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Category: ヨーロッパ


サンタクララ修道院と秘密の扉

2014年05月19日 更新▲

今回は、マドリッド在住のmiyukifoodさんの、レポートより、スペイン・トルデシリャス(Tordesillas)をご紹介します!

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ペンションで、ゆっくりしたい旅だったけど、子連れに厳しい宿だったということで、朝から観光に出られたmiyukifoodさん。そこで訪問されたのが、トルデシリャスという街です。

ちょっと耳慣れない地名ですが、西暦1300年から1400年頃を舞台にした漫画『アルカサルー王城』の舞台になっているとのこと。最近、ご友人にその漫画を借りてハマってしまったというmiyukifoodさん。寝る間も惜しんで読んだというだけあって、この地をかなり興奮して楽しまれたようです。

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そんなトルデシリャスは、観光業を中心にした街です。このサンタクララ修道院は、ファナ(カスティーリャ女王)が幽閉された場所として知られ、ツアーでの見学が可能です。この修道院の片隅にあるのが、秘密の扉です。なんともミステリアスなネーミングですが、ここからなんと「お菓子」が買えるんだそうですよ。

秘密という響きからでしょうか。「なんだか悪いことをしているみたい」と思ってしまったというmiyukifoodさん。ちょっと分かるような気がしますね。ご訪問の際には、少し勇気を出して、お菓子を買ってみませんか?

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特集:ウィーン

2014年03月12日 更新▲

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Peterskirche - Vienna, Austria
Peterskirche – Vienna, Austria / Ethan Prater

オルガンコンサートを待つ僕の隣で
君はザッハーとデーメルの話をする。
巨匠が手がけたバロック装飾に囲まれて
僕がロットマイヤーの天井画に夢中なとき
君は甘いトルテに思いを馳せる。
僕はどうしようもない溜息を
努めて爽やかな笑顔に紛らす。
そうだ。これがふたり旅だ。


トラム加工

オーストリア共和国の首都、ウィーン。

ウィーンは、華麗という言葉が似合う街である。そしてその理由を、ハプスブルク家を抜きにして語ることはできない。なぜなら、約650年に渡ってこの地に君臨したハプスブルク家が美しいと感じ、こよなく愛したものでウィーンという街が出来ているからだ。

ハプスブルク家の夏の離宮「シェーンブルン宮殿」をご存知だろうか。黄色の外壁が眩しい宮殿である。これは「テレジアン・イエロー」と呼ばれ、国母と慕われる女帝マリア・テレジアの好きな色に塗装されたものだという。ちなみにこの宮殿は、6歳のモーツァルトが7歳のマリー・アントワネットに求婚したという有名なエピソードの舞台でもある。

もちろん、ハプスブルク家の遺したものは建造物だけではない。名だたる芸術家を育て、都と称されるまでに音楽を発展させた功績も、麗しき遺産である。

モーツァルト、ベートーベン、シューベルト、シュトラウス、ハイドン、マーラーなどの音楽家が、ウィーンの空を見上げて美しい旋律を口ずさんだ背景には、それを求め、援助したハプスブルク家の存在がある。味覚についても同様で、もしもハプスブルク家が甘味を愛する一族でなかったら、これほどまでにウィーンの菓子店に豊富なスイーツが並ぶことはなかっただろう。

戦いではなく、結ばれることによって発展させることを家訓としたハプスブルク家。ウィーンに流れるどこか穏やかな空気は、こんなところに通じているのかもしれない。

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カフェ・コンディトライの誘惑

2014年03月12日 更新▲


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「カフェ・コンディトライ」というものをご存知だろうか。これはウィーンを訪れたら誰もが一度は目にする「喫茶店+菓子店」のことである。厳密にいうと、単なるカフェではない。

カフェ・コンディトライには、菓子に並々ならぬこだわりがある。名物「ザッハ・トルテ」はもとより、柔らかいクリームを挟んだ「クリームシュニッテ」やシューにチーズと生クリームが入った「トプフェンゴラチェ」など、ウィーンを代表する数々のスイーツが、カフェごとに独自性を主張しながら提供されている。中には名店「ザッハー」と「デーメル」のように、「ザッハートルテ」という名称のオリジナル権を巡って、裁判にまでなった例もある。

写真は、カフェ・コンディトライの中でも老舗中の老舗といわれる「ゲルストナー」(1847年創業)。この店のこだわりも、やはりザッハ・トルテである。「ゲルストナー・トルテ」と呼ばれるそれは、極端な甘味を嫌う日本人の繊細さに合う、上品な味わいが特長である。

菓子店だけではない。音楽ホールや書店など、カフェ文化の薫るウィーンにおいては「お茶をすること」が暮らしのあらゆる場面に同居している。人々が集い、論じ、同じ時を憩うことを「誘う街」なのである。

だから、ウィーンの街を知るには、先ずカフェなのだ。カフェの中に街があるといわれるくらい、この街はそのチャンスに溢れている。減量中の身でも、森に迷い込む気分でコンディトライの扉を開けてみよう。それが、ウィーンを旅するということである。

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ウィーンの楽しみ方!

