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Day4.ついに富士山より高い場所の村に辿り着く@ネパール

2015年12月03日 更新▲

ピックアップしてご紹介している旅女SHIHOさんのエベレスト登山の情報。4日目をお届けします。富士山よりも高い場所ということが驚きの美しい村です。イキイキとした写真をご覧ください!

 

 

 

4日目:Namche ナムチェ(3,440m) 8:15~Phungi プンギ(3,250m) 11:00 昼食30分~Tenboche タンボチェ(3,860m) 13:40
 
歩行時間:5時間45分(休憩込)  富士山の標高は3,776 m。
 
私は5年前に友達二人と登り、高山病になりつつも何とか登頂できた。が、そのしんどさ上「もう二度と行かない」と言い放ち、言葉通りそれから一度も行っていないのだが、まさかそれ以上の高い所に登ることとなるとは…。
この日は標高3,860mのタンボチェという村が最終目的地。
 
ちなみに富士山の7合目で2,700m~3,000m(宿によって違う)なのだから、出発地のナムチェで既に7合目より高い場所にいることになる。
 
朝出て到着時間が昼過ぎ。   「もうちょっと進めばいいのに」と思うかもしれないが、高山病対策のため、1日に登る高さは高度差600mまでが望ましいとされている。病院も大きい村にしか無いので、高山病がひどければ下山するか、チャーター機を依頼するしかない。←個人が救援のためチャーター機を呼ぶのは数百万~1千万円するらしい。
朝、ポーターのクマルさんが宿に迎えに来る。
普通ポーターは私の半分くらいのリュックを自分の荷物として持っているのだが、クマルさんは手に持ったビニール袋以外、何も持っていない。

 
私 「クマルさん、荷物は?」

 
クマル 「ん?コレだよ?」
 
 
クマルさんの荷物。↓

 

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マジで?(;´Д`)

マジで大丈夫なの?この人???;
 
今から8日間・・・
 
最終地点、マイナス20℃近いんですよ???
 
というか、そのビニール袋持って歩くの!?
 
そんな私の不安をよそに、クマルさんは平然と言う。
 
クマル 「僕の荷物、あなたのリュックに入れてくれないかな?」
…いや、どうせアンタが全部担ぐんだからいいけど、、、でっかいシュラフあるし既に結構パンパンなんですけど。というか、ほんとバックパックすら持ってないの!?(;´Д`)
結局全ての荷物を私のバックパックに押し込んで出発。
この時私は思った。
 
絶対変なの引き当てた。
 
本日も快晴のナムチェの村を後にする。

 

 

 

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しかし、村を出る途中途中で、クマルさんの知り合いが何人も笑顔でクマルさんに声をかけて見送る。
ネパール語は分からないが、「トレッキング」はそのまま「トレッキング」と言うようで、知り合いに声を掛けられる度にクマルさんがそう答えている。
 
よって、私にはこう話してるとしか思えなかった。

村人 「あれ?クマル?どこ行くんだ?」
 
クマル 「トレッキングだよ、トレッキング!」
 
村人 「トレッキング!?一人でか?良かったじゃないか!今までガイド付きでしかやってなかったのに!で、一日いくら貰えるんだ?」
 
クマル 「1,500ルピーだよ」
 
村人 「いいなぁ!頑張れよ!」
 
クマルさんは知らないが、私は「いくら?」と数字くらいのネパール語は分かるので、この会話はあながち外れてはいないと思う。クマルさんは何度もトレッキングは行ったことがあるとは言っていたが、この村人の感じからすると、一人では初めてなんじゃないかと思った。(バックパックも無いし…)
 
この会話は村を出てからも時々続いた。
 
あ~何か「魔女の宅急便」のキキが一人前になるため街を出るあの感じと似てる…。
 
↓既に飽和状態の私と自分の荷物を背負うクマルさん。37歳。

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段々畑。冬になる前は何も植えないらしい。

 

 

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途中、二人でキャッキャ遊んでた子供達。
   

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ネクタイまであるしっかりした制服を着ていた。
途中の村ではアクセサリーなんかをよく売っていた。
   

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ナムチェを過ぎるとまた景色が変わる。
 
遠くの切り立った山々を見渡せる山沿いを歩いているかと思えば、森のような鬱蒼とした登山道になったり…トレッキングが趣味では無い私でもちょっと楽しいと思ったくらいだから、好きな人にとっては生唾モンだろなぁ~と思う。

 

 

 

