2019.11月号の編集部だより
2019年10月25日 更新▲みなさま、こんにちは。
暑かった夏を忘れるほど、すっかり涼しく季節はめぐり、秋めいてきました。そろそろ年末年始のご旅行をお考えの頃でしょうか?
さて、天皇陛下「即位礼正殿の儀」では、世界中からVIPがお祝いに来日されました。実にその数191。その内、通常でしたらおひとりおひとりが国賓クラスとなる国王、国家元首の数は70名を超えております。G20の3倍以上ですから驚きです。
出典:Spur
歴史と伝統に包まれた荘厳な儀式で、世界に日本の文化が伝わることは誠に誇らしいことです。そして参列の賓客の方々の装束もプロトコルに則った礼装で、儀式に華やかさを添えました。女性も男性も、服装もさることながら立ち振る舞いもエレガントでした。191の国や地域の方々のお衣装を全部は追えませんが、ハレの服装を通して一度にそれぞれのお国柄を垣間見る機会はそうそうあるものではありません。儀式に参列する礼装は、自国の威厳を示し、相手へのリスペクトを示すものです。そこにも儀式の重みを感じます。
今回私が興味を惹かれたのは、民族衣装での第一礼装です。これまで目にしたことのない衣装が目に止まる度に、どちらの国だろう? その衣装の文化や歴史的背景は? と気になり始めるのです。そうすると知りたい調べたいの蟲が騒ぎ出します。世界の人たちもおそらく皇族の方々の束帯、十二単姿に注目し、興味を惹かれたことでしょう。
伝統的な服装は、その土地の風習、環境、宗教などが絡み合い、長い年月を経て受け継がれています。動作や身を守ることなど機能から形が造られ、そこに願いや祈り、または誓いという意味合いを含む装飾が加わったことでしょう。所、カタチ変われど、その本質的な部分には根底に共通点があり、精神的共感ができるように思います。
この良い意味でのカルチャーショックと興味への探求が叶えられることこそ、海外旅行の醍醐味なのではないでしょうか。何気ない日常の中にも、その国らしさを見つけ、その背景を探るなど、まさにディスカバリーの連続です。世界の国々へ訪れる際、テーマがあると旅はもっと有意義なものとなるのではないでしょうか。
引き続き、2020年の東京オリンピック、2025年の大阪・関西での万博で、色々な民族衣装が見られることが楽しみです。
それではまた来月〜
(編集部anan)