2014年03月12日 更新▲


今回は、綾小路ぶぅさんのウィーン・レポートをご紹介します!

シュトラウス&モーツァルトコンサート
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ウィーンといえば、音楽の都。クラシックに縁遠くても、世界最高峰の『ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団』の名はご存知の方が多いのではないでしょうか。今回綾小路さんが訪れたのは、その本拠地である『楽友協会』。ウィーン芸術週間音楽祭なども催される由緒あるホールです。

楽友協会ホール
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ウィーン・フィルの定期公演は会員の年間予約席で埋まっていますが、定期公演以外ならチケットの購入も可能です。夏季には観光客が楽しめるようなプログラムも用意されています。綾小路さんが聴いたのは『シュトラウス&モーツァルトコンサート』。これは同行したお姉様たってのご希望だったそう。さぞかし優雅なひとときをお過ごしだろうと思いきや・・・綾小路さんのご感想は「長くて辛かった・・・」。

ウィーンの標識
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そんな綾小路さん。断然、街歩きの方が性に合っているようで、こんなワンショットもお寄せくださいました。標識マニアにはたまらない、ウィーンならではの逸品です。表示の意味は『犬に口輪とリードをしてください』。なんでも、ウィーンの街中では犬に口輪をさせなければならないという条例ができたそう。これには『犬には健康状態に応じた運動をさせ、社会との関わりを持たせながら飼育すべきだ』という動物保護の観点があるようです。世界の中でも犬を飼いやすい街として知られるウィーン。綾小路さんも街で可愛い犬を沢山見かけたそうです。

ナッシュマルクト
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街歩きで外せないのがマーケット巡りです。海外では地元スーパーに立ち寄るのを楽しみにしているという綾小路さん。写真はウィーン最古の食品市場『ナッシュマルクト』の八百屋さんです。『ナッシュ』とは『食道楽』の意味。ワインの量り売りをはじめ、スパイスやドライフルーツなども豊富に揃うので、お土産選びにもぴったりの市場です。

一流の音楽から庶民の台所まで、盛りだくさんの街ウィーン。さて、あなたはどうやって楽しみますか?

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特集:フィレンツェ

2014年01月22日 更新▲

イタリア国旗

 Firenze / Elescir 「あの辺り」と君が指をさす。 上の空だった僕には 何のことだか分からない。 君の顔を覗いて 疑問符を投げかける。 溜息を吐いた君の指先が 再びこの街のどこかを示す。 眺めが気に入ったのだろう。 僕はとりあえず頷く。 すると君は思いのほか喜んだ。 こんな曖昧さのせいで僕は 後々大変なことになる。

Summer vacation 2006 in Italy -Firenze- Summer vacation 2006 in Italy -Firenze- Summer vacation 2006 in Italy -Firenze- Il duomo di Firenze

Summer vacation 2006 in Italy -Firenze- / skyseeker Summer vacation 2006 in Italy -Firenze- / skyseeker Summer vacation 2006 in Italy -Firenze- / skyseeker Il duomo di Firenze / .v1ctor Casale

イタリア・トスカーナ地方の中心都市、フィレンツェ。 断言するが、この街を歩くことは、芸術作品の一部になることである。   想像力さえあれば、物語の主人公として街角に佇むことが可能である。自身の見かけなど、この際どうでもよい。ルネサンスの薫る美しき街フィレンツェにおいて、それは許される空想であり、心に浮かぶ優雅な世界を禁じることなど、誰にもできない。

 

 フィレンツェ観光は、4つの地区を知ることから始まる。中心地ドゥオーモのある「サン・ジョバンニ地区」、中央市場に近い「サンタ・マリア・ノヴェッラ地区」、ダ・ヴィンチら巨匠の作品が鑑賞できる「サンタ・クローチェ地区」、メディチ家最大のピッティ宮殿のある「サント・スピリト地区」・・・。地区の名は、その地の代表的な教会の名で表され、住民の誇り高いエリア意識が見え隠れする。

 

 

奇数と偶数が片側ずつに並んだ番地、そして一般住宅を表す黒(ネロ)と、店舗等を表す赤(ロッソ)の色分け表示も、フィレンツェならでは。旅人には不規則に感じる表示さえも何故か楽しめてしまうのが、この街の持つ力である。   賑わう街には、よからぬ輩もそれなりに多い。気分よく空想している間に大切なものを奪われぬよう、心して佇んで頂きたい。

 

travel

意外と知らない!海外旅行保険の「リピーター割引」とは?