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11時に「プンギ」という村に到着。
この先タンボチェまで村は無いので、朝御飯をミルクティーとクッキーで済ました私はここで昼食を取る。

 

 

 

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ヌードルスープ。

 

 

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ただのインスタントラーメンがここでは立派な一つの料理。
 
チョウメン(焼きそば)やフライドライス(炒飯)は量が多いからお腹いっぱいにはなるが、やはり暖かい汁モノが欲しくなる。インスタントラーメンと言えど、野菜も入れてくれるので、塩っ気もあって疲れた体に身に染みる。

 
ヌードルスープに「RaRa(ララ)ヌードルスープ」とか「WaiWai(ワイワイ?)ヌードルスープ」という風に表記される場合があるが、これはインスタントルードルの種類で、「出前一丁」か「サッポロ一番」とかメーカーの違いを表している。
 
ちなみにネパール人は料理せずにスナック感覚で、そのままポリポリ食べたりしている。
お腹を満たして出発。

 

 

 

 

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この小屋何だろ~と思って覗くと、中にマニ車があった。
   

 

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下に流れる川の水圧で、マニ車の下に付けられた水車が回り、自動でマニ車が回るシステム。
ちょっと!
お経読むのにどんだけ楽するん!笑
もはや人の手すらかかっていない。
燃料にするため乾かされているヤク糞。

 

 

 

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道具屋で1Gで買い取ってくれますか?
 
途中、クマルさんがストックの無い私のために木の棒を拾ってくれた。
 
シホは ひのきのぼう をてにいれた!

 

 

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ひのきでは無いけど、丁度持つ所がいい具合に曲がっていて使い心地がいい。
 
どうせなら身につけて歩くとHP回復するアイテム・・・何だっけ?アレが欲しいな~。
 
何せ、後にも先にもストックが木の棒 という、ナメきった格好は私以外には現地民だけだった。
そして現地民の方がよっぽどいい木の棒を使っている。
 

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木を削って作った、太いちゃんとした杖。腰の高さより低く、手に持つというよりは、上から押さえて使っている。写真のように、人力で重い物資を運ぶ現地の人はよくこの杖を使っていた。
ちなみに、数人で運ぶ場合は、人と人の間に距離が出来る場合が多いので、先頭と最高尾の人が笛を持っていて、休憩する時、終わる時はこの笛を吹いて列を止める。
ヤクも隊列をつくる時は同じような感じだが、ヤク使いがいるのは最後尾で、ヤク使いが笛を吹くと先頭のヤクがぴたっと止まり、後続のヤク達を止める。う~ん、賢い。
 
ナムチェからプンギまでは標高的に少し下るが、プンギから先は下った分も合わせてタンボチェまでひたすら上り坂!
またしてもめちゃくちゃキツかった…;(というか、この先キツく無いことがほぼ無いことを、この時の私はまだ知らない。)
 
ので、例によってこの先の写真は無く、タンボチェに到着。

 

 

 

 

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このゲートがタンボチェ到着のしるし!
 
中は派手なチベット仏教の絵が描かれている。

 

 

 

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天井画。

 

 

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タンボチェの村。

 

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標高3,860m!
 
ついに富士山より高い所に来た!!!
2時前に着いたけど、既に霧がかっていた。
 
本日の宿「TASHI DELEK LODGE」

 

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テラスがいい。

 

 

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一泊300ルピーと高かったが、疲れすぎて判断能力が鈍っていたのだと思う。即決したものの、レストランの値段の高さに少々後悔。
 
村をぶらぶら歩いていると、サッカーのようなものをしていた少年達がいたのだが、途中で何やら長時間もめだしたので、もめてる写真しか撮れなかった。

 

 

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タンボチェ僧院。

 

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チベット仏教の総本山とも言われ、多くの僧がここで修行している。
外国人も通常本堂以外は入れる。

 

 

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マニ車や僧院、仏塔には全て右肩を向けて時計回りに歩くのがマナー。
 
理由は聞いたけど忘れた。
 
本堂脇の小さな建物の中で行われるお祈りを見学した。

 

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本堂でのお祈りはカメラ・動画禁止と書かれていたので、ここでも一応写真は控えた。(バシャバシャ撮ってる人もいたけど…)
 
お堂の中は極彩色の細かい仏教画で彩られ、正に細い絵筆を持って壁に絵を描いている人もいた。
僧はみんなオレンジ寄りの赤色の袈裟を着ていて、見た目は仏教という雰囲気。部屋の中央に何体かの仏像があり、その回りを20人くらいの僧が囲むように座ってお経を唱えていた。
16時から、本堂であるお祈りを見学出来るとのことで、再度訪問。

