海外旅行を安全・健康に楽しむために必要な準備と知識
2024年12月25日 更新▲年末年始の休暇に海外旅行という方もいらっしゃると思います。楽しい旅行をして、ワクワク感良き思い出として持ち帰るために、出発前には今一度、安全についての情報を確認しておきましょう。政府広報オンラインより抜粋してお届けします。
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※以下、政府広報オンラインより抜粋してお届けします。
海外旅行は日常にはない解放感を得られる一方で、思わぬトラブルに巻き込まれたり、生活リズムや気候の変化、言葉や文化・食習慣の違いなど慣れない環境で体調不良を招いたりするリスクもあります。本記事では、海外旅行を安全・健康に楽しむため、旅行前にできる準備や現地で気を付けること、トラブルに巻き込まれたり体調を崩したりしてしまったときの対応について紹介します。
1. 旅行前の準備
安全情報や感染症情報を確認
旅行前には、外務省「海外安全ホームページ」で国・地域別の危険情報や感染症危険情報などを確認しましょう。対象地域ごとに「レベル1、十分注意」「レベル2、不要不急の渡航中止」「レベル3、渡航中止勧告」「レベル4、退避勧告」の4つのカテゴリーによる安全対策の目安を確認できます。 また、に登録すると、旅先の国・地域の在外公館(日本大使館、総領事館)から安全情報を入手できるほか、旅行中も最新の安全情報が日本語のメールで届きます。出発前に登録をしておくと便利です。
海外旅行保険に入る
海外では、感染症などのほか、日本と違う環境でのストレス、疲労などから体調不良となる可能性もあります。また、万全の注意を払っていても、思わぬ交通事故や盗難被害などのトラブルに巻き込まれてしまうかもしれません。特に海外で病気や怪我などで治療・入院・緊急移送となった場合、数百万円から数千万円といった高額な費用が請求されることが多くあります。
2. 旅行中に気をつけること
安全に海外旅行を楽しむため、事件に巻き込まれないよう防犯対策を徹底しましょう。また、病気や体調不良にならないように食事や行動にも注意が必要です。
防犯対策の徹底
旅行中の日本人が遭う被害の多くは窃盗や強盗、詐欺などの金品・財産を狙った犯罪です。治安が比較的安定した国や地域であっても日本人がこれらの被害に遭ってしまうことは少なくありません。代表的な犯罪への対策を紹介します。
スリ、置き引き、ひったくりへの対策
口の開いたハンドバッグ、バックパック、ズボンのお尻のポケットなどはスリに狙われやすいので、財布やスマートフォン、パスポートなどの貴重品は入れない。 貴重品のある場所(バッグやポケット)を意識し、人混みの中では常に警戒して不自然に押されたり接触を感じたりしたらすぐに所持品を確認する。 荷物から手を放さない。一時的に手を離すときも、荷物が体に触れているように置く。 レストランなどで席取りのために荷物を置いて料理などを取りに行かない(その場を離れない)。 スマートフォンなどをテーブルに置いたまま食事をしない。 道を歩くときは、荷物を車道側に持たない。また、背後からひったくりに狙われないように荷物は前に置くようにする。
※服を汚したり話しかけたりして気を逸らし、犯行を行う手口もあるので、スキを見せず常に注意を払いましょう。また、注意していても被害に遭ってしまう場合があります。貴重品などは一か所に入れておかず、分散して携帯するようにしましょう。
強盗への対策
不用意な夜の外出、一人歩きはしない(昼間は安全な場所でも、夜は危険である場合が多い)。 昼間でも人通りの少ない場所(路地裏など)には立ち入らない。 知らない人に話しかけられても、安易に信用しない。また、すすめられた食べ物や飲み物は不用意に口にしない(睡眠薬強盗)。 ホテルの中でも安心しない。必ずドアチェーンを掛け、ノックされても不用意にドアを開けない。
※多くの場合、強盗は武器を持っています。また、相手は単独犯に見えても周囲に仲間がいると思ってください。万が一、強盗に遭遇しても抵抗せずに命や身体の安全確保を優先するようにしてください。
詐欺への対策
街中で知らない人に「お札を見せてほしい」などと声を掛けられ、お金やクレジットカードを抜き取られることがあるので、もし親しげに話しかけてきても、相手にすることなく、その場を速やかに立ち去る(いわゆる「お金見せて詐欺」)。 警察官を名乗る男から警察手帳のようなものを見せられ、持ち物検査を装ってパスポートや現金を抜かれることがあるので、安易に信用せず、警察手帳をよく確認する、「日本大使館に連絡する」といって毅然と対応する(偽警官)。
水・食べ物に注意
水や食べ物を介して食中毒の原因となるものが口に入り、様々な病気を引き起こす可能性があるため、旅行先では水や食べ物に注意が必要です。
