【9月1日問題】子供の命を守るために、知っておいてください。
2025年08月24日 更新▲夏休み明けの9月は児童生徒の自殺が増える傾向があり、「9月1日問題」とも言われていることをご存知でしょうか。学校が再開するこの時期に、言葉にできない不安や憂鬱さを抱えている子供は少なくはありません。こどもの自殺を食い止 め、そして、こどもたちが自殺に追い込まれ ることのないような社会を作るため、社会全 体で対策に取り組む必要があります。訴えることのできない「しんどさ」や「つらさ」のサインを見逃さないようにしましょう。
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地域によって、夏休み明けの時期は異なりますが、社会問題として認知されやすいよう『9月1日問題』と言われています。
いじめ、不登校、進路問題、家庭や学校での孤立など…。再び学校に戻らないといけないプレッシャーに押し潰れそうになっているのです。学校の再開で、現実と向き合わざるを得なくなり、自分を責めたり、希望を持てず、暗い気持ちに押しつぶされそうになっている子供は多くいます。大人でも悩みを抱えた時、自分の対応方法や見通しのつけ方がわからなくなる時もあります。悩みを抱えている子供は、大人に知られないように耐えていたり、隠す傾向にあります。声を上げられずとも、様子がおかしかったり、微細なサインを発しているはずです。
子供の自殺を食い止 め、そして、こどもたちが自殺に追い込まれ ることのないような社会を作るため、社会全 体で対策に取り組む必要があります。
下記は、厚生労働省が発表している小中高生の自殺者数の推移を見ると、自殺者数は年々増えており、高校生女子に増加傾向があることがわかります。
厚生労働省 こどもの自殺の状況と対策
https://www.mhlw.go.jp/content/2024-2-1.pdf
下記は、小中高生の月別自殺者数のグラフです。9月にピークがあることがわかります。
厚生労働省 令和6年中における自殺の状況より抜粋
https://www.mhlw.go.jp/content/001464717.pdf
下記は、自殺の原因と動機が分類されたものです。
厚生労働省 こどもの自殺の状況と対策
https://www.mhlw.go.jp/content/2024-2-1.pdf
様子がおかしいサイン
(※これらは一例です)
・夏休みの後半くらいから、口数が少ない。前半と比べて、態度が違う。
・どこか怯えていたり、夜静かで泣いているのではないか。
・スマホを見なくなっている。スマホを使用した後に、塞ぎ込んでいたり、逆に明るく振る舞おうとしている。
・宿題ができていなかったり、新学期の準備をしたがらない。
・子供がいる所に行きたがらない。友達と遊ばない。
・学校のことを考えると憂鬱になったり無気力になる。
・体調不良を訴える。
ストレスが体に表れる場合も多いため、学校が始まる日に学校に行きたくないと言ったり、学校に行く前に「おなかが痛い」など体調面の不調を訴えることがあります。
新学期が始まる時期は、いつも以上に子供の体調面や普段と違ったことがないかなど、気をつけ見守っていく必要があります。
これまでの躾や教育、叱られた経験などにより、子供は「弱音を吐いてはいけない。」「頑張れない自分が悪い。」と、我慢したり、自分を責めてしまうことがよくあります。そうした観念があると、悩みを打ち明けることができず、ますます自分を追い込んでしまいます。日頃から、子供には、悩んだときには誰かに相談することは恥ずかしいことではなく、「しんどい」や「つらい」など、言葉を発して、大人に助けを求めてもいいことを伝えておきましょう。
大人や周りの人もそれを否定せずに、温かく受け入れて寄り添う努めは必要です。
参考・相談窓口など
厚生労働省 「心もメンテしよう」
不登校やいじめ、ひきこもりなどの相談窓口
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/consultation/window/window_02.html
文部科学省 「子供のSOSの相談窓口」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/06112210.htm
内閣府 孤独・孤立対策推進室
もやもやを抜け出す相談窓口をチャットボットで紹介
「18歳以下の皆さんへ「あなたはひとりじゃない」
https://www.notalone-cao.go.jp/under18/
政府広報オンライン
「ここにもあります!相談できる窓口が。「いじめ」しない・させない・見逃さない」https://www.gov-online.go.jp/article/201505/entry-8685.html
NPO法人 登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク
https://futoko-net.org/