海外旅行保険

海外旅行トラブル、最も多いのは金銭や貴重品を狙った犯罪

2019年05月25日 更新▲

海外では、ほんの少しの油断で、“まさか”は起きてしまいます。「常に危険と隣り合わせ」「ここは日本ではない」という意識を持つことが大切です。海外で保険が必要なほどのトラブル遭遇率は、約4割弱。28人にひとりが何かしらのトラブルに巻き込まれています。さらに海外旅行保険に入っておらず、トラブルに遭ったという人もいますから、遭遇率はもっと高いということになります。

海外旅行トラブルの中で、被害が最も多いのは圧倒的にスリなどの窃盗、強盗、詐欺など金銭や貴重品を狙った犯罪です。外務省がまとめた統計によると、日本人が巻き込まれた事件事故総数の約3割が財産犯罪ということです。

今回は、外務省の「海外旅行のトラブル回避マニュアル」から、事例と共にその対策をお伝えします。

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古典的な手口もまだまだ横行

1.  スリ

スリは、グループで役割分担をしています。
代表的な手口としては、アイスクリーム、ケチャップ、マスタードなどで服を汚され、気を取られている間にバッグから財布を抜かれるという古典的なもの。服を汚される以外にも、道に迷っているふりをして地図を広げ、注意をそらしている間にすられます。複数人数で取り囲まれた時は、たとえ相手が子供であろうとスリグループの可能性があります。

◆対策

・犯罪者は「犯行の標的」のスキをうかがっています。自分のことをじっと見ている人がいないか、周囲に気をつけましょう。見知らぬ人から不審な行為をされた場合には、貴重品から目と手を離さないようにし、毅然とした態度で対応することが必要です。

 

・バッグや上着、ズボンのお尻のポケットなどの盗まれやすいところには、貴重品を保管しないようにしましょう。

 

・乗り物やデパートなど人混みの中で、体が不自然に押されたり触られたりしたときは、すぐに所持品を確認しましょう。

 

バッグやポシェットの斜めがけやリュックサックは、スリのターゲットになりやすく、どんなに気をつけていても、上記のような手口にやられるとバッグから注意が外れ、気を引かれている間に抜かれていることが多いので、バッグの種類、持ち方にも注意しましょう。

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空港やホテルのロビー、レストランでも多発

2. 置き引き

空港では、出発時のセキュリティーチェックでもボディチェックを受けている間に、カバンを置き引きされたケースもあります。空港、ホテルのチェックイン中に足元に置いたカバンを持って行かれることもあります。

レストランでは、椅子に掛けた上着やバッグなど、食事やおしゃべりに夢中になっている間に置き引きされることが非常に多く、無防備でも大丈夫な日本においての習慣は非常に危険です。列車に乗っている時も隣の空いている席に荷物を置いていると、スリ同様注意をそらされた隙に、持って行かれることがあります。

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◆対策

・どんなときでもカバンから目を話すことは厳禁。特に自分の周りで気を引くようなことが起きたら、まず持ち物をしっかりと確認しましょう。

 

・食事中はカバンが自分の体に密着するように置きましょう。ジャケットを脱いで椅子にかける際には、内ポケットに入れている貴重品には注意しましょう。

 

・高級とされているホテルのレストランでも決して油断はできません。こうした場所は、富裕層の客が多いため、むしろ犯罪のターゲットにされる傾向があります。

 

男性にありがちですが、上着の内ポケットに貴重品は厳禁。重さで衣類が下がり気づかれやすく、入っていてもなくても、上着ごと持って行かれてしまいます。また、テーブルの上にスマホを置いたまま、トイレに立つのも危険です。たとえ連れに「見ていて」とお願いしても、連れがスマホを見ている間に置き引きされるケースが多々あります。

 

遭ってしまったらケガすることも

3. ひったくり

道を歩いていて、肩に掛けていたバッグやカメラを後ろから来た二人乗りのバイクにひったくられたり、電車に乗った際、ドアの側に立っているとドアが閉まる直前にカバンをひったくって降り、ドアが閉まるという手口。一瞬の出来事であっと言う間もなく、何もできません。

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◆対策

・道を歩くときはなるべく車道側を避け、荷物は車道側の手に持たないようにします。オートバイや車を使ったひったくりは、多くの場合背後から襲ってくるので、荷物はしっかりと体の前方に置くことが大切です。なお、万が一被害にあった場合、引きずられると危険です。抵抗しないで、荷物から手を離しましょう。