旅行先によって衛生環境や食品衛生の規制は異なりますが、飲料水が汚染されている場合があります。特に水道水を飲めない国に渡航する場合は、ボトル入りの水を飲むようにしましょう。ジュースや乳製品は、信頼できる店舗や場所で飲むようにしてください。氷も生水から作られている可能性があるため、避けるようにしましょう。
食べ物は、完全に火が通ったものを温かいうちに食べましょう。特に、生の魚介類や野菜、生焼けの肉は避けるようにしましょう。こうした食べ物は細菌やウイルスに汚染されている可能性があります。
虫除け対策
デング熱やマラリアなどの蚊が媒介する場合やダニ媒介脳炎やライム病などのダニが媒介する場合など、虫に刺されたり、咬まれたりすることで感染する病気があります。旅行先では、虫がいる草原や森林地帯などの散策は避け、虫除け対策をすることが大切です。
服装は肌の露出が少ないものを選び、シャツの裾はしっかりとたくしこみ、履物はサンダルではなく靴を履きましょう。また、蚊は色が濃いものに寄る性質があることや、暗い色では衣類に付いたダニを見つけにくいため、衣類は色が薄いものを選びましょう。虫よけ剤を使用することも有効です。
動物には近づかない
発症したら助からないという点で、最も気をつけるべきは狂犬病です。旅行中は原則として、動物には決して手を出さないようにしましょう。日本人渡航者の多い、東南アジア、南アジアでは狂犬病で死亡する人が後を絶ちません。イヌ、サル、ネコ、コウモリ(アメリカ大陸ではアライグマ、スカンク、キツネ)には十分注意し、咬まれたり引っかかれたりした場合には、直ちに医療機関を受診してください。すぐにワクチン(計5回から6回)を打ち始めることで感染を予防できます。
ほかにも、鳥インフルエンザや中東地域で発生している中東呼吸器症候群(MERS:Middle East Respiratory Syndrome)といった感染症もあります。鳥インフルエンザは病気の鳥や死んだ鳥に近寄らないこと、生きたニワトリを多数扱っているマーケットに行かないこと、MERSはヒトコブラクダとの濃厚接触(鼻や口等との接触(ヒトコブラクダから顔を舐められるなど)や、ヒトコブラクダの生のミルクや非加熱の肉などの摂取)を避けることなどに注意することが必要です。
3. 旅行中のトラブルや急病の対処
渡航先での盗難や紛失は、まず現地の警察へ届け出て被害届の受理書を受け取りましょう。この書類はパスポートの発給申請や保険請求などに必要です。クレジットカードについてはクレジット会社に連絡してください。また、現地の日本国大使館・総領事館では、被害の状況や要望に応じた案内、助言、支援を受けられます。
以下の連絡先は事前にメモして携帯しましょう。
最寄りの日本国大使館・総領事館 航空券を購入した旅行会社・航空会社 カード発行会社 海外旅行保険に加入している保険会社
※スマートフォンを盗まれたり紛失したりした場合、通信アプリの「既読」が付かず、日本の家族や友人などに心配をかけることがよくあります。このような場合は、別の通信手段(ホテルから電話など)で日本に一報を入れておきましょう。
下痢になったら水分補給を徹底する
下痢になったときに、最も重要なのが水分補給です。特に、体に吸収されやすい「経口補水液(ORS)」が最適です。経口補水液は、ほとんどの国や地域の売店・薬局で、液体や粉末状のものを手に入れることができます。下痢止めは、症状を根本的に治す薬ではなく、また下痢止めを使用することで病原体を体内に止めてしまう可能性もあるため、使用に際しては十分に注意してください。
発熱が続く場合は速やかに医療機関へ
発熱が続く場合、迅速な治療が必要な場合もあります。発熱に伴って発疹が見られる場合はデング熱やマラリアなど感染症の可能性もありますので、必ず医療機関を受診してください。
4. 帰国時や帰国後の体調不良
帰国時に下痢や発熱などの体調不良がある場合は空港や港に設置されている検疫所に相談し、体調不良が帰国後にも続く場合は医療機関を必ず受診してください。その際には症状や経過などをまとめ、検疫官や医師に伝えましょう。
また、感染症には、感染してから発症するまでの潜伏期間が数日から1週間以上と長いものもあり、しばらくしてから具合が悪くなる場合があります。帰国後しばらくしてから体調が悪くなり医療機関を受診する際にも、海外へ渡航していたことや海外での行動を伝えましょう。
まとめ
旅行前の安全情報の確認や健康チェック、保険などの備えは、旅行中のトラブル、病気やケガのリスクを減らします。仮にトラブルに巻き込まれたり体調を崩したりしたときも、対処するための知識を持っていれば安心です。しっかりと準備と対策を行い、旅先での時間をより充実したものにしてください。