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ヴェッキオ橋と秘密の回廊

2014年01月22日 更新▲

Ponte Vecchio detail
Ponte Vecchio detail / Jo@net

フィレンツェの街を長いこと眺めてきた橋がある。

それは、ドゥオーモから歩くこと10分。アルノ川にかかる「ヴェッキオ橋」だ。フィレンツェで最古といわれるこの橋は、中世よりもっと前から、この風景の一部である。

このヴェッキオ橋に、16世紀の半ば頃に増築されたのが「ヴァザーリの回廊」だ。手がけたのは、画家であり建築家でもあったジョルジョ・ヴァザーリ。彼は、ルネサンス期のフィレンツェを圧倒的な財力で支配した、あのメディチ家のお抱え芸術家のひとりである。

ヴァザーリの回廊は、メディチ家が暗殺の危機から身を守りつつ、自宅と執政所を行き来するために作らせたといわれている。秘密の回廊ともいわれるが、現在は自画像を展示するギャラリーとなっており、予約制で見学が可能だ。

このヴァザーリの回廊の1階部分には、眩しい金細工店がひしめき合っている。「古い」を意味するヴェッキオ橋。財布のひもを緩ませながら、資産家メディチ家の栄華に思いを馳せてみるのはいかがだろうか。

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思い切って資料請求してよかったです!(50代女性)

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フェラガモ一族の贅沢な空間

2014年01月22日 更新▲

今回は、イタリア在住ベルバッコさんからのフィレンツェ・レポートをご紹介します。

ベルバッコさんフェラガモ

ご存知、イタリアの「フェラガモ」。フィレンツェに本拠を置くハイブランドですが、この一族が所有する贅沢空間を利用できるということをご存知でしょうか。その名も「イル・ボッロ」。ベルバッコさんによると、フェラガモが昔からある村落を修復し、馬場やワイナリー、SPAなどを完備したところなんだそう。その中にあるのが、今回レポートしてくださった写真のヴィラ(邸宅)です。

ベルバッコさんフェラガモ2

この邸宅にはフェラガモ一族が住んでいるわけではなく、宿泊できる施設として公開されています。最低泊数は3日、しかも丸ごと1軒の予約が必要とのこと・・・!贅沢とは、このようなことをいうのでしょうね。地階を入れたら4階建ての邸宅で、写真の暖炉付きの広いサロンには、かの有名な作曲家が弾いたというピアノがあります。メインダイニングには、映画に出てきそうな長ーいテーブルも。

ベルバッコさんフェラガモ3

写真は、地下にある「バーカウンター付きのビリヤード場」。この他にも温水プールやイタリア式庭園があり、3日間の滞在では足りないくらいの娯楽が待っているそうです。気になる宿泊料金は…なんと1泊8,000ユーロ(2013年4月現在)!20名で泊まったとしても、3日の宿泊で1人あたり1,200ユーロ(約17万円)!私は見せて頂けただけで満足でございます~とベルバッコさん。皆さんはいかがですか?

golf
旅好きゴルファーなら、やっぱり海外進出!

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特集:パリ

2013年11月13日 更新▲

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cornice / zoetnet

狭いアパルトマンを住処にして
人生で2度目の学生を始める。
僕はカンバスに向かいながら
ときどきパリの空を眺める。
水曜日には、あの人が通る。
夕刻の君は足早に通り過ぎ
こちらを見上げることはない。
僕は今日もそんな瞬間を待ち
窓辺のアイビーに思いを注ぐ。

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パリ09 パリ042

1区を中心に、渦巻を描きながら時計回りに20区までが並ぶ街、パリ。

凱旋門やエッフェル塔、そして街角で語り合う恋人達・・・。パリとはそんな印象の街である。海外旅行の始まりが「憧れ」だという人の中には、パリという街の存在が、いかに偉大だったかを力説する人も多い。

オープンカフェで長い脚を組むパリジェンヌは、優雅という言葉の代表選手である。固いパンも、フランスという名が付いた途端に味わい深くなり、ごく少量の料理を円盤のような大皿に乗せたとしても、フレンチの世界で皿の余白を無駄だと批判する者など誰もいない。

それが、世界の美をリードするパリの特権であり、そんな街を多くのファンが望んできた。

しかし、世界各国の魅力的な地を訪れる機会が増えた昨今、パリにシビアな目を向ける旅人も少なくない。治安の悪化やホテル従業員の接客態度など、この街ではホスピタリティへの不満が噴出する傾向にある。麗しき街として持ち上げられてきた末の悪評。なんとも皮肉な話である。

そんな中、フランス観光局や商工会が対策に乗り出した。世界各国からの観光客の国民性に合わせたコミュニケーション方法をマニュアル化し、レストラン等のサービス業従事者に配布しているのだという。果たして日本人は、どう接客されるのであろうか。

次の時代に突入したフランス・パリ。憧れだけではない、更なる魅力を探しに行くときである。

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意外と知らない!パリのホテル事情

2013年11月13日 更新▲

パリでの宿泊。ファミリーに思わぬ難題が!!

