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海外旅行オンライン予約・トラブル予防と対策

2018年08月16日 更新▲

インターネットの普及とともに、海外旅行の手配はネットで検索して予約するという方が多くなりました。今やスマホでも手軽に申し込みができる時代です。便利になった反面、旅行予約に関するトラブルも多く発生しています。昨年の「てるみくらぶ騒動」は記憶に新しいところでしょう。こういったトラブルに巻き込まれてしまうと、楽しみにしたいた気持ちもお金も大きく踏みにじまれる結果となってしまいます。

今回のTRAVEL-MODEでは、海外旅行予約サイトについてまとめてみます。予約サイトの安全な見極め方を一緒に見ていきましょう。

 

画像:iStock

 

★★★

 

1. どんなトラブルがあるのか?

ホテルが予約されていない

予約確認メールを受け取ったのに、ホテルの予約が取れていなかった。現地で別のホテルを探し回ったが、ハイシーズンで1泊10万円のホテルしか空いていなかった。元々予約していたはずのホテル代の請求はなかったが、自分で探したホテルの宿泊代金との差額を返金してほしいが、何度連絡しても旅行会社からの回答はない。


二重予約になってしまった

スマホから旅行サイトで航空券購入の手続きを行い、完了ボタンを押したところエラー表示が出て、予約完了メールも来ていなかったので、予約できていないと思い、航空会社のサイトで直接予約し、購入した。後日航空会社に問い合わせたら、予約は二重になっており、キャンセルはできないと言われた。

何度やっても確認画面で予約したい部屋と違うタイプの部屋が表示される

長年憧れだったホテルのコテージを予約したつもりだったが、予約完了メールには、同じホテルの格下の部屋。申し込みをしたサイトで、同じように手順をやってみたら、手続きの途中まではコテージだが、何度やっても確認画面では格下の部屋になり、表示も気づきにくい小さな表示になっていることがわかった。旅行サイトに問い合わせても、変更も返金もできないと取り合ってくれない。

半年後の航空券にキャンセル料がかかる

家族3人分の航空券を国内サイトで半年先の予約をした。「支払い期限が迫っている」という表示に慌ててクレジット決済をした。予定が変わったので、便を変更しようとしたがキャンセル手数料は50%かかるということがわかった。予約から1日しか経っておらず、半年も先のことなのに50%もキャンセル料がかかるのは納得がいかない。

 

ここにあるのはトラブルのほんの一例で、国民生活センターに相談された事例です。本当に納得がいかず、憤りを感じるものばかりです。
国民生活センターでは、問題点を以下のようにまとめています。

 

 

2. オンライン旅行手続きの問題点

 

画像:iStock/

 

⑴システムエラーなど、消費者が注意していても防げないトラブルがある。

消費者に落ち度はないが、現実には、消費者側でトラブルの原因がシステ ムエラーであったという証拠を示すことは難しい。

⑵事業者が倒産した場合、代金の払い戻しを受け取ることは難しい。

旅行業法では、旅行業者が倒産し債務不履行が発生した場合、消費者は保証金制度により一部弁済を受けられることになっているが、供託された保証金を個々の被害額に応じて契約者全員で案分する形 になるので、実際には支払った全額が手元に戻るケースはほとんどない。

⑶海外旅行サイトの場合、コミュニケーションを取るのが難しいケースがある。

予約画面は日本語表示になっていても、日本語の対応窓口がなく、あったとしても時差による営業時間のずれ、また対応たらい回しなどで、適切な対応が受けられない。

⑷海外旅行サイトの場合、日本の法律などを用いた交渉が難しいケースがある。

日本に営 業所等を持たない海外旅行サイトの場合、日本の旅行業法の適用がない。日本の消費者が日本の法律や旅行業法上の標準約款の考え方をもとに返金等を求めても 受け付けてもらえない場合がほとんど。

 

 

3.オンライン予約サイトの種類を知っておきましょう

 

インターネットでの旅行手配のサービスを提供することを「OTA(Online Travel Agents/オンライン旅行取引事業者)」と言います。以下OTA。このOTAには4つのタイプがあります。

⑴ 国内OTAが運営するサイト
旅行業法に基づき登録行政庁(観光庁または都道府県)に登録している事業者です。

⑵ 海外OTAが運営するサイト
海外に事業拠点を持ち、日本国内に事業拠点を持たない(またはほとんどない)
海外のサーバを用いて運営している事業者です。国内に拠点がないので、観光庁の登録を受けていません。

