予約した海外旅行、どうなるんだろう?【キャンセル料・入国制限・アジア人への偏見など】
2020年02月25日 更新▲中国・湖北省武漢を発生源とする新型コロナウイルスの感染が広まり、国際的な懸念事項となっています。日本国内における感染拡大を受け、日本への渡航制限・注意喚起を出す国や地域が増えつつあります。同時に日本国籍者の入国そのものに制限がかけられている国も出てきました。世界中が新型コロナウイルスの感染を恐れ、錯綜する情報に過敏に反応してしまう状況が続いています。
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画像:iStock
海外旅行を予定している方にとっては「なんでこのタイミングで!?」と思ってしまう事態です。予定だけなら延期も可能ですが、すでに予約している方々は、行くべきかキャンセルするべきか? 悩ましい選択を強いられていることでしょう。
この状況での海外旅行を懸念する声としては、
「払い戻しが出来ないチケットを買った」
「自分も感染するかもしれない」
「入国させてもらえず、強制送還になってしまうかも」
「行った先で感染拡大し、ホテルから出られなくなるかも」
「欧米ではアジア人が差別されているようだけど、日本人も!?」
といった感じではないでしょうか。
◆キャンセルについて
航空会社及び旅行代理店各社は、外務省海外安全情報に従って新型コロナウイルス関連の特別対応を行なっていますが、対象地域、路線以外の旅行キャンセルは、自主キャンセルとなり通常のキャンセル料が発生します。
状況は刻々と変わり、今後、運休・減便路線が増えたり、ツアーが中止になることもあるかもしれません。ツアーが中止になった場合は、キャンセル料はかかりません。特に感染が拡大している国や地域への旅行を予定している方は、日々更新される情報に注目しましょう。
【パッケージツアーのキャンセル料】
31日前まで:無料
出発の30日前~3日前まで:20%
出発の2日前~旅行開始まで:50%
当日の無連絡不参加:100%
【特別対応について】
各航空会社も運休、減便している路線もあります。対象路線の航空券、また対象路線利用のツアーは払い戻しを行なっています。予約した日、出発何日前の取り消しかなどで条件があるなど、各社対応が異なりますので、手配している航空会社や旅行会社のHPなどで確認しましょう。
JAL
新型コロナウイルス関連肺炎の発生に関する対応について(2020年2月17日更新)
ANA
新型コロナウィルスによる肺炎の発生に伴う国際航空券の特別対応について
中国東方航空/上海航空
航空券(781券)の払い戻しと変更の特別対応について
中国南方航空
新型肺炎に起因する航空券の特別取扱いに関する規定 最新版2020.2.11
中国国際航空
2020-02-17 フライトキャンセルに伴う航空券特別取扱のお知らせ
春秋航空
https://jp.ch.com/Help/News
JTB
新型コロナウィルス感染症発生に伴う弊社海外旅行の取り扱いについて
HIS
新型コロナウイルスに伴う弊社対応について(最終更新日: 2020年2月20日)
Surpr!ce(サプライス!)
新型コロナウイルスに伴う弊社対応について(最終更新日: 2020年2月20日)
◆渡航・入国制限について
新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の拡大を受け、渡航歴や国籍により入国を制限している国が現在多数あります。すでに国によっては経由地によっても入国を制限しているところもあり、日本人も対象に含まれています。日本国内での感染拡大を受け、今後日本人を対象とした入国制限の措置をとる国や地域が増えることも懸念されており、渡航を予定している方は、各国より発表される情報を確認する必要があります。Trip.comで2020.2.24 現在の状況をまとめてありましたので、リンクを貼っておきます。
Trip.comグループ、新型コロナウイルス感染症拡大による渡航制限のある国と地域に関する情報提供
※インドネシアが複数の日本人の入国を拒否していたことがニュースになっていました。
【ジャカルタ共同】
新型コロナウイルスに感染した疑いがあるとして、インドネシアが複数の日本人の入国を拒否していたことが21日、インドネシア保健省への取材で分かった。保健省によると数日前、空港で発熱が認められた日本人が「コロナウイルスの感染者と接触した」と話したため、入国を拒否した。保健省は、日本人の人数や性別、空港の所在地などを明らかにしていない。
インドネシア国内ではこれまで感染者は確認されていない。保健省によると、21日までに中国人を中心に感染の疑いがある計118人の入国を拒否したという。
(2020年2月24日 西日本新聞)
感染症危険情報 韓国・大邱広域市及び慶尚北道清道郡に対する感染症危険情報の発出
感染症危険情報中国における新型コロナウイルスの発生(一部地域の感染症危険レベルの引き上げ)
◆アジア人への偏見について
ニューヨークではマスクをしたアジア人女性が暴行を受ける事件がありました。(Newsweek)パリではタクシーの乗車拒否や日本人が出店する店舗に落書きをされたり、正体がわからないウイルスへの恐怖からアジア人への偏見が広まっているニュースが相次いでいます。
欧米ではマスクをする習慣はなく、マスクを着けていると重病人と見なされ、異様な目で見られます。今に始まった事ではありませんが、新型コロナウイルスの感染の恐れがある今は、彼らにとって恐怖の対象でしかありません。欧米の人たちから見ると、中国人も韓国人も日本人も区別がつきにくいということもあります。「郷に入れば郷に従え」欧米に旅行される方は、街中ではマスクはしない方が懸命です。尚、感染や乾燥予防でTRAVEL-MODEでも何度も紹介してきた飛行機内でのマスク。航空会社によっては、こんな状況ですからCAさんもマスクを着けて業務をしている会社もあります。マスクをしていない外資系の航空会社でも、CAさんたちは日本人がマスクしている機内の風景は見慣れているということです。
世界2442都市の現地在住日本人が登録していて、相談や依頼に応じてくれるロコタビというサイトがあります。渡航先は今どんな状況にあるのか?実際差別はあるのか?などなど、質問に回答もしてもらえる無料のコーナーもあるので、現地の情報が知りたい方は、ぜひ活用してみてください。
ロコタビ
https://locotabi.jp/
◆新型コロナウイルスだけではない
アメリカでは、1月半ばになって急にインフルエンザが猛威を振るっています。2月8日時点では、感染者数は2600万人となり、25万人が入院し、死亡者数は1万4000人に上るということです。
アメリカへ渡航される方は、インフルエンザワクチンを接種してから行くこともご検討ください。
スポット情報 米国におけるインフルエンザの流行
スポット情報ナイジェリアにおけるラッサ熱の流行(その2)
感染症危険情報コンゴ民主共和国におけるエボラ出血熱の発生(更新)
外務省 海外安全ホームページはこちら
1日も早く新型コロナウイルス感染が終息してほしいものですが、残念ながらまだその目処は立っていません。公衆衛生では世界トップクラスの日本でも感染が広がりつつあり、症状の出方も様々です。衛生状況や清潔に関する観念が違う異国をこの時期旅するのは、不安もつきまとい楽しめないものになるかもしれません。自分だけの問題ですまない場合もありますので、渡航制限が出ていなくても、感染者が発生している国や地域に旅行予定のある方は、情報収集をこまめに行い、ご家族とも相談して十分な検討を行なってください。
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