海外旅行、キャンセルしたらどうなるの?
2017年08月17日 更新▲ワクワクしながら旅行計画をしても、急な病気、致し方ない事情など残念ながら旅行に行けなくなってしまったら? 世界情勢も不穏な事態が続いています。出発直前に情勢不安な事態が起きてしまったら? 危険地域勧告が出ていなくてもご家族に反対されたなど、出発ギリギリまで行くか止めるかで迷ってしまうこともあるかもしれません。楽しみにしていたのに残念でなりませんよね。しかし手数料を差し引いても払い戻しがあるのなら、気を取り直して手続きは早めに行った方がいいでしょう。また、どんなに行く気満々であっても、悪天候や不可抗力の事態で飛行機が飛ばないといった場合もあります。こんな時、あんな時、旅行が取りやめになってしまった場合のキャンセル料、払い戻しについて知って起きましょう。
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Cancelled / atgw
1.旅行申し込みの契約成立とキャンセル
旅行申込書を記入し、申込金を支払った時点で旅行会社との契約が成立します。これ以降、キャンセルする場合には、何日前にキャンセルするか日数に応じてキャンセル手数料が発生します。申込金を払う前にキャンセルについての説明がありますので、必ず理解、確認してから支払いましょう。ネットでの申し込みの場合も、予約が確定する前に、キャンセルについてなど、別ページへジャンプし承諾を得るようになっているはずです。細かい約款を読むのは面倒だし、何も起こらないだろうと思ってしまいますが、ネットで申し込んだ場合は、プリントアウトして読み直し、旅行にも持って行くようにした方がいいです。
2.いつからキャンセル料は発生するのか。
パッケージツアーの場合、通常時期は、旅行開始日の前日からさかのぼって、30日目に当たる日から発生します。
ピーク時(4/27〜5/6のGW期間、7/20〜8/31の夏休み期間、12/20〜1/7年末年始期間)は、旅行開始日の前日からさかのぼって、40日目に当たる日から発生します。
※旅行会社の営業時間内に連絡が確実に出来た場合に、初めてキャンセル受理になります。
メールやFAXでキャンセルを申し出る場合には、自分が提出した日にちではなく、旅行会社の営業日で受理された日にちとなります。日付をまたいで深夜に申し出たり、旅行会社が土日休みの場合、よく営業日となり、旅行会社が受理した日が契約解除の日となりますので、手数料が変わる日にち前後の場合は注意してください。
旅行会社が定める取消料は、旅行業約款に基づきその範囲内で各旅行会社が自由に定めています。
どの旅行会社もほぼ同じですが、「○○%以内」としている場合、請求される金額が旅行会社によって異なる場合があります。
■主な旅行会社海外パッケージツアー、キャンセルに関するページ
JTB
【海外ツアー・エアホ】取消料について
http://help.jtb.co.jp/366/1546/1552/1696/f5333.html
HIS
キャンセルチャージについて – 海外ツアー
http://smp.his-j.com/common_sp/provisions/prov08.html
近畿日本ツーリスト
【海外ツアー】キャンセル料について
http://faq.knt.co.jp/faq_detail.html?id=2364
3. どうなる?こんな時、あんな時。
(1)自分自身やご家族の急な病気、仕事やその他の事情など。
残念ですけど、ご自身の都合によりますので、旅行会社や航空会社の規定によるキャンセル料を支払わなければなりません。
(2)台風で空港に行けない。飛行機も飛ばないよね?
飛行機は、台風、降雪でも飛ぶことはあります。運行の判断は航空会社に委ねることになります。代替便や翌日の振替便でツアーが催行になることもあります。大幅な遅れや欠航により、旅行会社がツアー催行を不可能と判断し、中止となった場合は、手数料なしで払い戻しがあります。遅延か欠航になるかどうかの判断は出発時間ギリギリとなることも多いです。
飛行機は飛ぶことになったけど、空港までの交通手段に遅延が発生し、出発に間に合わない時には当日キャンセル扱いとなりますので、集合時間までには、なんとしてでも空港にたどり着いていなければなりません。自然災害の場合、航空会社に責任はありませんので、空港までの交通費、滞在費、宿泊費、食事代などの保証はありません。
(3)行き先にテロが起こった!ニュースを見て不安になったからキャンセルしたい。
自然災害・戦乱・交通やホテルのストライキなどで旅行の安全・円滑な実施が危ぶまれる時、外務省の渡航勧告を受けて、旅行会社はツアー中止の判断をします。中止決定前に自身で判断しキャンセルした場合は、規定に沿ったキャンセル手数料を支払うことになります。
自分の判断と報道と見解が異なる場合もありますので、情勢が不安な地域に出かける時は、外務省・海外安全情報を確認し、十分に注意してください。
*渡航先でテロが起こった場合→@とらべるのテロ等対応費用
(4)帰国便が欠航に。
機材による遅延・欠航、ストライキなど航空会社に責任がある場合には、代替便に振替られますが、現地で延泊しなければならなくなった場合は、自己負担になります。旅行会社には責任はないからです。また、どうしても急いで帰らねばならず、代替便を待たず空席のある飛行機に乗りたい場合も、自己負担となります。
(5)一緒に行くはずの友達がキャンセルにすることになった。私は行くのでキャンセル料はかからない?
