特集:エジプト
2014年02月13日 更新▲
Man is Small / tinou bao
フィレンツェの生返事で
大金を失うことになった僕は
いつものことながら
ピラミッドの国で傷心旅行だ。
安易な頷きは命取りだと
改めて魂に刻みながら
硬い駱駝の背に揺られる。
また積み重ねればいい。
目前の偉大な四角錐は
再出発を誓う眺めなのだ。
Cairo, Egypt / Bakar_88 EGYPT / Michael Gwyther-Jones
Cairo Egypt October 2009 / David Berkowitz
The Mosque of Muhammad Ali Pasha or Alabaster Mosque – Cairo, Egypt / David Berkowitz
古代文明が香り、神秘の魅力が漂う地、エジプト。
しかし、2011年の大規模反政府デモの影響により、かつてこの地を訪れた12万人もの邦人渡航者は、今や4分の1以下に減少。日本との関係が良好な国ゆえに、閣僚等要人レベルの往来は頻繁なものの、やはり政情の不安は観光目的の旅の意欲には、かなり大きく影響する。
暫定政府が発足し、新たなステージに入りつつも、依然デモ等の混乱は続く。外務省からも渡航の是非を検討する勧告がなされている。シナイ半島やリビアの国境付近に至っては、より重い渡航延期勧告が発出される現状である。
そんな中で、民主化に向けて、憲法改正などの第一歩を踏み出そうとしているエジプト。旅人である限り、月夜に輝くピラミッドを静かに眺めるという夢は、どうしても捨てる気になれない。