世界一すてきな公衆トイレとは?
2012年10月22日 更新▲ブライアント・パーク
New York City | NYC | June 2010 / nan palmero
古い!汚い!紙がない!!
残念ながら、悪いイメージしか浮かばないのが、世の公衆トイレです。特に海外では習慣の違いもあって、お世辞にもキレイとは言えないえないところが大半です。そのため、ホテルやデパート以外では使用するのを躊躇してしまう・・・という方も多いのではないでしょうか。しかしNYには「世界のベスト公衆トイレ」で1位に輝いたことのある公園トイレが存在します。
その公園は、NY市立図書館の裏手にある「ブライアントパーク」です。無料Wi-Fiが使えるのでビジネスの合間に立ち寄る人や、芝生に寝転んで寛ぐ人達でいつも賑わいます。レストランやカフェも充実していて、ときにはピアノの野外演奏や有名作家の朗読会を楽しむことも可能。夏には映画祭、冬にはスケートリンクが設置されるなど年中イベントが盛りだくさんで、多くの市民に愛される公園なのです。
人で賑わうということは、当然トイレも汚れます。しかし担当スタッフにより頻繁に清掃されているので、とても清潔です。まるでホテルのロビーのように豪華な生花が飾られ、NYでも珍しいという「自動で便座シートが出てくるシステム」が完備されています。BGMは優雅なクラシック。NYの街には公衆トイレ自体が少ないので、かなり稀少なトイレということになります。
実はこの公園、最初から美しいわけではありません。NYの治安が悪かった1970年代には昼間から麻薬取引が行われるなど、とても市民が近寄れる場所ではなかったとか。そこで立ち上がったのが、公園周辺のビルオーナー達です。
彼らが設立したNPO法人によって公園は見通しよく改装され、トイレなどの施設も整備されていきました。その効果もあって、周辺の治安は格段によくなったといわれています。今年は公園のリニューアルオープンから20周年ということで、園内にはその歴史を語るパネルが展示されています。
ところで、トイレにはちょっとうるさい日本人。この「世界一」にどれくらい納得できるでしょうか?NYを旅したら、ぜひともお試しあれ!