珊瑚と共存するアート。「カンクン海底美術館」
2012年07月12日 更新▲
cancun-underwater-museum-museo-submarino(1) / Coventur DMC
何でしょう?この写真。水中で輪になり、フォークダンスをする人々…ではありません。これは海の中に展示された像、彫刻家による芸術作品です。
ここはメキシコが誇る常夏のリゾート、カンクンにある海底美術館。カンクン国立海洋公園が、珊瑚礁を守るプロジェクトの一環として始めた美術館なのです。手がけたのは水中アートの第一人者、ジェイソン・デカイレス・テイラー氏。グレナダやイギリスの海底でも展覧会を開いたことのある彼に依頼し、人工魚礁を美しいオブジェで作ってしまおうという発想!さすがは奇抜なアートが大好きな国、メキシコです。
海底美術館には、人間の日常を表現した作品が400点ほど展示されていますが、像は海洋生物が成育しやすい素材で作られているので、今では顔面から珊瑚が生えてきたユニークなものもみられます。作品たちは自然の営みの中で、留まることなく更なるアートへと変化し続けているのです。いつかは原形が分からなくなるほどに生物で覆われ、海の一部と化す日が来るのでしょう。しかし、この「融和」こそがプロジェクトの真髄です。
現地ツアー会社に問い合わせたところ、ダイビングの経験がなくても普通に泳ぐことができれば「体験ダイビング」で海底美術館を見学できるそうです。(体験ダイビングは80歳代の方も楽しまれています!)
変わらないものではなく、変わりゆくさまを見届ける、ちょっと異色の芸術鑑賞。カンクンを訪れたら、思い切ってチャレンジしてみませんか?