⑶ 場貸しサイト
宿泊事業者や交通機関、旅行業者等などに、旅行商品の紹介・申込などに関する情報提供の場としてホームページを提供するサイト。サイトの運営社は、旅行業社ではないことが多い。
申込や支払などは、消費者と宿泊事業者・交通機関、旅行業者等が直接行います。

⑷ メタサーチ
国内または海外OTAのサイトや場貸しサイトにある旅行商品の情報を一覧できるようにして、消費者に多数の旅行商品の内容や価格などを比較しやすく見せるサイト。
申込や支払などは、消費者と宿泊事業者や交通機関、旅行業者等が直接行います。

 

画像:iStock

 

3. どうやって防げばいい?

 

1.信頼できるサイトのチェックポイント

⑴事業者名や所在地などの基本情報の確認がわかりやすいか?

サイト名でなく、事業者基本情報を確認しましょう。
・事業者の名称
・事業者の所在地
・代表者の氏名
・旅行業登録の有無

※「場貸しサイト」や「メタサーチ」は、直接旅行取引を行わないため、旅行業登録は不要となる場合もあります。

⑵問い合わせ先窓口の有無等、対応先の記載があるか?

・問い合わせ連絡先の記載
・窓口の受付・対応の時間帯
・問い合わせ言語

⑶契約内容は確認しやすいか?

・契約当事者(場貸しサイト運営者やメタサーチは契約当事者にはなりません。)
・支払い代金は内訳まで確認できるか?(航空券・宿泊料金・諸税・手数料など)
・支払い方法(先払いなのか?現地払いなのか?)
・キャンセル条件
・利用規約、約款

2. 予防と対策、注意すること。

⑴ 必ず契約条件やキャンセル料など確認してから、申し込みを確定させる。

OTAで販売される旅行やツアー、航空券、ホテル予約は、プランや商品ごとにキャンセル料が異なります。予約内容の変更についても、できる・できない・変更手数料がかかるなど、様々です。
特に、キャンセルや内容変更は契約内容に縛られるため、申し込み直後に、高額なキャンセル料がかかることや入力ミスに気づいたとしても、必ずしも無条件でキャンセルや変更ができるわけではありません。「たった今ですよ!」が通用しないので、確定ボタンを押す前に、必ず確認しましょう。
サイトによっては、表示がわかりづらいこともあるので、注意が必要です。

⑵ 航空券・ホテルは名前が間違っていても取り消せないことがある。

航空券は、名前が間違っていて搭乗できなかったとしても、一旦登録してしまうと内容を変更できず、払い戻しも受けられないケースが多くあります。
名前のスペリングやメールアドレスなど、正確に入力されているか念入りに確認することが必要です。パスポート記載名と航空券の予約者名が違うと搭乗できません。ローマ字表記での姓・名が逆になっていてもNGです。

⑶ 予約確認メールは、旅行終了まで保管する。

申し込み後にまず、予約確認メールが到着しているかを確認します。予約確認メールはキャンセルや変更の条件も記載された契約に関する大切な文書です。トラブルになった際に、旅行業者と認識の食い違うこともあるので、印刷して、旅行にも携行しましょう。申し込み入力内容が確認できる画面も印刷できるようでしたら、しておいた方が無難。「印刷」ボタンがない場合はスクリーンショットで撮って、印刷もできます。

⑷ トラブルになったら消費生活センターに相談する。

万が一トラブルになってしまったら、最寄りの消費生活センターへ相談。
相手が海外事業者の場合は、は国民生活センター越境消費者センター(CCJ)
でも相談を受け付けています。

⬛️消費生活センターホットライン:局番なし188(イヤヤ)

また、一般社団法人日本旅行業協会(JATA)でも、旅行会社と交渉するうえで必要なことをアドバイスを行なったり、旅行会社と交渉しても話し合いが進まない場合に、旅行会社とお客様の間に入り、双方の話し合いを促進するなどの苦情解決業務を行なっています。

⬛️一般社団法人日本旅行業協会(JATA)

※E-mailでの相談は行なっていません。
詳しくはこちら→https://www.jata-net.or.jp/travel/info/qa/sodan_gyomu.html

 

 

※参考・出典
政府広報オンライン・ここを確認!旅行予約サイト選びのチェックポイント
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201511/1.html

国民生活センター・インターネットで予約した旅行に関するトラブルにご注意 
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20160901_1.pdf

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