 

 

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中はかなり広く、壁一面にはやはり極彩色の仏教画が彩られている。部屋の中央には膝くらいの高さの長椅子…というよりも、木でできた背の低いベッドのようなものが縦に4つくらい並んでいて、その上に座布団を敷いて修行僧がずらっと座っている。  先程の小さいお堂でのお経は仏教っぽいと思ったが、やはりここはチベット仏教。始めこそ、同じようなお経が続くものの、途中からほら貝の笛のような音の笛、ドラ、鈴、様々な楽器が加わっての大合唱になっていった。僧達の低くくぐもった声と、楽器の音が交差し、何とも言えない不思議な空間に吸い込まれる。
観光客はみんな壁沿いの冷たい床に座ってそれを眺めるものだから、今の時期はとにかく寒い。すぐ出る人もいたし、私は30分くらいで退出したが、まだじっと聞いている人も沢山いた。
何というか…それほど引き込まれる世界だった。
もっとチベタンボールとか使って静かな感じなのだと思ってた。
※チベタンボールとはこういうの↓

 

 

 

 

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日本のように「チ~ン」とやるのではなく、器の縁をなぞるようにして音を鳴らす。
チベット仏教のお祈りで使われ、何とも不思議な音色。
使ってたんだと思うけど、他にも色んな楽器が鳴り響いててよく覚えていない。
その後、ガイドブックに載っていた日本人登山家の慰霊碑を訪ねた。
僧院左横のこの道をまっすぐ行く。

 

 

 

 

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1982年、日本人として初めて冬季エベレスト登頂に成功し、帰路に遭難した登山家、加藤保男さんの慰霊碑。

 

 

 

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隣りにも他の日本人慰霊碑、シェルパの慰霊碑が並んでいた。

 

 

 

 

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山々を見晴らせる尾根の上にあるが、この日は既に霧が出ていたので、手を合わせて宿に戻る。
 
泊まった宿は団体客がいて、結構賑わっていたが、この慰霊碑を訪れた人はいないと思う。(なぜなら場所が分からなくて団体客のガイドに聞いたがガイドも知らなかった。もちろんクマルさんも。)
日本人以外に現地のシェルパも亡くなっているのに何だか悲しい。
まぁ所詮見知らぬ人の慰霊碑だけど、せめてここに来た日本人だけでも、どうか手を合わせて欲しいと思う。
そこそこ疲れていたので、この日はガッツリ食べようと決意。
結構ちゃんとしたレストランで、かなり値段も高めだったから(高度が高くなるにつれレストランの値段も上がる)、ここならと思い、初日しくじったダルバートを注文。

 

 

 

 

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そうそう!
 
コレコレ!!!(∩´∀`)∩
 
けどまぁ、このダルバート、、、650ルピー もするんだけどね。。。
カトマンズなら日本食2食分!
ナムチェならステーキが食べられるよ?
全然庶民食じゃない!(TдT )
石油止めてるインドを恨む!
ただ、ダルバートは肉以外は何度でもおかわり自由。なので、絶対お腹いっぱいにはなる。
ネパールのパサパサ米が嫌いな私はひたすらイモとダル(豆スープ)をおかわりしまくった。
まぁこの先はダルバートの高さについていけず、スープ系ばっかり頼んでいたけども。
 
 
 
【ナムチェからタンボチェ】
プンギからはひたすら上り坂が続く。
タンボチェ僧院は16時からお祈り開始。
 
 
 
【タンボチェの宿】
「TASHI DELEK LODGE」
宿泊費:R300
人気宿。レストランは高い。僧院の向こうにもロッジが数軒あるので、そちらの方が無難。
 
 
 
    【本日使ったお金】
紅茶 R70
ヌードルスープ R280
ダルバート R650
カメラバッテリーフルチャージ R300
宿泊費 R300
合計:R1600

 
 
 
    旅女Tabijyo SHIHOさんのブログはこちら

 
 
 

 

 

富士山より高いところにある寺院、カラフルで美しいですね。のんびり大らかな村人たちと、雄大な景色から、時間がゆっくり進んでいるように感じます。ヤクの糞の燃料!まるで素焼きせんべいのようです。そのまま乾かすのではなく、一応まるく成形されているのですね~。今回のレポートも面白かったです!
次回はいよいよ山頂を目指します。どうぞお楽しみに~。

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