「知らなかった」「うっかり」では済まない海外でのルール【罰金事例】
2024年10月25日 更新▲年末年始の休暇に海外旅行を検討中の方も多いと思います。日常を忘れ、羽を伸ばしワクワクを楽しむ海外旅行は、心身ともにリセットの良い機会です。ですが、渡航先の国では日本では普通にやっている行為が、マナー違反になったり、よりによっては罰則という厳しいルールとなっている場合もあります。「知らなかった。」では済まされない事態とならないよう、今回は、世界のあんなルール、こんなルールをご紹介します。
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マナーやルールというのは、その国の文化的背景や宗教的理由と密接につながっている場合が多いものです。国によって人々の価値観や秩序、大切にしているものが違うということは大いにあります。海外旅行を決めたら、渡航先の情報をあらかじめ収集しておきましょう。私たちの常識や感覚とは違っていても受け入れ、訪問する国や地域へのリスペクトを忘れずにいれば、大事には至らないはずです。
◆「Fine City」シンガポール
シンガポールは、世界的にも公共の場でのルールが色々あり、罰則が厳しいと知られています。「Fine City」と呼ばれるシンガポールでは、多民族・多宗教国家の秩序を維持するために厳しい罰金制度が導入されており、さまざまな行為が罰則の対象となっています。旅行会社やガイドブックでも注意を促していますが、滞在中「うっかり」ということがないよう今一度確認しておきましょう。以下は大まかなものです。
・ガムの所持や持ち込み
罰金10,000SGD(約100万円)
※所持していたら、入国できません。
・ごみのポイ捨て
罰金 初回2,000SGD(約20万円)、2回目4,000ドル(約40万円)、3回目以降は10,000ドル(約100万円)
・公共交通機関内での飲食
罰金500SGD(約5万円)
※ドリアンの持ち込み禁止
・公共の場での飲酒
公共の場で午後10時30分から午前7時までの飲酒が禁止されています。コンビニなどでもお酒を買うことはできません。許可を得ているレストランやバーでは、この時間帯でも飲酒が可能となります。
違反した場合の罰金1,000SGD(約10万円)
・公共の場での喫煙
所定の喫煙エリア以外で喫煙した場合、200SGDまたは最高1,000SGDの罰金
・横断歩道以外の道路横切り
シンガポールでは決められた横断歩道から50メートル以内で道路を横切る渡る行為を「違法横断(Jaywalking)」と言って、初犯の罰金は50SGDですが、再犯は1,000SGDの罰金と3カ月の禁固刑、最大5000SGDの罰金となります。
・他にもこんな罰則があります!
野鳥への餌やり→罰金1,000SGD(約10万円)
公衆トイレで水を流さないこと→罰金1,000SGD(約10万円)
路上での泥酔→罰金1,000SGD(約10万円)
蚊を発生させる環境をつくること→罰金10,000SGD(約100万円)
◆ホノルル・歩きスマホ禁止!
旅行中は、地図アプリを見ながら歩くこともありますが、ハワイ州ホノルル市では、道路横断中の「歩きスマホ」が禁止されています。スマホだけでなく、タブレット、ノートパソコン、ゲーム機器、デジタルカメラも罰則の対象となりますので、動画撮影しながら歩くなども注意が必要です。
アメリカ・ホノルル
歩きスマホの罰金は、初回が35ドル、1年以内に2回目で35~75ドル、3回目で75~99ドルです。日本円に換算すると、約1650円から10890円(1ドル110円の場合)となります。
アメリカ・ニュージャージー
罰金は約1万円です。
◆イタリア・スペイン広場でジェラートを食べると罰金。
映画「ローマの休日」で一躍有名になったスペイン広場では、映画を真似てジェラートを食べる人が急増し、文化財を守る意味から罰金を設けています。かつてはOKだったことが、今はNGになっています。警察に見つかった場合は、約7万円の罰金となります。インスタ映えを狙ったり、思い出づくりが高くついてしまいますので注意しましょう。
◆持込み禁止が多いオーストラリア
オーストラリアでは、動植物の保護と環境を維持するために、厳しい持ち込み制限ルールがあることでも有名です。入国時には、食品や動植物製品、医薬品といった、多くの物品の持ち込みが制限されています。特に食品には品目ごとに厳しい規定があり注意が必要です。
詳しくはこちら↓
在日オーストラリア大使館
◆イギリスの地下鉄・乗り越しに注意
ロンドンでは乗り越し清算は認められていません。日本では改札の際、運賃が足りなくても降りる時に精算すれば済みますが、ロンドンで同じことをやると約2万円の罰金となってしまいます。ロンドンでは、乗り放題乗車券「Travel card」を購入したほうが便利です。
◆撮影に関してのNG
ヒンズー教の寺院、イスラム教のモスク、教会など、宗教的建物内の撮影は禁止されている所は多いです。禁則に触れると罰金、禁固、フィルム・カメラ没収等になる場合があるので注意が必要です。
宗教的儀式や、イスラム圏内で女性を撮影することはタブーとされています。
(※上記画像、タイのエメラルド寺院は、本堂内の撮影が禁止されています)
オーストラリア・メルボルンでは、デパートや店内の撮影は禁止されています。その他、香港やオーストラリア、ネパール、エジブト、バングラディッシュなど多くの国で人を無断で写真撮影することはNGとされています。ニューカレドニアでは、個人の家屋を撮影するにも本人からの許可が必要です。景色を撮影した際に、人物が写り込んでいてもNGとなる場合がありますので、ひと言断ってから撮影しましょう。
また、撮影時にピースサインでポーズをとる日本人は大変多いですが、イギリスやオーストラリア、ギリシャでは“ピースサイン”は、相手を侮辱する意味となります。何気ないハンドサインが、国や地域によっては意味が違っていたり、不快なものとなってしまうこととなりますので、気をつけましょう。
◆罰金はなくともマナーに反したり、NG行為はある
例えば、イスラム教、ヒンズー教では左手は不浄の手とされています。左手でものを食べたり、左手でのものの受け渡しはNGです。また、いずれも頭は神聖なものとされているので、かわいいからといって子供の頭を撫でたりするのはタブーです。
ヨーロッパでは、熱いものを食べる時「フーフー」して食べることは、みっともない行為としてタブー視されます。これは無意識にやってしまいがちなので、覚えておきましょう(日本のようにアツアツ状態で提供されることはほとんどないでしょう)。
いかがでしたか?
世界は広し、郷にいれば郷に従え、その国や地域のマナー、ルール、タブーを知ることも海外文化に触れるということです。逆にその国の文化風習に興味を持つきっかけになったり、外から日本を知る機会にもなります。海外旅行では日本での「当たり前」は置いていき、ポジティブに捉えてお出かけくださいね。