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編集部だより 2024.7月号【見たことのない景色を見た後、見たことのない自分自身と出会える】

2024年06月25日 更新▲

みなさまこんにちは。

今回、取り上げたトピック「神秘的、壮大、息を呑む絶景を見に行く。」いかがでしたでしょうか。何ヶ所か行ったことがあるという方もいらっしゃるでしょう。
筆者個人的には、もう、うん10年も前になりますが、グランドキャニオンとフィヨルドは訪れたことがあります。

グランドキャニオンでは、体調がよろしくなかったため、オレンジ色の地層がどこまでも続いていたということくらいしか記憶にないのが残念です。フィヨルドの方は、渡航前、リアス式海岸の大きいバージョンみたいなイメージを勝手に持ち、恥ずかしいほど浅薄で、想像していたものとは全く違うものでした。私が訪れたフィヨルドは、世界最長のソグネフィヨルドと世界最狭のネーロイフィヨルドだったのですが、ベルゲンを拠点としたフィヨルド観光の旅程そのものが、フィヨルドの壮大さを物語っていました。

フィヨルド沿いの家々や、空の雲を鏡のように映す澄んだ水面は、今こそ穏やかですが、水際からいきなり聳え立つ断崖絶壁を見ると、かつては氷河であり、いかに鋭く削られたのかがわかります。河に見えるけれど、海水が入り込んだ入江なのです。その湾の長さが、ソグネフィヨルドは204km、水深1,308mという規模なのですから、想像も絶するほどです。この果てしない時間と環境が創り出した自然の姿を目の当たりにした時、我が存在などちっぽけ過ぎて、頭を悩まし、心を覆っていた問題など、一気に吹き飛んでいったのです。

 

驚異的な自然の姿に、呑まれるように畏敬の念を抱く素晴らしい経験となったのです。自然のパワーに私たちは抗うことはできないけれど、大きな恩恵もあり、人と自然は分離しているのではなく、ほんの一部であるということも。肌で感じることができたら、きっと自分だけの思考を手放すことができるのではないでしょうか。

もし、今、悩んでいることがあったり、手詰まりな状況にあるなら、自然に触れてみると、きっと優しく包み込み、悩みも問題も吸いとってくれる感覚を味わうはずです。いつかどこかで、人間業では絶対に及ばない自然の凄さにぜひ呑まれてみて下さい。見たことのない景色を見た後、見たことのない自分自身と出会えるかもしれませんよ。いつかの旅のヒントになりましたら幸いです。

それではまた来月〜。

 

(編集部anan)

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