ベルリンで本物のアイスコーヒーを飲む!@ドイツ
2015年07月21日 更新▲今回は、ベルリン在住のライター久保田由希さんとガイドの松永明子さんからのレポートをご紹介します!
いや〜、ベルリンはいちばんいい季節になってきましたよ。
暑すぎず、寒すぎず、空気はカラッと、空は青い。
こんなときは、カフェのテラスで「アイスコーヒー」じゃないですか?!
でも要注意。ドイツに詳しい方はご存じでしょうが、ドイツで「アイスコーヒー」というと、普通はEiskaffee(アイスカフェー)だと思われてしまうんですね。これはコーヒーの上に、バニラアイスが乗った、日本語で言う「コーヒーフロート」。
じゃあ、いわゆる日本の「アイスコーヒー」は? というと、じつは数年前までありませんでした。
ドイツでは(たぶんほかのヨーロッパの国々も)、コーヒーを冷たくして飲むという感覚がなかったんです(ちなみにアイスの乗ったEiskaffeeは、ドイツ人にとってはデザートに近い感覚みたいです)。
ところが、この数年でベルリンにも「アイスコーヒー」が上陸したんです! まだまだ馴染みが薄いのですが、豆のクオリティにこだわったカフェを中心に、徐々に知られるようになってきました。
そこで今回は、おいしいアイスコーヒーを飲めるお店を厳選してご紹介します。お値段は、だいたい3ユーロ前後です。
各店の営業時間や定休日は、HPを見てみてください。
*Coffee Star コーヒースター
日本のアイスコーヒーに近い、コクのある深い味わいが特徴です。さらりとした甘さのお手製ガムシロを加えると、ちょうどいい感じ。アイスコーヒーは、Dutch coffeeという名前で売られています。
WeddingのMüllerstr. 146にも支店がありますが、アイスコーヒーを扱っているのはWörther Str. 23のほうだけなので、ご注意を。なお、カウンター席中心の小さなお店なので、店内に客用トイレはありません。
ここは店内で豆を自家焙煎しています。流行のサードウェーブ系とは一線を画す、中深煎り。日本人好みの味だと思います。豆の販売もしていて、高品質のシングルオリジン豆を扱っているのに、お値段が超良心的で驚きます。
Wörther Str. 23, 10405 Berlin
http://coffeestar.net/
*Enishi えにし
「えにし」は、日本のアンティーク家具&雑貨ショップ。でも店内の一角に、小さなカフェコーナーもあるんです。スペースは小さくても、味は本格的。質のいい豆をハリオの器具で1滴1滴ゆ〜っくりと水出ししたアイスコーヒーは、そりゃおいしいに決まってます。しかも氷は、アイスコーヒーを凍らせたもの。溶けても味が薄まらなくて、いいんです。
ベルリンでアイスコーヒーを頼むと、ガムシロやミルクなしのことが多いのですが、ここはどちらも付いてきます。やっぱりこれが日本の感覚ですよね。
オーナーのマキさんに、「アイスコーヒー」と日本語で注文してください。
Pappelallee 86, 10437 Berlin
http://www.enishi-japanese-antique.com/
*Chapter One チャプターワン
ハンドドリップ、エアロプレス、サイフォンと、抽出にこだわる小さなコーヒーのお店。温かいラテやカプチーノもおすすめですが、夏はぜひアイスコーヒーを。Cold dripという名前で売っています。味はさっぱり、あっさりめ。ストレートで飲みましょう。
私はここのインテリアが大好きです。シンプルでカッコいい、ベルリンらしい雰囲気です。HP上の映像もカッコいいですよ。
店内に客用トイレはありません。
Mittenwalder Str. 30, 10961 Berlin
http://www.chapter-one-coffee.com/
*The Barn Roastery ザ・バーン・ロースタリー
Mitte地区に小さな本店もありますが、こちらは店の奥に焙煎所を備えたコーヒーショップ。ここもハンドドリップ、エアロプレスと、抽出にこだわっています。アイスコーヒーは、cold brewといえばOKです。
店内で焙煎した豆は、サードウェーブ系らしく、かなりライトロースト。さっぱりしていて、酸味があります。浅煎りのコーヒーは、お茶を飲むような感覚でいただけます。浅煎りに慣れなかった頃は酸っぱすぎるように思っていましたが、慣れてくるとフルーティーな味も感じられ、これはこれでいいと思います。
店内では、ラップトップは使用禁止。ベビーカーも入れません。ベビーカーが入店禁止なのは、店内で高温で豆を焙煎しているため、安全上の理由からとのことだそうですが、オープン当時は物議を醸しました。
自家焙煎の豆も、もちろん買えます。浅煎りが好きな方におすすめ。
Schönhauser Allee 8, 10119 Berlin
http://barn.bigcartel.com/the-roastery
ここまで読んでいただくとおわかりかもしれませんが、アイスコーヒーの名前はcold dripだったり、cold brewだったりと、店によってまちまちです。Iced coffeeと表示している店もあります。ドイツ語では、決まった単語がないんですね。
それだけアイスコーヒーという飲み物が、まだ一般的でないことを表していると思います。アイスコーヒーがあるカフェは少数派ですし、その存在自体を知らない人も多いです。
それでもベルリンはインターナショナルな都市なので、まだ浸透しているほうですが、ドイツの中小都市なら、Eiskaffeeしかないかもしれません。
夏は、砂糖がたっぷり入った清涼飲料水よりも、アイスコーヒーのほうが太らなくていいんじゃないでしょうか。
個人的に、次はノンシュガーのアイスティーがメジャーになってほしいです。
(text and photo_Yuki Kubota)