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この夏、ご家族でヨーロッパ各国を旅行されたMiさん。フランス・パリのホテルで宿泊の際に、困った事態が発生してしまいました。宿泊の予約は確実に出来ていたのですが、いざホテルを訪れてみると、大人2名・小学生の子ども2名の計4名の家族が、ひとつの部屋には泊まれないというのです!

実は、パリの多くのホテルでは、大人に小さな子供が加わる場合であっても「2ベットルームには2名まで」という厳しい制限があります。これは消防法の関係で1部屋に宿泊できる人数が厳しく規定されているからなのです。安全のためのルールとはいえ、家族が一部屋に泊まれないとは、びっくり。急遽お部屋を追加して、分かれて泊まったそうです。

一人旅や夫婦だけの旅行では、なかなか気付くことのできない宿泊事情です。家族旅行などお子様連れでの旅をご計画なさる場合は、ぜひ参考になさってくださいね。

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特集:フィンランド共和国

2013年09月09日 更新▲

フィンランド国旗 Republic of Finland
Rovaniemi
Rovaniemi / Tarja Ryhannen Mitrovic

ボスからのミッションで訪れたのは
湖畔の赤いコテージだった。
部屋の書き置きを見る限り
好きなように使えるらしい。
唯一のルールは「計算をしないこと」
計算ってなんだ?と僕は考える。
部屋には時計もコンピュータも
時の流れを知る術が何も無い。
僕は昇って沈む太陽と
空っぽを知らせる腹を頼りに
しばらくここで暮らすことにした。


 
 
Rovaniemi / Tarja Ryhannen Mitrovi  Pullas (Finnish pastry) / Photo Bean
Rovaniemi / Tarja Ryhannen Mitrovic  Rovaniemi – Santa Claus Village / Tarja Ryhannen Mitrovic

「森と湖の国」といわれるフィンランド。

日本と変わらない国土面積でありながらも、この国の人口は約543万人。平均すると、1平方キロメートルの中に16人ほどしか住んでいない国、ということになる。ここでは人混みに紛れることよりも、湖畔で珍しい植物を発見し、森で野生動物と遭遇することの方がずっと、あたりまえの日常なのかもしれない。

そんなフィンランドに足を踏み入れると、景色の見え方が独特だということに気が付く。まるで薄い絹を通して向こう側を見ているように、あらゆるものが柔らかな光に包まれている。そしてこれは、フィンランドが生み出すデザインとも決して無関係ではない。この国で、雨に濡れた道路や古い壁の汚れがテキスタイルのモチーフとなり得るのは、それが美しいものとして、この国の人々の目に映るからである。

フィンランド・デザインといえば、テキスタイルブランドの「マリメッコ」をはじめ、1881年創業のガラスメーカー「イッタラ」、陶磁器メーカーの「アラビア」などが有名どころだ。先日、携帯電話事業の売却を発表した「ノキア」も、そのハイセンスなデザインで一時代を築いた。

もちろん、魅力はデザインだけではない。フィンランドには、ムーミン谷の仲間たちやサンタクロースが住んでいる。また、ロシアの圧政下で作曲されたシベリウスの交響詩「フィンランディア」は、力強く愛国心を奏でる。読書量とコーヒー消費量が世界一である理由は、彼らが時間を愉しむ国民だからに他ならない。

そろそろオーロラを見上げる日を、計画するときではないだろうか。

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思い出になる場所、ロヴァニエミ。

2013年09月09日 更新▲

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Rovaniemi / Tarja Ryhannen Mitrovic

弊社がFacebookで行なったアンケートで、海外旅行の思い出についてお尋ねしたところ「誕生日に彼とオーロラを見た!」という何とも羨ましいエピソードをいただきました。その思い出の場所として挙げられたのが、フィンランドのロヴァニエミ。今回は、この街についてご紹介します。

ロヴァニエミは、フィンランドの北部に位置する人口約6万人の都市です。ここは、オーロラ観測や白夜体験に加え、世界中の子ども達からの願いが届く、あの「サンタクロース村」があることで有名です。しかし、訪れる人の全てが、髭のおじいさんに用があるわけではありません。