 

・乗降口の近くに立ったり座ったりするのは、なるべく控えましょう。混雑等で昇降口近くしかスペースがない場合には、安易にひったくられないよう持ち物をしっかりと持つようにします。

 

第一優先は、命を守ること。無駄に抵抗して盗難以上に危険な目に遭わないようにすることが大事です。多くを持ち歩かない、ブランドバックを持たない、目立った格好はしないということも予防になります。身なりの良い日本人はターゲットになりやすいことを心得ておきましょう。

 

犯罪者は親切でフレンドリー

4. 詐欺

空港での出迎え
偽のネームプレートは、本当の出迎えの人が持っているネームプレートを見てその場で作り、本物のガイドよりも目立つ場所で親切フレンドリーに出迎えます。用意された車に乗ってしまうと、レストランやクラブなどに案内され、一連の案内費用として巻き上げられる手口です。大金を狙われるだけでなく、車の中で凶器を持ち出し、恐喝・強盗といったケースもありますので、大変危険です。

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ニセ警官
街を歩いていて、突然警察官に呼び止められ、偽札や麻薬捜査、闇両替などを理由にパスポートや手荷物の検査を要求し、財布を盗られるといったニセ警官詐欺は、世界中で横行しているので、油断はできません。一部の国では、本物の警察官がお小遣い稼ぎにやっていることも稀にあります。

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睡眠薬強盗
このケースの犯罪者は、本当に親切でフレンドリーに近づいて来ます。意気投合し、「一杯やろう!」「美味しい店でご馳走する。」などと言われ、飲み物などに仕込まれた睡眠薬を飲まされ、気がついた時には、財布のみならずパスポートや時計など、身の回りの貴重品全てがなくなっているという最悪な事態を招きます。

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◆対策

・空港で出迎えがある場合は、事前に出迎え者の名前、年齢、特徴、会社名などを確認しておき、現地では身分証明証の提示を求めましょう。別の人が来て、予定が変更になったと言われたら、自分で旅行会社や現地連絡先に確認することも重要です。

 

・警察官という身分に無条件に安心したり、反対にやましいことはないのにおどおどしたりすることで、注意が散漫になるスキを狙われます。見せられた警察手帳はしっかり確認することはもちろんですが、どの国の警察官もよほどのことがない限り、路上で持ち物検査をやることはありません。不審な点があれば、「他の警察官にも立ち会ってもらう」、「現地の日本大使館・総領事館に連絡する」と主張するなど、毅然とした態度で、冷静に対処することが大切です。

 

・現地で知り合った人からすすめられた食べ物、飲み物はたとえ、それが未開封な状態に見えても不用意に口にしないことが大切です。また、現地で知り合った人と一緒に食事をしていて、トイレで席を離れたスキに睡眠薬を入れられたという事件もあります。このような犯罪に使用される薬は強力で、後遺症が残る場合もあり、手口も巧妙化しており、非常に危険です。

 

 

まさかとは思いますが、日本人は親切にされたりフレンドリーに近づいて来られると、善意を信じてしまいがち。『ノー!が言えない日本人』とよく揶揄されますが、「この人いい人!」と思うとさらに「ノー!!」が言えなくなってしまいます。海外では、そうした日本人の性質もよく見抜かれて、ターゲットになることを心得ておきましょう。和を重んじるのは日本国内だけにして、海外で違和感を感じたら、堂々と「ノー!」と言い切りましょう。

財産犯罪は、他にもクレジットカードのスキミング、両替詐欺、バックドロップ強盗などなど、数え切れないほどあります。こうした被害に遭わないよう、事前に現地の安全情報を収集し、現地では気を引き締めて行動することが大切です。

海外旅行へ出かける際は、外務省のたびレジ登録をオススメします。
たびレジに登録しておくと、渡航先の最新安全情報を、出発前も現地でも受け取ることができます。たびレジでは、現地での重大事件・事故の情報配信、注意が必要なイベント・トラブルについての事前注意喚起、緊急事態の時の安否確認などを行なっています。海外旅行が決まったら、たびレジに登録してから出かけましょう。

たびレジを登録する↓

外務省・海外安全ホームページこちら

 

海外旅行では「楽しすぎて」「時間がなくて」「のんびりし過ぎて」など注意力が散漫になりやすいことも自覚しておくべきです。そして、どんなに準備をしていても事件・事故に巻き込まれないとは限りません。万が一の時には、ご自身の命を最優先にしてください。

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