2022.1月号の編集部だより【ほどよく。足るを知って】
2021年12月24日 更新▲
みなさまこんにちは。
1日経つのも1ヶ月経つのも早ければ、1年経つのはあっという間ですね。東京オリンピックが開催されたのもずっと前のような気もいたします。
2021年はどんな年でしたか?
オミクロン株への懸念もあり、海外旅行にはまだまだ行けそうにもありませんが、2022年は新しいフェーズに入って欲しいものです。
さて、今月号でお伝えした「サスティナブルツーリズム」、いかがでしたか?
去年あたりからでしょうか、急に「SDGs」が注目されているようですが、国連サミットで採択されたのは2015年のことなんですよね。
記事の中でお伝えしたフィンランドの誓約書の中にある自然享受権。これはフィンランドのみならず、北欧諸国に古くからある慣習法で、土地の所有者に損害を与えない限りにおいて、すべての人に対して他人の土地への立ち入りや自然環境の享受を認める権利のことを言います。私が自然享受権について知ったのは、2003年頃。仕事でよく北欧へ行っていて、当時スウェーデンで知り合った方に教えてもらいました。
「そこがたとえ王様の森であっても、きのこやベリーを採ってもいいの。森の恵をいただき、幸せを感じることは、誰にでも許されていることなのよ。『赤いりんごはもいでもいいけど、青いりんごは次に来る誰かのために残しておきましょう。来年もまたたわわに実るように採り尽くしてはいけないよ。』日本人の子供が、電車やバスの乗り方を教えられるようにスウェーデンでは、森とのつきあい方を小さい時から学ぶのよ。」そう教えてもらいました。
なんて素敵で豊かな考え方なんだろうと感動したのを今でも覚えています。その時は、同時に北欧と日本を比べ、思えば日本は至るところに、いちいち注意書きや警告などがあるなと思いました。それがないと秩序は保たれないのか?と疑問が湧いてきたり、マナー教育というか民度の違いなのか? 北欧の人たちの成熟した精神性は、こんなところからきているのか?と感じて、羨ましくも思ったものです。カルチャーショックのひとつでしょうね。決してひとつの価値観では比較できないですし、どの部分に意識が高いかという違いであって、日本には日本の、日本人には日本人の良いところがあるのですが。当時の私は、隣の青い芝生ばかり見ていたのでしょう。
世界一礼儀正しく、個よりも和を重視するのが私たち日本人です。「サスティナブルツーリズム」においては、「SDGs」が注目される前からすでに実践している人も沢山いると思います。そして、「へぇー」と思った方々にも、これからすんなり受け入れられていくのではないでしょうか。何事も傾き過ぎるのではなく、ほどよく、足るを知って、生きている実感や精神的な豊かさを得られることをテーマに、海外旅行の計画を立てる人が多くなる。そんな時代がすぐそこまできていると、記事を書きながら感じました。
それではみなさま。
2021年、TRAVEL-MODEをご愛読いただきまして、ありがとうございました。
2022年もどうぞよろしくお願いいたします。
編集部anan