Rovaniemi
Rovaniemi / Tarja Ryhannen Mitrovic

ロヴァニエミへは「トナカイや鹿に会いたい」とか「北極圏との境目を見たい」または「ヘルシンキからの夜行列車に乗りたい」などの理由で訪れる人も結構多いのです。地面にARCTIC(北極)と書かれている下左の写真は、北極圏との境目を示すラインです。これさえ越えれば「北極圏に行ってきたよ!」と豪語しても、あながち嘘ではありません。

  
IMG_2708 / jeaneeem              Sleeping on train / hagge

ヘルシンキから列車で約12時間という長い時間を要するロヴァニエミまでの道程ですが、この長旅を楽しめる人も沢山います。それは週末をラップランド地方で過ごそうというフィンランド人や世界各国のトレイン好きの皆さんです。中でも夜行列車は大人気!上右の写真は、夜行列車内の個室の様子です。意外と広くてキレイですよね。

楽しみ方を選べる街、ロヴァニエミ。あなたなら、どんな思い出を刻みますか?

 
海外ゴルフ、満喫しませんか?

golf

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特集:スイス連邦

2013年08月08日 更新▲

スイス国旗 Swiss Confederation
Matterhorn_2500-2
Matterhorn_2500-2 / Liga_Eglite

我ながら特等席だ。
僕はポケットの中で握りしめた石を
ゆっくりと取り出す。
病床の友に託されたそれは
僕の汗ばんだ掌から放れて
花の傍に転がる。
僕らは並んで山肌を望んだ。
夢中でシャッターを切る僕の横で
彼は黙って風に吹かれている。
一面に広がる黄色の花が
あの人のワンピースのようだと
彼も思うのだろうか。


 
 
Zytglogge Clock Tower, Bern, Swiss / AbhijeetRane Switzerland / Sara Cimino
Kimberly Birthday 2011 / kimberlykv Switzerland / robertpaulyoung

スイスの景色には、山と列車が付きものである。

国土の約7割を山岳地帯が占め、モンテ・ローザやマッターホルン、ユングフラウなど標高4000mを超える名峰が悠然と連なるスイス。国花エーデルワイスをはじめとする高山植物は可憐に野原を染め、颯爽と駆け抜ける列車に手を振るかの如く、風に揺れる。

魅力は山の風景ばかりではない。スイス最大の都市で、金融や交通の要衝として名高いチューリッヒ、多くの国際機関が集結するジュネーブ、アインシュタインが特殊相対性理論の論文を書き、旧市街地が世界遺産にも登録されている首都ベルンなど、街の姿もまたスイスを輝かせる。

スイスでは公用語として、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語という4つの言語が飛び交う。国民の多くが数か国語を話せるという語学堪能な国である一方で、保守的でシャイな一面もある。見知らぬ来訪者に対しては決してフレンドリーとは言い難く、旅行者がコミュニケーションに苦労したという話も少なくない。打ち解ければ非常に親切という性質も含めて、どこか日本人を彷彿とさせる。

時計に代表される卓越した技術力や鉄道ダイヤの正確さもまた、日本人の姿と面白いほどに重なる。スイスの職人が、世界の数ある道具の中から日本の匠が製作した工具を選び、ものづくりに没頭する姿も多くみられる。

「長寿」という点でも日本と共通する国、スイス。長い人生の中で、じっくりと時間をかけて味わいたい国である。

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スイスの長~い「トロリーバス」

2013年08月08日 更新▲

Apfelさんトロリーバス(前面)

今回はスイス在住ブロガーApfelさんのレポートより、スイスの「トロリーバス」をご紹介します。Apfelさんがお住まいのチューリッヒでは、トラム(路面電車)と並んで市民の生活に欠かせないトロリーバス。これまでは2両編成でしたが、昨年12月に長い3両編成の車両が12台、チューリッヒの街にデビューしたようです。

Apfelさんトロリーバス(内部)

これは車内から見た連結部分。3両が繋がったことにより、このバスはなんと128人乗りで全長は25メートルにも及びます。従来型はディーゼルエンジンでしたが、新型のトロリーバスは電力で走行するとのこと。多くの乗客を運べるだけでなく環境にも配慮した乗り物です。また、バスの床は地面に限りなく近い低床式で、お子様連れのバギーや車椅子、ご高齢の方も乗降しやすいつくりとなっています。

Apfelさんトロリーバス(後方)

世界の中でも交通網が発達していることで知られるスイス。トロリーバスの他にも160年もの歴史を誇る鉄道や、街を走るトラム、山岳のロープウェー、ケーブルカーなど、多種多様な乗り物が揃っています。ダイヤの正確さや乗り心地も高く評価されており、「スイスの電車は揺れない」と言われるほどです。実際のところはどうなのでしょうか?そんな検証も含めて、スイスの乗り物を楽しみたいですね。


要注意!スイスの太陽
スイスで紫外線による皮膚炎になり、帰国後すぐに受診したという新潟県のmaronさんからご投稿を頂きました。痒みで2週間もつらい思いをなさったのだとか。標高の高いところでは想像以上に紫外線が強烈になります。皆さんも帽子や顔を覆う布、サングラスなどの準備をお忘れなく!

