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アンドラで再会する「兄弟豚」

2013年05月15日 更新▲

Cerdos ibéricos
Cerdos ibéricos / comakut

中世の時代に、生きる場所を異にした「兄弟豚」がいます。

彼らの名は「イベリコ豚」と「ビゴール豚」。どちらも美食界に欠かせないブランド豚ですが、歴史をたどると、スペインとフランスの国境であるピレネー山脈に古くから生息していた同起源の豚なのだとか。彼らはここからスペイン側とフランス側に分かれていき、「スペインのイベリコ豚」「フランスのビゴール豚」として、それぞれの土地に根付いていったといわれています。つまり、ピレネー山脈にあるアンドラ公国は、これらブランド豚たちの母なる地とも呼べるわけです。

そんな誇らしさもあるのでしょうか。アンドラの首都、アンドラ・ラ・ベリャのメインストリートを歩けば、カラフルに彩られた豚のオブジェが何体も並び、豚の国アピールに余念がありません。スーパーマーケットでは、イベリコやビゴールの生ハムなどスペインとフランス両国の食材が揃いますし、安くて美味しいカタルーニャ料理が食べられることで有名なレストランマリスケリア・ドン・デニスでも、豚のメニューが特に評判です。美食に欠かせないワインも、アンドラで買うと3ユーロ(約390円)から。これならフランスワインも気軽に嗜むことができますよね。

Jamon Iberico
Jamon Iberico / PresidentMerkinMuffley

ところで、スペインとフランスに分かれた兄弟豚は、長い年月の中で各々に特徴的な味わいを刻んでいきました。どちらも脂肪分を多く蓄えた豚肉ですが、スペインのイベリコ豚は濃厚で力強く、フランスのビゴール豚は繊細で香り高いと評されます。豚の肉質を通して、両国の雰囲気や国民性までもが映し出されているようです。イベリコ豚に比べると日本では耳慣れないビゴール豚ですが、彼らは一般的な交配種の豚に比べると倍近くの時間(約1年以上)をかけて、放牧でじっくりと飼育されます。この贅沢な時間が、ビゴール豚の肉質を高め、希少な高級豚としてフレンチ界を唸らせているのです。

異なる国で、その土地ならではの調理技術と、人々の舌によって育まれてきた兄弟豚たち。別の道を歩んできた彼らが再び出会う国がアンドラです。ありふれたグルメ旅に飽きたなら、それは食のストーリーに想いを寄せ、味覚以外の何かを揺さぶるチャンスなのかもしれません。

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