちらもメイン料理
となる丸焼き。クリスマスらしいメイン料理で
すね。中に詰めたりんごとプラムは食べません。

どちらのメイン料理もキャラメリゼした甘い
じゃがいもと、紫キャベツの甘酢煮を添えて
いただきます。

 ダック
 リセラマン

 リセラマン(リースアラマンダ)

 

アーモンド入りのミルク粥。温かいチェリーソース
でいただきます。一粒かくされた丸ごとアーモンド
に当たった人は、翌年幸運が訪れるといいます。
「ぼくじゃないよ!キミ?」「私じゃない、だれ?」
なんて、会話が盛り上がります。

 

 

私が親しくしているこの家族は、「ノーギフト!ノーストレス!」と言って、クリスマスプレゼントの交換をしないのがお約束なのだそう。
お金もかかるし、毎年誰に何を~を考えるかでこの時期、クリスマスギフトノイローゼのようになる人も、結構いるといいます。
遠慮のない仲で、よく食べよく飲み、よくしゃべる!くつろいで楽しみ、そして1年の出来事をみんなで分かち合う、それがなによりの幸せなのです。

 

 

テーブル 輪になって


 

 

食べて飲んで、リセラマンのデザートを楽しんだ後は、みんなでクリスマスツリーを囲み、手をつないで歌を歌いながらぐるぐる回り踊ります。「・・・?あれ?この先なんだっけ?」と全員が歌詞を忘れていたり、回るスピードを早くしたりと、大盛り上がり。「ちなみに、このファミリーには小さい子どもがいないから、普段は踊らないんだけど、今年はキミのために特別見せてあげてるんだからね。」などど言いながら大人だけでもはしゃいでいます。

 

 

P1050433

 

 

窓辺に飾られた代々伝わるニッセのお人形とツリーのオーナメント。
亡くなった家族から受け継いだものも含め、この日ここに集う家族。こんなに長い時間、話題がつきることなく家族で会話を楽しむことは、日本では少なくなったと思います。形式的なプレゼント交換、豪華なクリスマスディナー、そんな形あるものだけを幸せと呼ぶのなら、それはすぐに消えてなくなってしまうでしょう。
お金では買えない絆や互いへの思いやりを確認できることが、最大のクリスマスギフトなのだと、この家族に教えてもらいました。

 

 

ツリー

 

 

みなさんのクリスマスが、誰かと何かを分かち合う心温まるクリスマスとなりますように。
God Jul og Godt Nytår

 

ティンドラ・ドロッペ

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
デンマークのクリスマスをイラストとともに綴った
北欧コラム・ドロッペさんの著作本
「北欧やすらぎ散歩~スケッチで旅するデンマーク~」はこちら

 

北欧表紙

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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『アドベントのお話』ドロッペさんのハーデソーブラー

2015年11月13日 更新▲

hadetsabraヘッダーvol2

 

こんにちは!ティンドラ・ドロッペです。
ずいぶん夕暮れが早くなり、寒くなってきましたね。さて、北欧コラムeps2はアドベントのお話です。

 

 


『アドベント(降臨節)』
とは、イエス・キリストの降誕を待ち望む期間のことで、11月30日に一番近い日曜日に始まり、12月24日のクリスマスイブまでの約4週間をさします。つまり2015年は11月29日~で、この期間は、誰もがクリスマスに近づくのを指折り数えながら心待ちにしています。

 

アドベントの始まりには、モミや杉の葉を輪にしたアドベントリースを用意し、4本のキャンドルを立てて、4回の日曜日ごとに1本ずつ火を灯していきます。今年は11月29日に1本目を灯し、12月20日に4本のキャンドル全部が灯るというわけです。

他にも1日毎に火を灯す縦長タイプのキャンドルがあります。こちらは、火を灯しておしゃべりに夢中になってしまうと、うっかり2~3日分燃えちゃったよ~ってことになって笑いながら大慌て!「縁起がわるい!わるい!!」と言って火を消すところを見ると、風習ってどこの国も同じように楽しみに大事にされているものだなと微笑ましく、温かい気持ちになります。

 

 

P1030659 クリスマスリースに4本のキャンドルを立てて、
日曜日毎に火を灯すアドベントキャンドル。
写真はデンマークで。2週目の日曜日ですね。
P1030562 こちらは、アドベントの日数が12月24日まで
1日ずつカウントダウン式に火灯すタイプ。
デンマークでもみかんをよく食べます。
 P1030829photograph©tindra droppe
 お隣スウェーデンでは、どの家庭でも窓辺に
階段式のアドベントキャンドルが置かれています。
下の段から左右、日曜日毎に点灯。最後の日曜日に
真ん中に灯します。

 

 

クリスマスツリーに飾り付けをするのもアドベントに入ってからです。街のあちらこちらにモミの木売りが出て、小ぶりのものから、どこに置くのだろうというくらい大きなものまで、街の一角に小さな森が出来たかのような豊富な品揃え。フレッシュな森林の匂いが漂っていて、思わず深呼吸してしまうほどです。

買ったモミの木を車の屋根に乗せて運ぶ人、自転車につないで走る人、仕事帰りのお父さんが抱えてという光景をよく目にします。
早く買うとモミの葉が落ちて散らかるし、クリスマスの頃にスカスカになるのを嫌って、クリスマス1週間前~3日前くらいに買う人が多いようです。

 

 

P1040866 P1050377

photograph©tindra droppe

街のあちらこちらでクリスマスツリー売りがでます。景観をそこねない場所に市が立つって、さすがの美意識です。

 

 

 

クリスマスのおもてなし準備もこの頃から始めます。「グルッグ」と呼ばれる甘いスパイスワインや、オレンジピール、ナッツ、様々なスパイスが入ったクッキーを焼いて、いつ誰が訪ねてきてもふるまわれます。ジンジャークッキーは有名ですね。

 

オレンジにクローブ(丁子)を模様のように刺して飾ると、部屋中がクリスマスの香りでいっぱいになります。これは「オレンジポマンダー」といって、リボンなどを巻いて乾燥させ、クリスマスツリーのオーナメントとしてあらかじめ作っておくこともあります。オレンジ&クローブの香りは、こすると匂うグリーティングカードや切手などにも使われていて、まさにクリスマスの香り!

