特集:フィンランド共和国
2013年09月09日 更新▲ Republic of Finland
Rovaniemi / Tarja Ryhannen Mitrovic
ボスからのミッションで訪れたのは
湖畔の赤いコテージだった。
部屋の書き置きを見る限り
好きなように使えるらしい。
唯一のルールは「計算をしないこと」
計算ってなんだ?と僕は考える。
部屋には時計もコンピュータも
時の流れを知る術が何も無い。
僕は昇って沈む太陽と
空っぽを知らせる腹を頼りに
しばらくここで暮らすことにした。
Rovaniemi / Tarja Ryhannen Mitrovi Pullas (Finnish pastry) / Photo Bean
Rovaniemi / Tarja Ryhannen Mitrovic Rovaniemi – Santa Claus Village / Tarja Ryhannen Mitrovic
「森と湖の国」といわれるフィンランド。
日本と変わらない国土面積でありながらも、この国の人口は約543万人。平均すると、1平方キロメートルの中に16人ほどしか住んでいない国、ということになる。ここでは人混みに紛れることよりも、湖畔で珍しい植物を発見し、森で野生動物と遭遇することの方がずっと、あたりまえの日常なのかもしれない。
そんなフィンランドに足を踏み入れると、景色の見え方が独特だということに気が付く。まるで薄い絹を通して向こう側を見ているように、あらゆるものが柔らかな光に包まれている。そしてこれは、フィンランドが生み出すデザインとも決して無関係ではない。この国で、雨に濡れた道路や古い壁の汚れがテキスタイルのモチーフとなり得るのは、それが美しいものとして、この国の人々の目に映るからである。
フィンランド・デザインといえば、テキスタイルブランドの「マリメッコ」をはじめ、1881年創業のガラスメーカー「イッタラ」、陶磁器メーカーの「アラビア」などが有名どころだ。先日、携帯電話事業の売却を発表した「ノキア」も、そのハイセンスなデザインで一時代を築いた。
もちろん、魅力はデザインだけではない。フィンランドには、ムーミン谷の仲間たちやサンタクロースが住んでいる。また、ロシアの圧政下で作曲されたシベリウスの交響詩「フィンランディア」は、力強く愛国心を奏でる。読書量とコーヒー消費量が世界一である理由は、彼らが時間を愉しむ国民だからに他ならない。
そろそろオーロラを見上げる日を、計画するときではないだろうか。
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