土砂災害の前兆現象を知って、早めに避難を。【身を守るポイント】
2023年06月20日 更新▲平成25年から令和4年までの直近10年では平均して1年間におよそ1,446件もの土砂災害が発生しています。集中豪雨などにより、すさまじい破壊力をもつ土砂が、一瞬にして多くの人命や住宅などの財産を奪ってしまう恐ろしい災害です。がけ崩れや土石流、地すべりなどによる土砂災害は、ほとんどの都道府県で発生しています。山が多い地形に加え、台風や近年の異常な豪雨により、日本全国、いつどこで土砂災害が起こっても不思議ではありません。土砂災害による被害を防ぐため、私たち一人ひとりが土砂災害に対して日頃から備えておくことが重要です。
今回は、政府広報オンラインより抜粋して、土砂災害の前兆現象をお伝えいたします。いち早く危険を察知し、身を守るために知っておきましょう。
★★★
土砂災害を発生させる現象には、主に「がけ崩れ」「地すべり」「土石流」の3つの種類があり、これらが発生するときには、何らかの前兆現象が現れることがあります。下に挙げたものは主な前兆現象です。こうした前兆現象に気づいたら、周囲の人に声をかけあい、いち早く安全な場所に避難することが大事です。
土砂災害の種類と主な前兆現象
(1)がけ崩れ
特徴 斜面の地表に近い部分が、雨水の浸透や地震等でゆるみ、突然、崩れ落ちる現象。崩れ落ちるまでの時間がごく短いため、人家の近くでは逃げ遅れも発生し、人命を奪うことが多い。 |
-
(2)地すべり
- 特徴
斜面の一部あるいは全部が地下水の影響と重力によってゆっくりと斜面下方に移動する現象。土塊の移動量が大きいため甚大な被害が発生。
(3)土石流- 特徴
山腹や川底の石、土砂が長雨や集中豪雨などによって一気に下流へと押し流される現象。時速20~40kmという速度で一瞬のうちに人家や畑などを壊滅させてしまうことも。
出典:政府広報オンライン
土砂災害から身を守るために知っておきたい3つのポイント
土砂災害から身を守るためには、私たち一人ひとりが土砂災害に対して日頃から備えておくことが重要です。ここでは、土砂災害から身を守るために最低限知っておくべき3つのポイントを紹介します。
(1)住んでいる場所が「土砂災害警戒区域」かどうか確認
土砂災害のおそれのある地区は「土砂災害警戒区域」等とされています。普段から自分の家がこれらの土砂災害のおそれのある地区にあるかどうか、都道府県のホームページや国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」などで確認しましょう。
また、避難の際にどこにどのように逃げるのか知っておくことが大事です。市町村が作成する土砂災害ハザードマップを利用して避難場所や避難経路を確認しましょう。詳しくは、お住まいの市町村にお問い合わせください。
*ただし、土砂災害警戒区域等でない区域でも、土砂災害が発生する場合があります。付近に「がけ地」や「小さな沢」などがあれば注意してください。
(2)雨が降り出したら土砂災害警戒情報に注意
雨が降り出したら、「土砂災害警戒情報」に注意しましょう。土砂災害警戒情報は、大雨による土砂災害発生の危険度が高まったときに、市町村長が避難指示を発令する際の判断や住民の自主避難の参考となるよう、都道府県と気象庁が共同で発表する防災情報です。これは、警戒レベル4相当情報であり、市町村が警戒レベル4避難指示を発令する目安となる情報で、災害の切迫度が高まっていることを示しています。(警戒レベルについては、内閣府ホームページをご覧ください。)
土砂災害警戒情報は、気象庁ホームページや各都道府県の砂防課などのホームページで確認できるほか、テレビやラジオの気象情報でも発表されます。大雨による電波障害や停電などいざというときのために携帯ラジオを持っておくとよいでしょう。都道府県や市町村によっては、携帯電話などに自動的に土砂災害警戒情報を教えてくれるサービスもあります。さらに、キキクル(危険度分布)など、1~5kmのメッシュ単位の危険度が気象庁や都道府県のホームページで確認できます。
(3)警戒レベル4で全員避難
お住まいの地域に土砂災害警戒情報(警戒レベル4相当情報)が発表されたら、自治体からの避難指示の発令(警戒レベル4)に留意するとともに、避難指示が発令されていなくても、キキクル(危険度分布)などを参考にし、家族・親戚や地域内の方々に声をかけあい、早めに近くの避難場所など、安全な場所に避難しましょう。
特に、お年寄りや障害のある人など避難に時間がかかる人は、移動時間を考えて早めに避難させることが大事です。夜中に大雨が予想される場合には、暗くなる前に避難することがより安全です。また、強い雨や長雨のときなどは、市町村の防災行政無線や広報車による呼びかけや緊急速報メールなどにも注意してください。
土砂災害の多くは木造の1階で被災しています。どうしても避難場所への避難が困難なときは、次善の策として、近くの頑丈な建物の2階以上に緊急避難するか、それも難しい場合は家の中でより安全な場所(がけから離れた部屋や2階など)に避難しましょう。
夜間の豪雨時などには避難をためらってしまいますが、普段から避難訓練に参加し避難に慣れていれば避難行動を起こしやすくなります。市町村などがおこなう土砂災害の避難訓練に参加しましょう。
- 出典:政府広報オンライン