何人でパッケージツアーに申し込んでいたかにもよりますが、ホテルの部屋割りが変わり、一人部屋となることによって追加料金が発生する可能性が出てきます。ツアー申し込み時の条件書を確認しましょう。4人から3人になり、トリプルの部屋に変更したい場合も、利用するホテルによっては一旦全員が予約をキャンセルして、申し込みをし直さなければならないこともあります。その場合は、キャンセルを申し出た日にちによってキャンセル手数料がかかります。
(6)パスポートの名前と航空券の名前に1字ローマ字表記が違う箇所がある。
航空券に記載される名前(予約されたお名前)と、実際のパスポート名が完全に一致していないとご飛行機には乗れません。この点に関して航空会社は非常に厳しく、例えたった一文字の間違いであっても原則的には搭乗できません。これで乗れなかったら自己都合のキャンセル!本当に注意が必要です。知らなかったヘボン式ローマ字のルールに引っかかることがありますので、ご自身のお名前のローマ字表記、今一度ご確認くださいね。
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[パスポート確認不十分によるスペル間違い]
①漢字の読み間違い
山田幸子⇒
正)YAMADA/SACHIKO MS
誤)YAMADA/YUKIKO MS②「ん」の特例 ※例外もございますのでご注意下さい
B, M, Pの前はNの代わりにMを置く。
なんば = NAMBA ほんま = HOMMA さんぺい = SAMPEI
③「っ」の特例 ※例外もございますのでご注意下さい
子音を重ねる。
ただし 「っち」「っちゃ」「っちゅ」「っちょ」に限り、CHの前に T を加える。
はっとり = HATTORI きっかわ = KIKKAWA
ほっち = HOTCHI はっちょう = HATCHO
④長く引きのばして発する音 ※例外もございますのでご注意下さい
母音は重ねず、一つ。
ただし 「おお」 に限って、O または OH どちらでも可(パスポートを要確認)
こうの = KONO ひゅうが = HYUGA ちゅうま = CHUMA
おおの = ONO または OHNO
※他にも特例・例外はございますので、ご注意ください。[姓と名が逆]
例)田中信二
正)TANAKA/SHINJI MR
誤)SHINJI/TANAKA MRhttps://help.his-j.com/faq.asp?faqno=FAQ00300&sugtype=3&logid=643822128
(7)パスポートの残存期間
渡航する国によって、パスポートの残存期間が異なります。出発時に残存日数を切っていると飛行機に乗れません。残存期間だけでなく、パスポートの余白ページが2ページ以上という国もありますので、申し込み時に行き先別に確認しましょう。残存期間が満たなくてもツアー申し込みができたり、航空券の購入ができてしまう場合があるので、注意が必要です。うっかりしていて、当日キャンセルということになると、ショックが大きすぎる出来事となってしまいます。
余談ですが、筆者友人がこのケース、やってしまいました。
空港のチェックインカウンターで発覚!連れも足止め、飛行機に乗れませんでした・・・これは迷惑かけますよね〜。この日に合わせて休暇も取っているわけで。
10年くらい前の話ということですが、この時の行き先は台湾。旅行代理店にパスポートも預けて手配してもらったということです。「プロにお任せしていてどうして!?」早朝の便だった飛行機が飛び立った後、旅行代理店の開店時間10時になるまで、怒りが治らなかったと言います。そして交渉の結果、旅行代理店の見落とし、確認ミスが認められたそう(よかった)。その日のうちに出発でき、尚且つ彼女のパスポートで入国できる国は韓国・ソウルか香港か(当時)ということで、頭の中が小籠包でいっぱいだった彼女は、少しでも近い味が食べたいと、香港を選んだそうです。
おそらくこれは、ものすごくラッキーなケースではないかと思います。対面ではなくネットで申し込みをすることが増えた現在では、認められないでしょうね。
いかがでしたでしょうか?
様々な理由で、どうしてものキャンセルは発生してしまいますが、旅行計画の時点で、例えば台風シーズンを避けたり、外務省の情報をこまめに見て、危ないところには行かない、体調管理は十分に行うなど、予めのリサーチと準備でキャンセルの確率は低くなっていくと思います。知らなかったでは済まされないこともありますので、旅行計画、お申し込み時はよく確認して、ぜひ良い旅にしてくださいね。