2023.10月号の編集部だより【旅先で人様の善意に救われたお話】
2023年09月24日 更新▲みなさまこんにちは。
先日、国内日帰りショートトリップではございますが、熊本に行って来ました。
2016年の熊本地震で被災した熊本城の復興が進んでいて、天守閣・本丸は復活。日本三大名城と言われる美しい姿が蘇っていました。
写真は、初代城主・加藤清正を祀る加藤神社からの眺めです。場内の見学で、難攻不落の秘密を知ることが出来、楽しかったです。
夜は、とある所で予定があったのですが、終わって建物から飛び出したところ、迷子になってしまいました。もしかしたら予約していた新幹線に間に合わないかもしれない大ピンチです。
建物から出たら暗くなっていて、来た時と景色が違い、目印などがわからなくなってしまったのも迷子になった原因かなと思います。とにかく、大通りに出ればなんとかなる!と思い、明るい方を目指しました。
大通りには出たのですが、熊本駅は右か左か、どっち向きのタクシーに乗ればいいの?しかも流しのタクシーが見当たらず、焦ります。
やば。
やばやば。
一番近くを歩いていた男の子に声をかけました。
「熊本駅はどっちですか?」
「ええっとぉ・・・」スマホで確認して、「た、多分こっち…」
ありがとお、でもなんだか頼りない。
1分、2分、時間は過ぎ、
ヒャ〜これ、乗り損なう???
再び、近くで信号待ちしていた乙女2人に声をかけました。
「熊本駅は、どっち向きのタクシーに乗ればいいですか?」
「こっちだけど、かなり遠いですよ。」
「ここがどこかさっぱりわかんないんですけど、新幹線の時間が迫ってて、間に合わないかも。」
焦るあまり、早口になってたと思います。
すると、
「駅まで送って行きましょうか?」
え?
え??
え???
「本当に?いいの???」
「いいですよ!向かいの駐車場に停めてるので。」
海外で困ってる時に、親切な人っているんだなって思うことはありましたが、国内で、こんな親切にしていただくのは初めてです。
感動。
有難く、この善意に甘えることにいたしまして、無事に新幹線に間に合い、帰宅することができました。
熊本駅に向かう車の中で、お礼がしたいから何かで繋がりたいと言いまして、SNSを交換しました。
「あなた方には、絶対にいいことがあるから!!」と何度も言って、お別れしました。
本当にありがとうございました。
感動と興奮で、新幹線の中で何してたか記憶がないです。このお二人とはSNSで繋がったから、きっとまた会えて、お礼の機会があるでしょう。助けていただいて、素敵なご縁ができたと思っています。
今回、親切にしていただく側になり、ちょっと思ったことがあります。
ちょっとした人助けをした時、相手の方に「せめてお名前だけでも」って言われて、「いえいえ、名乗るほどの者でも…」と言ったり、交番に届け物をした時に、お礼を辞退したりしませんか?
私もそうしていました。それが日本人の美徳と教わってきたからです。でももしかしたら、それは古い価値観かもしれません。もちろん謙虚でいることは大切なのことです。
逆の立場になった時、お礼をしたいと思う気持ちは自然なことです。恩は送ればいいとも思うのですが、どこのどなたか知りたいです。個人情報にナーバスな時代になりましたが、聞けるものなら伺って、ここはちゃんとギフトの交換がしたいと思いました。今まで、その方のお礼をしたい気持ちや、機会を無くしてしまっていたかもしれないと思いました。
そして、名乗るほどでもと謙るより、お礼は受け取って、自分がした善意に対して誇れるように、自分を肯定的に満たせるようにした方が、もっと世の中は愛で溢れるのではないかと思ったのです。
もし、こんなことがあったら、素直に名乗るのもいいものですって、爽やかな乙女お二人は、軽やかにそんなことまで、気づかせてくれたのかもしれませんね。
それではまた来月〜。
(編集部anan)