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golf

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厳選!喜ばれるスイス土産

2013年08月08日 更新▲

「ハーブソルト」

Apfelさんハーブソルト

スイス在住Apfelさん曰く、日本へ持ち帰ると主婦の方に大変喜ばれるという「ハーブソルト」。これで肉や野菜をグリルすると、皆に絶賛されるのだとか!紙製ボトルのため、スーツケースの中で口が開いてこぼれる可能性があるそうです。梱包の際にはご注意を。

ご存知でしたか?書面お申し込みよりもお得なネットde保険@とらべる

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特集:アンドラ公国

2013年05月15日 更新▲

アンドラ公国 Principality of Andorra
www.viajar24h.com-26
www.viajar24h.com-26 / Viajar24h.com

パズルを愛する僕にとって
アンドラの石畳は強敵だ。
大小が適当に散りばめられ
不規則に並んでいるふりをして
実は僅かな隙間も計算ずくだ。
だから石の配列に気を取られて
僕がうっかりつまづいたのも
持っていたオレンジが
誰かの足元に転がったのも
全ては意志を持つ石たちの仕業なのだ。
君が果実を拾い上げる。
どこかで、教会の鐘が鳴った。

 
 
St Joan de Caselles / Andy Hay LaBoqueria Jamon Serrano/Iberico / snowpea&bokchoi
www.viajar24h.com-60 / Viajar24h.com TFWS / macle

スペインとフランスの国境には、ある国家が存在している。それはスペイン司教とフランス大統領を共同元首とする、アンドラ公国だ。

ピレネー山脈に囲まれたアンドラ公国は、日本でいうと金沢市ぐらいの小さな国だが、スキーやトレッキングのメッカとして名高い。映画『アンダルシア女神の報復』で登場するスキー場も、このアンドラという設定だ。また、モナコやリヒテンシュタインと同じくタックス・ヘイブンの国で、週末ともなれば周辺国からの買い物客で賑わう。免税天国で、しかもヨーロッパで最大規模の温泉を満喫できるとあれば、別荘地として人気を集めているのも大いに頷ける。

山を眺めることは、この国の日常である。そしてその風景の一角には、必ずといっていいほど古い石造りの建物がある。アンドラが国家として正式に独立したのは1993年のことだが、国としてのはじまりは8世紀に遡る。統治権をめぐる争いを繰り返しながらも、アンドラが丹念に積み上げてきた年月は、そんな石垣同様に重厚だ。

人知れぬ小さな箱に、あふれんばかりの魅力を隠し持つアンドラ。
ふと立ち寄りたくなるその日まで、この重量感に満ちた小箱の存在は、あなたの記憶に残っているだろうか。

今は夫婦ふたりだけ。突然の入院が心配です(60代女性)


郵便マニア◆ 
郵便好きなら一度は訪れたい国がアンドラだ。スペインとフランス両国によって郵便事業が行われているため、街ではスペインのポスト(黄色)とフランスのポスト(クリーム色)が並んでいる。スペインのポストに投函すればスペイン経由で配達され、フランスのポストはフランス経由で届けられる。ちなみに、どちらが速く届くか自分宛に投函してみた方の貴重な情報によると、双方とも同じ6日後に届いたとのこと。

   
Going Postal / Secret Tenerife  andorra / Strooks-traveller1  Post box at Quelven / Rhian vK

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Close up!アンドラのピクニック

2013年05月15日 更新▲

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今回は、スペイン在住miyukifoodさんのレポートをご紹介します。
スペインからアンドラ公国に訪れたmiyukifoodさんファミリー。この日は湖を目指して、ピクニックを楽しまれたご様子です。高所恐怖症でありながらも、息子さんをおんぶして、この石垣をのぼられたのだとか!

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アンドラ公国の公用語はカタルーニャ語です。カタルーニャ語はスペインのカタルーニャ地方(バルセロナなど)で多く用いられている言語ですが、スペイン語に似ているようでいて、全く違う部分も多く難しいのだとか。ここでは標識なども全てカタルーニャ語なので、「わからん・・・」とmiyukifoodさん。

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国民の大半がカトリック教徒のアンドラ公国。街にはロマネスク式の教会が点在しています。写真はピクニックの帰り際に見つけた小さな教会。その前に広がっているのが、この絶景です!日本人に出会うことの極めて少ない、ちょっと変わった旅先アンドラ。スペインやフランス行きの計画に、ぜひ加えてみませんか?