 

 

P1030566 P1030734

photograph©tindra droppe

 


ツリーのオーナメント
は、オレンジポマンダーの他にも、紅白2枚の紙を組み合わせたハート型のものや、円錐形で中にキャンディーやお菓子を入れられるものを手作りしたり、代々家に伝わるアンティークなものまで、各家庭それぞれに「これじゃなきゃ!」とこだわりがあったり。
クリスマスマーケットではオーナメント売り場は、カラフルで賑やかさと華やかさを添え、人気があります。

 

 

P1030871 P1030585

photograph©tindra droppe


クリスマスツリーだけでなく、リースなどもたくさん市に並びます。日本の暮れに注連飾りを売っているのと似ています。
右の写真は、アンティークものばかりのクリスマスマーケットで。味わいのある古いオーナメントは素敵です。

 


アドベントに入ると、とたんにこのオレンジやスパイスの香りやモミの木の香り、お母さんがクッキーを焼く香りなどなど、色々な匂いがクリスマスが近づく気分を盛り上げていきます。きっとこれらの香りは、高揚感と共に安心もできて、心地よくみんなを元気にするのだと思います。

フレッシュなモミの木のツリーを買うのは大変だけど、オレンジにクローブを刺して、今年は北欧のクリスマスの香りを楽しんではいかがでしょうか?

 

 

次回は、いよいよクリスマスのお話です。デンマークでは、クリスマスをどのように過ごし、どんなものを食べるのでしょうか!?
どうぞお楽しみに!!

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ドロッペさんの『ハーデソーブラ』eps1

2015年10月07日 更新▲

hadetsabraヘッダー1

今月から、イラストレーターのティンドラ・ドロッペさんに北欧の文化や習慣、そこに暮らす人々のマインドなどをお話いただきます。題して「ドロッペさんのハーデソーブラー」。毎月連載でお届けします!

 


「ティンドラ・ドロッペ」さん。変わったお名前ですが、これは何語でしょうか?ペンネームの由来があればお話ください。

 

 

はじめまして、ティンドラ・ドロッペです。
私は2003年~2009年の6年間、福岡で北欧をテーマにしたカフェをしていたんですが、カフェには現地で買い付けた雑貨も販売していたんですね。
2007年5月のこと。ある方の紹介で、スウェーデンで買い付けの合間に小学校を訪問することになったんです。イェーテボリ郊外の「レーヴランダスコーラン」という小学校の当時4年生のホームルームにお邪魔する機会をいただきました。私は自己紹介の中で自分の名前を元に漢字の説明をしました。音読みと訓読みがあって、漢字ひとつずつに意味があること。そして私の名前の漢字の意味からイメージするスウェーデン語の名前をみんなで考えることになりました。名前をつけるとなると、それまでおとなしかった子ども達が、目を輝かせ、いきいきとアイディアを出し合ってくれました。

で~、最終的に全員一致で決定した名前が「Tindra Droppe ティンドラ・ドロッペ」です。

tindraは、スウェーデン語でキラキラと輝くという意味

droppeは、しずく。英語でいうdropですね。

すごくすてきな名前を授けてもらって、ものすごく嬉しかったことと、みんなの目がキラキラ輝いていたことが印象的で今でも忘れられません。のびのびとイマジネーションの豊かな子たちでしたね。
名づけてもらってから、さっそく私の活動の中でペンネームとして使うことにしました。

当時の様子を写真でご紹介します。

 

 


ホワイトボードを見ながら、みんな真剣に考えています。

P1010505

 

 

だんだん盛り上がってきました。

P1010506

 

 

「Tindra droppe」に決定!みんな~ありがとう

P1010509

 

 

初めて見る日本のお菓子に夢中。

P1010503

 

 

個別の机ではなくて、何人か共用の机にマイファイルを立てて自分のスペースを作っているようです。
サングラスで通学!?と思いましたが・・・絵はカラフルでかわいいですね~。
P1010510

 

 

 

連載タイトルの「ハーデソーブラー」ってどういう意味ですか?

 

 

Ha det så bra!(ハーデ ソーブラ) よい1日を!っていう意味です。

海外に行ったときは、現地の言葉で「こんにちは」「ありがとう」「さようなら」に加えて、別れ際に「よい1日を!」って添えるようにしています。スウェーデンで「ハーデソーブラー!」って言うと、みんなくすっと笑ってくれるんですよ。発音がおかしいのか、スウェーデン語しゃべれないのになぜそこだけ知ってる?みたいなことで笑われているんでしょうけど。へんてこなスウェーデン語でも言われたら嬉しい!?
日本人同士で「よい1日を!」と声を掛け合うことは、あまりなじみがありませんが、「ハーデソーブラー」の記事を読んでいただいてほっこりするような、微笑ましいような内容だったらいいなと願いをこめまして。
手描きのイラストや写真を交えておおくりしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

 

ドロッペさん、楽しみにしています。
どうぞよろしくおねがいします!

 

 

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