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2018.7月号の編集部だより【旅の心得本として】

2018年06月24日 更新▲

みなさま、こんにちは。
まもなく7月。梅雨が明けると夏到来!夏休みの海外旅行シーズンになりますね。もう旅行計画はバッチリでしょうか? 今月号は、夏休み前にご一読いただきたい記事を3本お送りしました。我がTRAVEL-MODE編集長の最新「中国・北京情報」、「食中毒や感染症の予備知識」、国内のレジャーでは「水難予防」をお届けいたしました。みなさまのお役に立てれば幸いです。

そして、旅の心得として、ちょっと面白い本を見つけましたので、ご紹介したいと思います。

現代訳 旅行用心集

現代訳 旅行用心集
八隅 蘆菴 (著)
桜井 正信 (翻訳)
出版社:八坂書房

  • ISBN-10: 4896949439
  • ISBN-13: 978-4896949438

この本なんと、文化7年(1810年)に刊行された旅行ガイドブックなのです。東海道、中山道のマップから、諸国の温泉292ヶ所の効能書きまでまとめてあり、旅の途中気をつけるべき注意書きまで、内容充実。目次を見ると・・・

「水が変わることへの用心」
「寒い国を旅するとき」
「船に酔ったときのよい方法」
「毒虫を避ける方法」
「くたびれたのを治す秘伝」
「旅の所持品について」
「空模様の見方」
「道中での日記の書き方」

どうです? 目次だけでも面白い。江戸時代に書かれたものですが、現代の私たちが、海外を旅する時の心得として役立ちそうな内容でないですか!

昔は、日本国内の旅行が遠い異国への旅同様に冒険でもあったことが伺えますが、この当時から「水」は旅の用心の一番に取り上げられています。それくらい、「水」は私たちにとって、必要不可欠であり、体への影響があることがわかりますね。「水」には恵まれていると言われる日本ですが、当時は水道インフラはまだ整っていなかったわけで、どのように用心していたかは、現代に於いても海外での水あたり防止に役立つのではないでしょうか。

 

江戸時代は、関所を通過する時、許可を得た旅であることを証明する「通行手形」が必要だったのですよね。今で言うパスポートですが、一般庶民の自由な旅行は制限されていて、唯一お伊勢参りや有名寺社の参詣旅のみ、特別に許されていたのだとか。表紙の図のように馬もあったでしょうけど、庶民はほとんど徒歩。便利なものはないけれど、当時の人は今の便利さを知らないわけで・・・書かれているのは、当時の最新旅の快適術です。現代の私たちにとって便利なものも、逆に無用の長物ということがわかるかもしれません。
江戸時代の大らかな風俗と価値観を知るともに、当時の人たちがどのように旅を快適に楽しんでいたかを知る1冊。海外旅行の前に、江戸時代の旅行心得と知恵を拝借されてはいかがでしょうか。

それではみなさま、また来月〜

(編集部・anan)

 

 

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