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アンドラ公国へ行くには・・・
アンドラ公国には空港がないので、スペインやフランスから陸路で移動することになります。その際は直行バス(所要時間:約3時間)が本数も多くて便利なんだそう。国境での出入国手続きは不要ですが、パスポートの提示を求められる場合もあります。

子どもが大きくなったのでライフプランを見直しました。(50代女性)

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アンドラで再会する「兄弟豚」

2013年05月15日 更新▲

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Cerdos ibéricos / comakut

中世の時代に、生きる場所を異にした「兄弟豚」がいます。

彼らの名は「イベリコ豚」と「ビゴール豚」。どちらも美食界に欠かせないブランド豚ですが、歴史をたどると、スペインとフランスの国境であるピレネー山脈に古くから生息していた同起源の豚なのだとか。彼らはここからスペイン側とフランス側に分かれていき、「スペインのイベリコ豚」「フランスのビゴール豚」として、それぞれの土地に根付いていったといわれています。つまり、ピレネー山脈にあるアンドラ公国は、これらブランド豚たちの母なる地とも呼べるわけです。

そんな誇らしさもあるのでしょうか。アンドラの首都、アンドラ・ラ・ベリャのメインストリートを歩けば、カラフルに彩られた豚のオブジェが何体も並び、豚の国アピールに余念がありません。スーパーマーケットでは、イベリコやビゴールの生ハムなどスペインとフランス両国の食材が揃いますし、安くて美味しいカタルーニャ料理が食べられることで有名なレストランマリスケリア・ドン・デニスでも、豚のメニューが特に評判です。美食に欠かせないワインも、アンドラで買うと3ユーロ(約390円)から。これならフランスワインも気軽に嗜むことができますよね。

Jamon Iberico
Jamon Iberico / PresidentMerkinMuffley

ところで、スペインとフランスに分かれた兄弟豚は、長い年月の中で各々に特徴的な味わいを刻んでいきました。どちらも脂肪分を多く蓄えた豚肉ですが、スペインのイベリコ豚は濃厚で力強く、フランスのビゴール豚は繊細で香り高いと評されます。豚の肉質を通して、両国の雰囲気や国民性までもが映し出されているようです。イベリコ豚に比べると日本では耳慣れないビゴール豚ですが、彼らは一般的な交配種の豚に比べると倍近くの時間(約1年以上)をかけて、放牧でじっくりと飼育されます。この贅沢な時間が、ビゴール豚の肉質を高め、希少な高級豚としてフレンチ界を唸らせているのです。

異なる国で、その土地ならではの調理技術と、人々の舌によって育まれてきた兄弟豚たち。別の道を歩んできた彼らが再び出会う国がアンドラです。ありふれたグルメ旅に飽きたなら、それは食のストーリーに想いを寄せ、味覚以外の何かを揺さぶるチャンスなのかもしれません。

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特集:チェコ共和国

2013年01月21日 更新▲

 Czech Republic

Prague Central station / Twang_Dunga

これが映画のシーンなら
列車が出る寸前になって
待ち焦がれた人がやってくる。
そして積年の誤解は解け
ラストの字幕が流れる頃には
決まってハッピー・エンドだ。

そんな空想に賭けてみようと
いくつもの列車を見送る。
駆け寄る誰かの足音に胸を高鳴らせ
振り返るたびに落胆する。
グレーに染まるプラハの駅で
僕は只々、発車のベルを聞く。

 
 
View of Prague / Peter Curbishley Franz Kafka Museum / Dale Harvey
Krušovice / nyuhuhuu 374.Praga. Arquitectura cubista y rondocubista.jpg / Mataparda

「百塔の街」とも名高いチェコの都、プラハ。この街に染みわたる中世の景観は、たとえどこからの眺めを額に収めたとしても、必ずや名画となるだろう。そして街を貫流するヴルタヴァ(モルダウ)にその姿を映すとき、感嘆の溜息を漏らさずにはいられない。

芸術の門を叩けば、「変身」を著したカフカや画家のミュシャ、作曲家のドヴォルザークやスメタナが迎えてくれる。ホスポタ(ビアホール)に繰り出せば、黄金色に輝くピルスナービールが誰かの喉を鳴らす時を心待ちにしている。もしも旧市街の老舗で、可憐なボヘミアンガラスに心を奪われたとしても、うっとりと見つめ合うほかない。

ハプスブルク家の支配、そして旧ソビエト影響下での社会主義時代を経て、現在の民主化に至ったチェコ共和国。文化の弾圧という屈辱を経験しながらも、ピカソらが編み出したキュビズム(絵画技法)をどの国よりも早く建築デザインに取り入れ、独自に進化させていったという底力の国でもある。そんな誇り高き街並みを、あなたならどんな角度から味わうのだろうか。

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Close up!チェコ語の道案内

2013年01月21日 更新▲

聖ヴィート大聖堂 内部 (プラハ城内)

今回は「ぶぅさん」のチェコ・レポートをご紹介します。
70代のお母さんを連れてチェコを旅した40代のぶぅさん。今回の宿泊は、初めて利用する「Hotel Clement ホテルクレメント」。ここはヴルタヴァ(モルダウ)川の側にあるスーペリアクラスのホテルです。この日は旧市街広場やプラハ城めぐりを満喫したこともあり、ぶぅさん達は歩き疲れてクタクタに。すぐにでもホテルで休みたい気分でしたが、地図を見てもなぜか一向にホテルにたどり着けません。もしかするとこれは、迷子状態・・・?!

青空マーケットのチーズ専門店(プラハ・旧市街広場)

疲れも手伝って、だんだんと不安になるお母さん、そして何とかしなければと焦るぶぅさん!意を決して、通りがかったスラブ系の若い女性に道を尋ねてみることにしました。ところが呼び止めた彼女は英語が全く喋れないようで、説明は全てチェコ語。もちろん、ぶぅさんにチェコ語の心得はありません。ますますテンパってしまうぶぅさんでしたが、「火事場の馬鹿力」とはこういうことをいうのでしょうか。難解で知られるチェコ語が、なぜか聴き取れるのです!

火薬塔とその隣の市民会館(プラハ)
 
Powder Tower / joyosity Obecni Dum / –Filippo–

この不思議な現象に我が耳を疑いながらも、夢中で聴き入ること数分間。「Prašná Brána プラシュナーブラーナ!」火薬塔(を目指して)という彼女の説明どおりに進むと、無事ホテルに到着することができました。後で考えてみても、どうしてあの時に聴き取れたのか全くわからないのだとか。困っている外国人を何とか助けようとする現地の人と、異国の言語を必死で聴き取ろうとする旅人とが、ハートの部分で通じ合ったのでしょうか。旅には時として、こんな奇跡も転がっています。

Hotel Clement ホテルクレメント
ぶぅさんの印象 ★★★★☆
ここはスーペリアクラス(中級)でしたが、日本でいうと小さめの綺麗なビジネスホテルといった感じです。フロントは、ずっと同じ女性がひとりで切り盛りしていました。お風呂がイマイチだったので星4つです。(シャワーを浴びたら、ユニットバスの床が洪水・・・!)

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チェコのマリオネットに秘められたもの

2013年01月21日 更新▲


マリオネット専門店 (プラハ城近く)

「マリオネット」という響きに、どこか物悲しさを感じたら、それはチェコが歩んできた歴史のせいかもしれません。

15世紀の前半からハプスブルク家の支配下となったチェコでは、ドイツ化を強いられ「暗黒」と呼ばれる時代が続きました。チェコの言語や文化は低俗なものとして扱われ、公に使用することを禁じられたのです。そんな中で、紀元前の信仰儀式が起源とされる人形劇(マリオネット)だけが、ひっそりとチェコ語で上演され続け、後にチェコ民族復興運動の支えともなりました。人形(パペット)たちの小さな体には、チェコ人の魂が吹き込まれ、彼らの代弁者としてこの時代を生き抜いたのです。

人形劇のテーマは、プラハの伝説や家族の日常、男女の愛など様々ですが、メルヘンの世界でありながらも人形はちょっぴりグロテスク。道化役のおどけたパペットでさえも、その哀愁を帯びた眼差しからは今にも心を見透かされてしまいそうな凄みが感じられます。歴史的背景から、単なる娯楽という立ち位置ではいられなかったマリオネットの苦悩が、そこに見え隠れしているのかもしれません。

マリオネット劇場(博物館を併設)

Marionette Museum / idleformat

今では観光客向けに英語での上演もあるマリオネット。代表的な劇場は、オーソドックスな演出に定評のある国立マリオネット劇場などですが、プラハの街をめぐれば約50箇所もの劇場が点在しています。中には人形劇学科の学生らが上演する「ディスク劇場」や、人形劇ばかりをひたすら上演している市営の「ミノル劇場」など、本場ならではの地元密着型の劇場もちらほら。

もしもマリオネットを初めて鑑賞するなら、やはりオペラの名演目でもあるモーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」が王道です。ご存知のとおり「女たらしが地獄に落ちる話」ですが、チェコに漂う独特の切なさを体感するには、この喜劇とも悲劇ともとれる作品に触れるのが、なぜかぴったりのような気がするのです。

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